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ドクタースイサイド  作者: 多谷昇太
雲の上の錐最戸医院
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すれ違った男

※off:シナリオ用語。遠くから、離れた所から

FIフェードイン:だんだんと近づいて来る音


男A(off)「いやあ、ありがとうございました。おかげ様で元気が出ました。先生によろしく」

荒木田(off)「はい、どうも。お大事にね」

男A(off)「はい。本当にありがとうございます。必ずまたおうかがいします。いやあ、先生の診察もありがったかったけど、あなたのような美人の看護婦さんのお顔を拝めるのが、これがまた嬉しくって(笑い)」

荒木田(off)「まあ。はいはい、またいらっしゃればお好きなだけ……あっ、足もと!あなた、何回もお辞儀をするのはいいけれど、うしろ気をつけないと階段から転げ落ちますよ。本当に(笑い)」

男A(off)「いやあ、面目ない(笑い)じゃ、また。失礼します」


 FIフェードインで階段を降りて来る靴音。一段上の踊り場で林に気づき男A止まる。


男A「あ、どうも……ど、どうぞお通りください」

林「あ……いえ、あなたこそどうぞ」

男A「(軽笑)そうですか。じゃあ」


 FIからFOフェードアウトの靴音。すれ違った男Aを林が呼び止める。


林「あの……ちょっとすいません」

男A「はい、なんでしょうか」

林「あの……ここはその、いったいどこでしょうか?この上にはなにがあるんですか?」

男A「なにって……あなた、病院に決まってるじゃないですか。変な人だな、あんたも。精神科の先生のとこですよ。あなたもかかりに来たんでしょ?……あ、わかった。あなたね、いまさら人前をつくろう必要はないですよ。ご心配なく。私も患者ですから。いやあ、いい先生ですよ、実に。包容力があって、おもしろくって。きれいさっぱり私の悩みを解決してくださった。私はいま嬉しくって仕方がないんだ(笑い)まあ、とにかく、あなたも診察を受けてごらんなさい。よくわかるから。じゃ、私はこれで」


 男A下に降りて行く、その靴音。踊り場二段ほど降りたところから男Aが再び声をかけてくる。



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