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ドクタースイサイド  作者: 多谷昇太
雲の上の錐最戸医院
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医師のコワークス空間

錐最戸「そうじゃろ、そうじゃろ。受身オンリイの観客か、役者であることも忘れ果てた、被虐者になり切っていたのだろう」

林「せ、先生、じゃこの世は舞台ですか?演劇の中にあって、そして私たち人間は、これすべて役者ですか」

錐最戸「うむ、そこだ!林さん。しかしここから先は診察となるので、こちらへ、診察室に入ってください。さ、どうぞ。荒木田君との間を引き裂くようで申しわけないが」

林「荒木田……さんとおっしゃるのですか?こちらの看護婦さん」

錐最戸「荒木田光ひかる。どうです、いい名前でしょう。君がさっき云った‘世の光’はまさに云い当て妙だったわけだ(笑い)じゃ、荒木田君、君のロミオをしばし借りるよ。さ、中に入って」

荒木田「がんばってね、ロミオ」


 錐最戸と林、診察室に入る。スリッパの音やドアの閉まる音等。


林(M)『こ、これは!これはいったい……』


M(効果音:エンヤ系の女性声による、驚きを示す、一瞬のフォルテ音のあと、滝の音を交えたような癒し系音

楽をしばし背景にBGMとして流す)


林『……診察室に入った途端、俺は思わず心中で絶句してしまう。室内と思って入ったら、いきなり屋外に出たような錯覚を覚えたからだ。森林セラピーとでも云うのだろうか、緑いっぱいのオフィスルームがまるで森の中にいるようだ。そしてさらに、何よりの驚きが、部屋の向かい正面の壁がなくって、その代わりそこにさわやかな森林か、あいは滝のような光景と云うか、えも云われぬ空間が、そのまま部屋に隣接しているように見えることだった。なんと表現すればいいのか、一種この世の感覚では云い難い、‘清浄’という名のオーラが、そのままそこに現出したような感じなのである。心の底からリラックスできる空間が、この医師のコワークス空間が、眼前に広がっていた……』

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