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プロローグ 邪神誕生

───おい!!おーい!!!まだ気を失うな!!相棒!!───


誰かが俺を呼んでいる。


───今気を失ったらマジで終わりだぞ!!気合で何とか気をしっかり持て!!───


無茶を言う。俺は首だけなんだぞ?


───今相棒は俺が繋がってるお陰で何とかまだ意識はあるが、それももう限界だ!!───


俺はまだ生きているのか?


───ちょっと待ってろよ!!今あの糞野郎(神人)からもらったあの飴玉?に取りついた!!あのでくの坊(天使)の目を盗んでそっちに行くからなァ!!───


倒れている俺の体のポケットから赤い飴玉の様な薬がコロコロと、まるで意識を持っているかのように此方に転がってくる。


───よーし!!あの阿呆(天使)には気付かれてないな??───


───相棒!!俺を食え!!この赤い玉を飲み込むんだ!!───


首だけの俺に無茶を言う。


───このまま終わりたきゃないだろ!?俺ァ相棒の力になれる!!一緒に戦おうぜェ!!───


……こいつが何者なのか分からない。

只、確かにこのまま終わるのは嫌だ。


俺はまだ何も出来ちゃいない。


赤い薬は自ら俺の口元に近づくと、口にぶつかってきた。


───あとは相棒次第だ!!───


俺は最後の力を振り絞り、口にぶつかってきた赤い薬を飲み込む。

首から下が無いから当然そののまま喉を通って落ちていく筈の赤い薬だが、どうやらそうはならなかった。


───赤いの玉の能力は───

───発火能力です───

───数回掌で・でででででで………うるせェ!!!!───


───よーし……!よォォし!!───

───相棒!!完全につながったぜェ!!───


次の瞬間俺の首から黒い触手が無数に生えてきた。

黒い触手は倒れている俺の体にくっつくとそのまま一気に引き寄せる。


そして……


「なんだと!?」


死体が動き始めれば当然バラバさんにも気付かれる。


───相棒!!一気にくっつけるぞ!!あのでくの坊(天使)にまた殺される前に!!───


頭の中のナニカがそう言うと、首は一瞬で体と繋がった。


───相棒は血を流しすぎた!!脳に送る血液も止まってたから後遺症とかも心配かもしれねぇがそこは俺を信じろ!!相棒の心臓は完全に壊れちまってるが俺がつなぎ合わせて血も俺がなんとかしてやらァ!!───


「勝利殿……!!一体どうなっているのだ!?」

「バラバ……さん……」

「!!!」


バラバさんはまるでゾンビでも見たかのように、冷や汗を流し狼狽えている。

俺はゆっくりと立ち上がるとバラバさんを見据えた。


「勝利……殿……」

「バラバさん……。貴方がなんで俺を裏切ったのかは……分かりません」

「……」


体がふらつく。

視界がまだぼやけている。

頭もぼーっとしている。


「でも俺は行きます」

「勝利殿……」


───もう分ってんだろ!?俺は邪神・ボムバ・ヌクリアと呼ばれていた()()だ!!───


───だが今日からそれは俺だけの名前じゃねェ!!俺は数千年間ずっと待っていた!!相棒を!!───


───相棒はこの世界で最弱だ!!だがァ!!俺と一緒なら相棒は誰にだって負けやしねェ!!───


───さァ叫べ!!俺と繋がる言葉(キーワード)!!俺の後に続けよォ!!───



「……邪神装甲!」


その言葉と共に心臓部分から黒い触手が現れる。

黒い触手は瞬く間に俺の全身を覆い、そして形を変えていく。

それはまるで黒い鎧の様だった。


黒いフルプレートの鎧を身にまとい、俺はバラバさんに対峙するのであった。



その日ファルデア王国に邪神が降り立った。


数千年間神人に遣わされた移転人によって封印されてきた邪神・ボムバ・ヌクリアが、ついに現世に姿を現したのだ。


そしてこの邪神復活こそ、後に歴史に刻まれる事となる「ファルデア王国最悪の日」の詳細である。


かくして邪神を封印するはずの移転人によって、封印から解き放たれた邪神・ボムバ・ヌクリア。


この邪神の登場により三界の情勢は、そして革命軍『ル・ルシエ』との交戦は更に混沌を極めていくのである。

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