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ドクタースイサイド  作者: 多谷昇太
雲の上の錐最戸医院
16/26

必ず、死ぬんだよ。そして…

錐最戸「まあまあまあまあ、そんなことはどうでも。それより林さん、最後にシェークスピアの名言を三つほど披露しよう。その一、悪口を云われて我が身を正すことの出来る人間は幸せと言うべきだ。その二、(叱るように)お前の光は、今、何処にある!その三、例のあの有名なやつだ。トウビイ・オワノットトウビイ・ザッツザクエスチョン、生きるべきか、死すべきか、それが問題だ。林さん、あんたならこの三つを必ずできる。必ず名役者になれる。私はそう信じている。そして最後に……必ず、死ぬんだよ。死んで生まれかわれたら、必ず、必ず、またおいで。じゃ、荒木田君……」

荒木田「ロミオ、こっち」

林「ロ、ロミオって……」

荒木田「いいから。連れてってあげる」


 荒木田看護婦入って来て林を誘い連れ出そうとする音(スリッパや椅子の音等)。


林「せ、先生、ど、どうもありがとうございました」

錐最戸「いや、どういたしまして。あ、そうだ、荒木田君、診察券をお渡ししておくように」

荒木田「はい、先生。林さん、もうお辞儀はいいから……こっち!」


 二人出て行く音。


荒木田「林さん、実は本当に時間がないの。あなたの地上の環境が風雲急を告げて……あ、じゃなくって、お、表の天気が悪くなって来て、もう今すぐお帰りくださいね。はい、これラブレター、じゃなくって診察券ね(艶笑)用意しておきました。じゃ、受け取って、はい、それからこっち、靴履いて」

林「そ、そんなに急がせないでくださいよ。追い立てるみたに」


 玄関のドアに向かうスリッパの音。靴を履く音等。


荒木田「追い立てはしませんよ。ご自分で表の空模様見てくださいよ。ほら。ドア開けるから……わ、すごい風!」


 ドア開ける音、途端に吹き込む風の音。


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