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合成清酒  作者: 初菜
合成清酒一
2/89

二升目。

突然な出会い。


幸太の目の前にいる女装の男の子、明子。


『いやいや、自己紹介を聞くと・・・・・・女装だから明子で、

女装してない時はアキで、だから今は女の子・・・・・・じゃなくて、

女の子は女装しないからやっぱり男の子で・・・・・・』


目玉と脳みそをぐるぐる回していた幸太はすくっと立ち上がり、

渡されたコップを置いて冷蔵庫へ。缶ビールを出して飲もうとした。

が、そこへ明子が素早く回り込みビールを取り上げる。


「もー。昨日たっくさん飲んだでしょ」

明子はほっぺたをふくらまして言った。


「昨日は昨日だっ。今日は今日だ!

もうなにがなんだかよくわからないからとりあえずビール!!」

混乱した幸太が声を上げる。


取り上げたビールを持ちながら明子はふぅ。と、ため息。

そしてビールのふたを開け、350ml缶を一気に飲み干した。


家出の子を連れてきた。

女の子だと思ってたら男の子で。

しかし目の前にいるのは女の子で。

でも男の子で。

それで俺からビール奪って一気飲み。


『なに、これ?』


かくん、と膝をついて、もう、なにがなにやらの幸太に

「しょうがないなあ」

ボソっとつぶやいた明子は、幸太が置いたコップを取ってきて、

冷たい水を幸太の頭にばしゃっとひっかけた。


「なんとなく、わかってきた」

タオルを頭にかぶせたままの幸太。

「やっと目が覚めてきた?」

嬉しそうな明子。


頭に水をかけられてしばらく。幸太はとりあえず落ち着きだした。


「目が覚めたとかじゃねーし、嬉しそうに言うな」

タバコに手をのばしながら幸太がぼやく。

「違うのー?」

幸太の目を下からのぞきこむ明子。

「違う。ああ、違う。

とりあえず状況をだな。整理しよう」

幸太はふいっと視線をそらしてタバコに火をつける。

「整理もなにも、幸太が起きた時にボクが話したそのままだよ」

無邪気な表情で明子が幸太に顔を近づける。

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