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茶菓子⭐︎
「なんだったの、今の?」
気になりすぎて、前に進めない。
「どうだって良いさ」
虎時は、前を見つめている。
「あのさ、どうだって良いって……。そう言われるの私は嫌いなの」
「難しい事を考えても。今は答えが出ない事だってある。竜ちゃんはそんなに知りたいのですか?」
「出来れば」
「簡潔に話します」
「簡潔って……嫌」
「それではダメです」
「そんな……」
落ち込む竜に、困ったように頭を掻く虎時。
「ーー竜ちゃんも俺も。俺たちの事を考えるだけで良いのです」
「えっ?」
「世の中、そんなものです。知らなくて良い事もあるのです」
「全くもって意味わからないーー!」
「たとえばですよ……」
「うん」
「人は人それぞれの見方によって、様々に光輝くものです」
「だから?」
「なんでも、気にしすぎは良くありません」
「答えになってなーーい!」
二人の前に暗い浜辺が見えてきた。
「それでは、竜ちゃんのお好きなUFO召喚でもしますか?」
確かに、
「せっかくだしね!」
小一時間、浜辺ではしゃぎ回り麒麟の別宅に戻った。