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合成清酒  作者: 初菜
合成清酒四
37/89

三十六升目。

昼過ぎに目を覚ました。

うっすらと見える天井は見覚えがなく、少し、焦る。


『ここ、どこだろ?幸太のおうちじゃないのかな・・・・・・』

深呼吸をして落ち着く。

『泣いちゃったことは覚えてるけど・・・・・・。

そのまま寝ちゃったんだ・・・・・・』


その後、今。

いるはずの幸太と滝口がいなくて、

いつも寝るのに使ってたリビングではなく、

見覚えのない場所。


少し大きめのベッド。ふかふかの感触。

起き上がりながら周りを見回す。

製図みたいなのが書きかけてある台や、

パソコンがある。


その時。

がちゃり、と音を立て、ドアが開いた。

慌てて布団の中へもぐりこむ。


「起きたか?」

「こ、幸太?」

「おー、起きたか。おはよう」

「うん、・・・・・・おはよう」

「どうした?」

「ここ、どこ?」


質問とおどおどした表情がよほどおかしかったのか、

幸太は声をあげて笑い出す。


「もー、幸太!笑わないでよー。ここどこなの?」

「どこって、お前、うちだよ。俺の家だよ」

笑いすぎて涙が出てたのをぬぐいながらこたえる。

不安感は幸太の声を聞いたときからなくなっていた。


「こーたー!」

飛びかかろうとするところへ

「お前昨日着替えないでそのまま寝たから服ぐちゃぐちゃだぞ」


視線を自分の服へうつしあわててまた布団をかぶる。


「パジャマに着替えさそうと思ったんだけどなー、

脱がし方がわからんかった。とりあえず部屋着、そこに置いてあるから。

着替えたらリビングな。飯作ってあるから」

恥ずかしそうに布団にくるまってるのを振り返り、

笑いながら部屋から出てゆく。

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