私はここで死ぬわけじゃない。
暗闇。
それが、アベルが最初に気づいたことだった。
しばらくの間、自分の目が開いているのか閉じているのかさえ分からなかった。すべてが……静寂に包まれていた。まるで廃墟となった街のように。
それから、ゆっくりと——
音が戻ってきた。
低く、重い呼吸音が聞こえる。
自分のものではない。
アベルの目がぱっと開いた。
目に映ったのは、石造りの天井だった。
「……ここはどこだ?」
声が掠れて出てきた。
起き上がろうとしたが、体が言うことを聞かない。
「……何?」
体がまったく動かない。
少しも。
小さなパニックが押し寄せてくる。
「動け……」
それでも何も起きない。
腕も。足も。頭さえも。
まるで体が自分の言葉を聞くのをやめてしまったかのようだった。
そして——
音がした。
すぐ隣から。
ゆっくりとした、重い呼吸音。
アベルの目が横に向いた。
「……まさか。」
ワイバーン。
群れを成して、そこにいた。
どこもかしこも。
洞窟の床に翼を折り畳んで丸くなり、体を上下させながら眠っている。壁に張りついているものもいれば、積み重なって寝ているものもいた。
アベルは動かなかった。
息が止まった。
……冗談だろ。
心臓が速く打ち始める。
よりにもよって、目を覚ましたらここなのか……
そして——
頭の中に、かすかな音が響いた。
【 通知 】
【 スキル:オーバーライドの過度な使用により 】
【 体が一時的に動けない状態になっています 】
【 推定回復時間:3時間 】
【 この間、あらゆる怪我の重症度に関わらず、徐々に回復します 】
アベルはそのメッセージを見つめた。
3時間だと?!
目がぴくりと動いた。
普段は冷静沈着なアベルの中で、何かが崩れていくのを感じた。
3時間も動けないと言うのか?!
叫びたかった。
本当に叫びたかった。
でも叫べない。
なぜなら、すぐ隣で——
ワイバーンが眠ったまま、少し体を動かしたからだ。
アベルは完全に静止した。
鼻からゆっくりと息を吐き出した。
「当然こうなるよな。」
目が慎重に動き、洞窟の中を見渡す。
ワイバーン。
どこにでもいる。
今の状態で、もし一匹でも目を覚ましたら……
死ぬ。
間違いなく。
「……最高だな。」
一瞬、苛立ちが顔に浮かんだ。
それから——
目を閉じた。
ゆっくりと息を吸い込んだ。
そして、強引に冷静さを取り戻した。
パニックになっても意味がない。
怒っても意味がない。
動くことなど、そもそも選択肢にもない。
仲間を呼び出すことも無理だ。エクリプスとの戦いの時でさえ、何度か試みたが……うまくいかなかった。
「……わかった。」
声を限りなく小さくして言った。
少なくとも、眠っている。
目を再び開き、より集中した眼差しで見渡す。
3時間か……
視線がわずかに険しくなった。
だったら、全員殺してやる。
周りでは、ワイバーンたちが眠り続けていた。
洞窟は静かなままだった。
しかし緊張感は、少しも和らぐことはなかった。
アベルの左側のワイバーンが翼を広げ、その翼の下にアベルを覆い隠すようにして眠った。
ドクン
ドクン
ドクン
心臓がドラムのように打つ。心音がワイバーンを目覚めさせてしまうのではないかと、アベルは心配し始めた。
幸い、ワイバーンは翼越しにアベルの存在に気づいていないようだった。それでも、危険な状況には変わりない。
もしワイバーンが一匹目覚めたら、アベルはどうすればいい?
ただ待っているだけではだめだ。計画を立てなければ。
問題は、動けない状態で何ができるのかということだ。
動けないのだから、物理的に身を守ることはできない。
魔力がないのだから、手足を使う魔法も使えない。
仲間を一人たりとも呼び出せない。
スキルも使えない。どれも少量の魔力を必要とするから。
この状況では、ワイバーンが目を覚まさないよう運に頼るしかない。
何か役に立つことを思い出そうと、記憶の隅々を探った。
考えて、考えて、考え続けた。しかし何も思い当たらなかった。
状況は、ある意味滑稽だった。
剣の一閃で一掃できるはずの怪物たちが、今や自分の命運を握っているのだから。
溜め息をついた。
まだ復讐も果たせていない。ファングを倒して得た能力も試せていない。
ファング。
はっとした。
ファング!
あの夜、クラスを獲得した時のことが頭に浮かんだ。
———
ファングの背に乗り、屋敷へと向かっていた。銀河を走る彗星のように速かった。
その道中、ファングを倒して得た他の報酬を確認することにした。
オーバーライドはすでに確認済みだったので、残りの二つのスキルを見てみた。
【 スキル:ドラゴンブレス 】
【 説明:異なる属性の元素を組み合わせ、竜の息吹の形で放出することができる。 】
「まあ……何かには使えるだろう」と呟いた。
そして、もう一つ。
【 スキル:メナス - Lv. 1 】
【 説明:竜のようなオーラを放ち、敵に麻痺効果を与える。また、プレイヤーのレベルが敵より高いほど、敵のステータスを下げる。魔力を消費しない。 】
———
これだ。
これが活路になる。当時は役に立たないと思っていたこのスキルが、今まさに、この窮地から脱出するための鍵になるかもしれない。
これでワイバーンたちを倒すことはできないだろう。いや、確実にできない。でも、目を覚ましたとしても、体が回復するまでの間、近づけなくすることはできるはずだ。少なくとも、それが計画だ。
しかしもし失敗したら? ワイバーンたちがメナスの効果に抵抗したら、ただの餌になるだけだ。
そうならないことを願うしかない。
ようやく落ち着き始めた、その時——
警告もなく、咆哮が響き渡った。
一匹のワイバーンの目がぱっと開いた。立ち上がり、翼を広げた。洞窟の中を見回し、アベルを発見した。
……まずい!
胸が締め付けられた。
鼻をひくつかせ、匂いを嗅ぐ——
そして咆哮した。
洞窟が爆発したかのようだった。
翼が激しくばたつき、爪が石を削り、次々と他のものたちが目を覚まし、低い唸り声が洞窟中に響いた。
くそっ……
脈が急上昇し、暗闇の中でいくつもの目がアベルを正確に捉えるたびに、胸の中で心臓が暴れた。
考える暇はない。
「メナス。」
【 スキル:メナスが発動しました 】
その言葉が唇を離れた瞬間、体の奥深くで何かが弾けた。
瞳孔が縦に細くなり、深紅が瞳を染め上げた。そして目に見えない力がアベルの体から爆発的に広がり、洞窟全体を圧倒的なオーラで満たした。アベル自身も、皮膚に圧力がかかるのを感じた。
しかしアベルが感じたのはそれだけだった。
獣たちは——
竜だ。
反応は即座だった。
ワイバーンたちが固まった。
唸り声はさらに低くなったが、今度は敵意からではなく、恐怖からだった。後退しようとするものもいれば、本能に従い、眼前の神に向かって頭を垂れようとするものもいた。
うまくいった。
ゆっくりと息を吐き出した。
「……近づくな。」
焦るな。ただ待て。3時間——生き延びるだけでいい——
そして——
一匹が前に進み出た。
アベルの意識がそこに向いた。
……何?
そのワイバーンは他のものたちより大きく、強烈なプレッシャーの下でも身を固めながら動じていなかった。黄金色の瞳は、他のものたちのように揺らいでいなかった。
もう一歩、前へ。
胸が締め付けられた。
嫌だ……やめろ、やめてくれ——
ワイバーンが低く、反抗的に唸った。その瞳が深紅に染まった。
そして飛びかかった。
圧力がガラスが砕けるように霧散した。
洞窟のワイバーン全員が一斉に反応した。
まるで大きな個体の意志に呼応するように、その瞳も深紅に変わった。
「——!」
処理する間もなく、尻尾がアベルの側面を叩いた。
バキッ。
体中に爆発的な痛みが広がり、背中が天井に激しく叩きつけられた。衝撃で血を吐き、四肢も砕けた。視界が揺れた。
暗い洞窟の天井から落下する間に、別の影が素早く迫ってきた。
顎がシャツを掴み、空中で引っ張り上げられ、恐ろしい力で洞窟の反対側へと投げ飛ばされた。
世界が回転した。
岩が迫ってくる——
そして衝撃。
体が激突した瞬間、岩盤が砕け散り、破片が周囲に爆発的に飛び散った。
落下していく——
コントロールできない。防御もできない。
もう一匹が待ち構えていた。
大きく開いた顎が視界を埋め尽くした。
速すぎる——
あまりにも速すぎる——
顎が閉じた。
胴体を真っ直ぐに。
「グ、アアアァァァ——!!」
アベルは全力で叫んだ。内臓がワイバーンの鋭い歯に押し潰されていく。歯は一秒ごとに深く食い込み、アベルの叫びはそれに応えるように大きくなっていった。
ワイバーンはアベルを離したが、その前に部屋の反対側へと投げ飛ばした。
洞窟内を飛びながら、何度か地面に叩きつけられ、洞窟の床と頭部に亀裂が走った。
ついに洞窟の壁に衝突し、衝撃で壁が砕け散った。
体がゆっくりと地面へと滑り落ちた。上体を起こしているが、顔は下を向いたまま。頭から血が滴り落ちる。
最悪だ。奴らが何をしているか見えない。でも、続けるしかない。
【 推定回復時間:2時間10分 】
乗り越えられる。
アベルの知らないところで、ワイバーンたちが一斉に顎を大きく開いた。炎が形成され始めた。
洞窟内の空気が、ワイバーンたちの炎が大きくなるにつれて熱を帯びていった。
地面の血が蒸発し、痕跡が消えていった。
そして、異常なことが起きた。
同時に、すべてのワイバーンが炎を圧縮し始めた。巨大な火球が突然ガラス玉ほどの大きさになったが、そこから放たれる熱と力は増大していた。炎の色は深紅から純白へと変わった。
群れの中で最も大きなワイバーンが、ためらいなく最初に炎を放った。その首が素早く前に向いた。
白い炎のビームが音速を突き破り、光の瞬きの中へと消えていった。
アベルにはワイバーンたちが何をしているか見えなかった。頭はまだ下を向いたままだった。しかし、白い光のビームが視界をよぎり、胸を貫いた時、答えが分かった。
爆発はなかった——ただ、清潔な穿孔だけが残った。ビームは胴体を貫通し、背後の洞窟の壁に当たり、深く煙を上げるトンネルを刻み込んだ。
その一撃で、ワイバーンはアベルの神経を焼き切った。
「……」
喘ごうとしたが、肺が機能しなかった。
大きなワイバーンが頭を引き戻した。その深紅の瞳はアベルを冷たく、威圧的に見つめており、その眼差しは雄弁に語っていた:お前は死んだ。
仲間のワイバーンたちに合図を送った。
一匹ずつ、他のワイバーンたちも発射した。
これはただの攻撃ではなかった——処刑だった。弾丸は恐ろしい速さで飛来した。
ビュッ。
ビュッ。
ビュッ。
圧縮された炎の一本一本が、針のように体を貫いた。肩を一本、腿を一本、腹部を二本。熱は燃やすのではなく——接触した瞬間に肉を気化させるほど強烈だった。
攻撃に終わりは見えなかった。それでも唯一救いだったのは、神経が焼き切れていたことで、本来感じるはずの痛みが70%カットされていたことだ。それでも、一撃一撃が炎のエンチャントを施された剣で刺されるように感じた。
アベルの体はすべての衝撃で痙攣し、まるで標本のように洞窟の壁に固定されていた。血が流れる間もなく、傷口は炎の熱によって塞がれていた。
視界がトンネル状に狭まっていく。
アベルは洞窟の壁に固定されたまま、濁っていく目でワイバーンたちを見つめていた。大きなワイバーンが再び前に進み出て、その鼻先がアベルの顔に近づき、低い唸り声を上げた。最後の一撃を準備しており、その喉は瀕死の星の唸りで光り輝いていた。
アベルの心は静かだった。痛みは消え、冷たく、絶対的な明晰さがそれに取って代わっていた。
これで終わりか? と、遠くなっていく思考の中で考えた。
体は壊れた。魔力は尽きた。メナスのスキルも効かない。
しかし、アルファの喉が命を奪う光で輝き始めた時、砕けた骨の髄の奥深くで、何かが動いた——スキルでも、ステータスでもなく、屈服を拒む圧倒的な意志が。
俺はここでは死なない。
その言葉がアベルの頭の中に響き渡った。
彼は、今もなお、混沌の神だった。
混沌の本質とは、意味を成すすべてのものに反抗し、現実の法則に逆らい、それを書き換えることだ。
それが神としてのアベルの力の本質であり、だから自分のシステムの性質に逆らうことなど、彼にとって造作もないことであるべきだった。
ワイバーンの口の中の光は、アベルの命を奪う寸前まで輝き続けていた。
アベルの視界が暗くなっていく——しかし痛みよりも深いところで、何かが動いた。
「俺は……この世界のルールに縛られない。そして確実に……」
【 通知 】
【 システムエラー検出 】
「……自分のシステムにも縛られない。」
【 安定化を試みています——】
文字が途中で歪み、紫のエネルギーがインターフェースに滲み込みながら激しく点滅した。
【 エラー 】
【 権限の競合:未知のソース 】
【 抑制不可能……】
アベルの手がわずかに動き、ゆっくりと頭を持ち上げた。世界全体がスローモーションで動いているように見えた。ワイバーンはビームを発射しているはずだったが、アベルには炎をまだ集めているように見えた。
拳を握り締めた。そして——
ドンッ!!
強烈なアッパーカットが獣の頭部に炸裂した。鱗が砕け、骨が粉砕され、頭蓋骨が潰され、首が体から引きちぎられた。
頭部が天井に叩きつけられ、巨大な穴が開いた。胴体はアベルの上に倒れ込み、完全に動かなくなった。
アベルは立ち上がった。四肢はゆっくりと回復し始めていたが、体中の穴はすぐには塞がりそうもなかった。内臓の損傷もそうだ。
しかし構わない。
手足さえ動けば、奴らを地獄に送ってやる。
ワイバーンたちは、今見たものに困惑したように、アベルを見つめていた。
さっきまで嬲り者にしていた獲物が、一撃で群れの最強個体であるアルファを倒したのだ。
アベルはかがんで、死んだアルファの体から、血に染まった指ほどの大きさの鱗を三枚抜き取った。
それから立ち上がり、黄金の瞳でワイバーンたちを見渡すと——視界から消えた。
シュッ。
洞窟には合計50匹のワイバーンがいた。アルファが倒れて49匹になり、その刃のような音とともに、40匹になった。
後方に回り込み、ワイバーンの鱗を投げつけた。9匹の首を貫通した。
残りのワイバーンが振り返り、アベルを捉えようとしたが、彼はすでに消えていた。
群れで二番目に大きなワイバーンの前に現れ、その胸に突き刺さった。
悲鳴を上げながら距離を取ろうとしたが、距離を縮める前にアベルが素早く動き、膝でその鼻先を打ち、獣を仰向けに倒した。
ワイバーンの上に馬乗りになり、首を掴んだ。
拳を引いて、放った。
ドンッ!
拳が翼を持つ獣に炸裂した瞬間、巨大な衝撃波が洞窟の床に送り込まれた。しかしそれだけでは終わらなかった。
さらに一発、また一発、また一発と続いた。
ドンッ!
ドンッ!
ドンッ!
ドンッ!
一発ごとに衝撃波は強くなっていった。最初はワイバーンが悲鳴を上げていたが、四発目を過ぎると静かになり、自分の血の海に沈み、鱗は砕け、頭蓋骨は潰れた。
「認めよう、死んだ上司よりは手応えがあった。」
獣の死体から立ち上がり、降りた。
残りのワイバーンたちが翼を広げ、逃げようとし始めた。
ワイバーンの鱗を取り出し、人差し指と中指の間に挟んだ。足と右腕を大きく引いて、近くの壁に向けて投げた。
「ウシャーーースクチッ!」
壁に当たり、跳ね返り、ワイバーンの翼を貫通した。
悲鳴を上げながら即座に地面に叩きつけられたが、攻撃はそこで止まらなかった。ワイバーンの体を反動として、次のワイバーンへと当たり、それが連鎖していった。
数秒のうちに、すべてのワイバーンが地面に叩きつけられた。
唸り声を上げながら、もう一度立ち上がろうとした。
足が震えていた。本能が逃げろと告げているが、アベルは逃がさない。
立ち上がった瞬間、アベルが一匹に向かって突進し、回し蹴りをその首に叩き込んだ。
即死。
本物の地獄が始まった。
アベルはワイバーンたちに次々と猛攻を加えていった。一発ごとに重くなっていく。
頭をぶち飛ばし、壁に蹴り込み、時折鱗を剥ぎ取って弾丸のように飛ばしては頭を狙った。
残り15匹になったところで、一匹が尻尾を使って炎の弾を放とうとしたが——
炎を集め始めたその瞬間——
「スクリーーーーーーッ——!!」
アベルはその尻尾を体から引きちぎり、ワイバーンを叩き倒すための棍棒として使った。
それからワイバーンの首を踏み、瞬時に頭から引き離した。
アベルは肩に尻尾を担ぎ、残りのワイバーンたちの頭蓋骨を次々と叩き始めた。
血が飛び散り、骨が砕け、悲鳴が洞窟の空気を満たしたが、結末は変わらなかった。
最後のワイバーンがアベルを見て、再び逃げようとした。
こいつらは学習しないのか?
手のひらのワイバーンの鱗を見下ろした。噂が本当かどうか確かめよう。
鱗を握り潰した。
粉になるまで砕き続けた。
それを口に入れて食べた。
【 MP:200 / 9965 】
魔力量が0から200に上昇した。
それで十分だ。
手を突き出すと、指先から細い魔力の糸が形成され始めた。
手をひくつかせると、糸が部屋中に一瞬で広がった。
手首をひらりと動かすと、糸がワイバーンの手足を縛り上げた。
糸は淡い青い光を放ち、今まで展開した真紅の恐怖とは対照的だった。
ワイバーンはアベルを見た。ボロボロに傷つき、穴だらけで、血まみれになった獲物が、群れ全員を倒してしまったのだ。
アベルの周りに小さな青い魔力の球が現れ始めた。
一つが十になった。
十が五十になった。
五十が何百にもなった。
まるで星の野原のように洞窟中に広がり、四方八方からワイバーンを取り囲んだ。
「安心しろ。仲間たちのように楽な死は与えてやらない。」
パニック状態のワイバーンが糸を噛み切ろうとしたが、もがけばもがくほど糸はきつくなっていった。
球体が変形し、剣や槍の形を取り始めた。
獣が悲鳴を上げようとしたが、アベルの冷たい声に遮られた。
「ナイト・オブ・ブレイズ。」
刃が動いた。
第一波がその翼を貫き、引き裂いた。
第二波が胴体を割り、鱗も骨も肉も、何の障害もなく切り裂いた。
第三波——
第三波はなかった。その時にはもうワイバーンの体は全体としては存在していなかった。
残ったのは、体の断片だけだった。
【 レベルアップ 】




