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閑話2 きさま!見ているなッ!

「そんな……馬鹿な……」


革命軍八人の指導者の一人であるカイン・アルベルドはその絶望的な光景に膝から崩れ落ちそうになった。

数年前から計画していた、ディオスパイダーを使ってのブルリカ陥落計画。


魔界でも狂暴な魔物であるディオスパイダーの長に、特殊な餌を食べさせ一気に急成長させる。

そのために魔界に赴き多くのディオスパイダーの群れに実験をした。


その中で唯一の成功であった今回の個体の群れは、数年でもはや自分たちですら手に負えない強大な怪物たちと化した。

スタンピードと見せかけてカイン自ら次元の裂け目を作り出し、ブルリカを陥落させる。

その後はファルデア王国の王都である、デポカを襲撃しファルデア王国を潰す。


三界大戦で多くの犠牲を払っておきながら、天界に与するファルデア王国陥落を見せしめに、天界に引いては魔界にすら与する連合国たちに恐怖の大打撃を与える。


計画は順調だった。

憎きアークエンジェルズたちがディオスパイダーに成すすべもなくやられていく様に、喜びと達成感で涙を流した。

三界大戦の英雄の一人であるアルデンが、失意のうちに逃げていく様を見た時はもはや絶頂ものであった。


ブルリカを陥落させたディオスパイダーたちはここを拠点に、ファルデア王国を潰すだろう。

もはや目に浮かぶ光景に、カインは満足しブルリカを去ろうと術を発動させようとした時それは現れた。


一瞬のうちにバラバラにされていくディオスパイダーたち。

バラバラになった死骸は凍り付き結晶のように輝いてる。

一時間たらずでブルリカ陥落を目の前にしていたディオスパイダーたちは、ものの数分で全滅まで追いやられていた。


「そんな……馬鹿な……」


目の前の光景が信じられないカインは、同じ言葉を繰り返す。

ディオスパイダーに襲われないよう大事をとって数キロ先から観察していたカインであるが、魔術によって目をさらに強化しその首謀者を視る。


「………え」


その時であった。

右腕に違和感を感じたのは。


おそるおそる右腕を見ると、右肩から先がごっそりとなくなっており、その肩先からどんどん体が凍り付いていた。


「ひ……ひやあああああ!!!」


───ばれたのだ!

───気付かれたのだ!!


急いで転送の術を発動しブルリカから離れる。

ブルリカから数キロはなれた集落に転送したカインは急いで右腕の回復を試みる。


しかしいくら魔力を込めても腕は再生しないどころか、どんどん体が凍り付く。


「まさかこの氷は回復阻害のためか!」


氷を溶かすため、左手に魔力を溜め炎の上級呪文を唱える。


「ビオラデ・グランデカ!!!」


もうこうなれば自身の半身を焼き切ってでも氷を溶かすしかない。


しかし炎が氷に着弾したとき、その炎が今度は凍り付き始めた。

そして炎を通じて今度は左手までもが凍り始める。


───化け物めぇ!!


先ほど微かに視えた少女の姿をした化け物に呪いの言葉を心でかける。

それがなんの意味をなさないことはカイン自身が分かっていたが、もはやカインはどうすることもできなかった。


───この私がこんなところで………!!


余った魔力と時間で同志たちにメッセージを送りカインはもはやこれまでと目を見開く。

全力の念和を同志たち送りカインは憎悪と醜悪の表情と共に凍り付いた。


そして数分後カインであった氷の彫刻は音もなく崩れ落ちたのであった。



『失敗した。魔族の化け物がいる。重々警戒し計画の練り直しをせよ』


「カイン……あなたの無念は(わたくし)が晴らしますわ……」


メッセージを受け取った女性は、握りしめて砕け散ったワイングラスを更に握りしめ、亡きカインに復讐を誓うのであった。


こうして三界情勢崩壊を望む革命軍『ル・ルシエ』のファルデア王国壊滅計画は更に激しさを増していく。

そして、その争いの渦に佐藤勝利たちも巻き込まれていくのであった。

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