あの人を助けてやって!
警官A「おい、どうした!ボーッとして。大丈夫か?口が利けるか?いったい何があった?え?!」
警官B「(林の肩を揺すりながら)おい、しっかりしろ!通報したのあんただろ?通報しておいてそのあとなんで電話に出ない?え?」
警官A「(警官Bに)おいおい、尋問は俺がするからお前は害者の生死を確かめてくれ」
警官B「はい」
林「……あ、お巡りさん……わ、わたしが……そ、その人を……」
警官A「うん、この人を?このロープを首に巻いている人だな?」
林「……はい。く、首を吊った直後に、で、出くわして……む、夢中でロープを切りました。そ、そのナイフで……お巡りさん、た、助けてあげてください!……この人を」
警官A「うん、わかった、わかった。助けてあげるから。心配しないで。それで、あんたいったいどうしたの?こんなにボーっとして。なにかあったのか?」
林「……はい。こ、この人のロープを切った時……身体が当たって……頭を」
警官B「部長、害者に生体反応があります!」
警官A「そうか。よし、じゃお前はパトカーに戻って救急車を手配してくれ、機動隊にもな。そのあとそれぞれの到着を待て」
警官B「はい!」
FO.警官B、パトカーに向かって走って行く。その足音。
警官A「それで?頭をどうしたの?どこかにぶつけたのか?」
林「はい……そ、そこの石に、うしろを、ぶ、ぶつけて」
警官A「なに?頭のうしろ?(警官A、林の後頭部を確認する)……あ、いかん!後頭部がこんなに腫れ上がってる!よ、よし、わかった。も、もう口を利くな。いま救急車を呼んだからな。このままじっと安静にしていなさい。いいな?私はちょっとパトカーまで戻ってからまた来るから」
※FO:シナリオ用語。遠のいて行く音