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使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


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51/53

第51話:白き聖炎と、鉄の掟を砕く絆の合体技

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アイゼンヴァルト家の鉄の掟と絶対防御を打ち破るため、仲間たちの想いを背負い、アイゼンヴァルト家の最後の決戦に挑む心優しき召喚師。

ファル(飛龍)

増幅の聖炉と仲間たちの絆を糧に、小龍から「第三位階:飛龍」へと進化を遂げたレインの相棒。圧倒的な翼で空を制圧する。

フェリル

第弐位階(成長期)へと進化したウルフ。高速の俊敏性と聖なる牙で、最後の突破口を切り開く。

ポルカ

第弐位階(成長期)へと進化したゴーストのマスコット。要塞全体の魔導エネルギーを相殺する多層反転障壁を展開する。

シルビア・ローゼンベルク

エリート召喚師。要塞の核心部にある最後の魔導障壁の構造を分析し、最強クラスの合体技へと導く。

ルナ

第弐位階(成長期)へと神々しく進化した白銀の狐。月光の聖力を極限まで高め、パーティ全体を強力にバックアップする。

ギル

第弐位階(成長期)へと進化したグリフォン。上空から荒れ狂う風の翼で飛龍ファルを完璧に援護する。

エルミナ

心優しきエルフ族の聖職者。仲間の力を一つに束ねるための祈りと神聖魔法を絶やさず捧げ続ける。

レム

小型ゴーレム。要塞の内部回路へとアクセスし、最後の防衛システムを内側から完全に無力化する。

バルドルフ・アイゼンヴァルト

アイゼンヴァルト家の絶対的な当主。鉄の掟の崩壊を前に、最後の意地と要塞の総エネルギーで立ち塞がる。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第51話、いよいよアイゼンファルス編のクライマックスをお届けします!

前回、増幅の聖炉と共鳴し、ついに「飛龍」へと劇的な進化を遂げたファルが、超重量級要塞獣を打ち破った第50話。第51話では、絶望的な鉄の掟を掲げる当主バルドルフとの最終決戦。聖炉の力を触媒にし、レムや仲間たちのすべてが一つに結晶化した**「最強クラスの合体技」**が炸裂する、シリーズ最大級の感動とカタルシスに満ちたフィナーレをお楽しみください!

統御の間に響き渡っていた轟音が、ふっと静寂へと変わった。

超重量級要塞獣が飛龍ファルの神聖なる一撃によって壁面に沈み込み、その巨体から立ち上っていた禍々しい赤紫色の魔導光が霧散していく。玉座の前に膝をついた当主バルドルフ・アイゼンヴァルトは、自らが絶対の自信を持っていた「鉄の掟」と「合理のシステム」が音を立てて崩れ去る現実を前に、信じられないというように両手で自身の顔を覆っていた。

「馬鹿な……我がアイゼンファルスの絶対防御が……この要塞の積み上げてきた何百年の歴史が、たかが数人のガキと、廃棄されるはずの欠陥品ごときに……敗北するなどということが、あってたまるか……っ!」

バルドルフの絞り出すような声には、敗者の絶望と、歪んだ支配欲にしがみつく最後の意地が滲んでいた。彼はガクガクと震える体を奮い立たせ、床に突き立てた長剣を杖代わりにして立ち上がった。その瞳には、狂気に満ちた赤い光が宿っている。

「まだだ……まだ終わらん! 要塞の全エネルギーが収縮しているこのコアを暴走させれば、お前たちごとこの街のすべてを灰燼に帰すことができる……! さあ、共に消え失せろ、愚か者どもめ!!」

バルドルフが懐から取り出した最後の「統御の魔導水晶」を握りしめると、統御の間の床下深くから、ドクン、ドクンと地響きのような不気味な鼓動が鳴り響いた。要塞全体のエネルギーが暴走を始め、部屋全体が再び強烈な重力異常と破滅的な熱量に包まれようとする。

「させないよっ……!」

その緊迫した空気の中、一歩前に出たのは小さな影だった。

小型ゴーレムのレムだった。レムはピョンと軽やかに飛び上がり、要塞のメイン制御端末が剥き出しになった床の隙間へと、まるで矢のように素早く滑り込んだ。

「カチ、キキッ……! もう、誰も傷つけさせないキュピ……!」

レムの胸元で透き通るスカイブルーに輝くコアが、かつてないほどの強烈な光を放ち始めた。レムは小さな両手を端末の奥深くにある核心の回路に直接突き立て、増幅の聖炉から流れ込む神聖な魔力波を一気にその内部へと流し込んだ。

「なっ……何をする気だ、その小さな玩具が……!?」

バルドルフが驚愕して叫ぶと、レムはキリッとした電子音を響かせながら言い放つかのように、全身の光をさらに強めた。

「シャットダウン完了キュピ! ……お前の一方的な支配は、もうおしまいだ!」

――パリンッ!! と、要塞全体の暴走を抑え込むように、美しいガラスが割れるような清らかな音が響き渡った。

レムの決死の内部ハッキングと聖炉の浄化の光が連動したことで、バルドルフが握りしめていた統御の魔導水晶は、パキパキと音を立てて完全にひび割れ、無力なガラス玉へと変わって砕け散った。

「ば、馬鹿な……我が魔導制御が……完全に遮断されただと……!?」

バルドルフは力なく膝から崩れ落ち、持っていた長剣がガシャリと冷たい床に音を立てて転がった。要塞を包み込んでいた重苦しいプレッシャーと冷酷な鉄の掟の呪縛は、この瞬間、完全にその効力を失ったのだった。

しかし、戦いの決着はこれで終わりではなかった。

バルドルフの支配の象徴である「要塞の最上階を覆う最後の巨大な魔導障壁(絶対防御の殻)」が、暴走の余波によって最後の抵抗を示すかのように、街全体を飲み込むほどの漆黒のドーム状となって空中に展開し始めたのだ。

「あれをそのままにしておいたら、要塞の残存魔力が爆発して、街の人たちに危害が及んでしまうわ……!」

シルビアがエメラルドグリーンの瞳を厳しく細め、手元の魔導探知機を見つめながら叫んだ。

「みんな、最後の仕上げだね」

レインは優しく微笑み、その足元からこれまでで最も大きく、最も美しい青い魔方陣を展開した。

青く透き通る光の波長が、統御の間にいるすべての仲間たちの足元をしっかりと繋ぎ止める。

そして、その中央には――星見の秘境で手に入れた伝説の遺物**「増幅の聖炉」**が、青銀色の神聖な光を太陽のように眩しく輝かせながら浮遊していた。

聖炉は、レインの魔力、レムのピュアなコア、フェニックスのように羽ばたく飛龍ファルの圧倒的な神気、ギルの風圧、フェリルの牙、ポルカの障壁、ルナとエルミナの聖力を、まるで引かれ合う磁石のように完璧な一つの核へと集約していった。

『レイン! みんなの心を一つにして、あの空を覆う鉄の壁を完全に撃ち抜こう!!』

上空で銀色の翼を大きく広げた飛龍ファルが、力強く、そして優しく仲間たちに呼びかけた。

「よし……! 僕たちの絆と、すべてを護るためのすべての想いを込めて……!」

レインが両手を天高く突き上げ、力強く叫んだ。

「「「せぇーーーのっ!!」」」

仲間たちの声が完全に一つに重なった瞬間、増幅の聖炉から放たれた無限の神聖エネルギーが、飛龍ファルの全身へと一気に注ぎ込まれた。

ファルがその巨大で美しい銀色の翼を力一杯に羽ばたかせ、喉の奥から放ったのは、これまでのすべての戦いの歴史と仲間たちの絆の結晶――最強クラスの合体魔法『シンフォニック・ソウル・フレア(魂の共鳴が放つ聖炎)』だった。

――ドオオオォォォンッ!! と、世界が白銀の光に包まれた。

ファルから放たれた神聖なる竜の閃光は、聖炉の増幅効果によって数倍にも膨れ上がり、ギルの巻き起こす強烈な風の竜巻、フェリルの高速の光刃、ポルカとルナの月光の波動、そしてエルミナの温かな聖なる祈りのすべてを完璧な螺旋状に纏いながら、要塞の空を覆っていた漆黒の絶対防御のドームへと直撃した。

パリパリパリッ……!! と、どんな攻撃をも弾き返してきたはずのアダマンタイトの絶対防御が、ガラス細工のように音を立てて無数の亀裂を走らせる。

そして次の瞬間――!!

――ガァァァァンッ!! と盛大な音を立てて、アイゼンファルスの象徴であった「絶対防御の結界」が、粉々に四散して完全に消滅した。

漆黒に閉ざされていた要塞の空に、嘘のように晴れ渡った青空と、温かな太陽の光がスーッと差し込んできた。

要塞のあちこちから、冷酷な鉄の掟に縛られてうつむいていた兵士たちや、過酷な労働に苦しんでいた下層の人々が顔を上げ、空を見上げた。その目には、長年の絶望を洗い流すような、美しい涙と確かな希望の光が宿っていた。

「やった……ついに勝ったんですね……!」

エルミナが両手を合わせてほっと息をつき、シルビアも緊張の糸が切れたようにその場にへたり込みながら柔らかい笑みを浮かべた。

フェリルやポルカ、ルナ、ギルたちも互いに顔を見合わせ、それぞれのやり方で勝利の歓喜を分かち合う。

小さな鉱石ゴーレムのレムは、ピョンピョンと嬉しそうに飛び跳ねながらファルの足元へと駆け寄り、「キュピーーーッ!!」とこれまでで最も大きく、最高に晴れやかな電子音を響かせた。

ファル(飛龍)は、その巨大で温かな銀色の頭を優しく下げ、レムの小さな体をそっと包み込むように撫でた。

玉座の前で膝をついていたバルドルフ当主は、差し込んできた太陽の光を眩しそうに細め、やがて力なく目を閉じて、その場に深く頭を垂れた。彼を縛り付けていた「鉄の掟」という名の冷酷な呪縛は、この青空の下で完全に霧散し消え去ったのだった。

レインは深く息を吸い込み、青く輝く魔方陣の光をそっと収めると、仲間たちと、そして新しく自由を取り戻したすべての者たちを見渡しながら、心からの温かい笑みを浮かべた。

「――僕たちの勝ちだ。さあ、ここから新しい世界への第一歩を始めよう!」

こうして、五大家系の一つ・アイゼンファルスを揺るがした大激闘は、使役を捨てた召喚師レインと、最高の絆で結ばれた仲間たちの完全勝利によって大団円を迎え、世界は新たな改革の朝へと踏み出すのだった!

後書き

第51話「白き聖炎と、鉄の掟を砕く絆の合体技」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

星見の秘境で手に入れた「増幅の聖炉」を触媒にし、飛龍へと進化したファル、レムの決死のハッキング、そして仲間たちの想いのすべてが一つに結晶化した最強クラスの合体技によって、アイゼンファルスの絶対防御と鉄の掟を完全に打ち砕くクライマックスを描かせていただきました。長きにわたるアイゼンファルス編、いかがでしたでしょうか?

次回の第52話では、戦いを終えた要塞の街で、鍛冶師のディーンやレジスタンスのリーダー・ガレット、そして解放された人々とゴーレムたちが迎える心温まるエピローグ(前編)をお届けします……!

ブックマークや評価、いいねなどをポチッと押していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります!

それでは、温かな後日談が描かれる第51話でお会いしましょう!

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