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不謹慎な虎時の言動に、少し不安を覚えた竜だが、虎時の言った意味は竜には通じていない。

  虎時に連れられて、秋葉駅に到着し、外に出たた竜。

 目の前に、ギター片手に歌を熱唱するシンガーの女の子がいた。「凄いな! 私もみんなの前で歌ってみたい」竜はいつの間にか虎時のティーシャツの裾を掴んでいた。

 「竜ちゃんも、ああやって歌ってみたいですか?」

 「うん……そうだね。一度はマイクを使って思う存分ステージで歌ってみたいな」

 「そうですか。それならば一度竜ちゃんも路上ライブしてみると良いのです!」

 虎時は、澄み渡る空を見上げた。

 「うん……。虎時さん。もうすぐ、雨が降りそうだね」

 ガッツチリ虎時の手を掴んで今にも走り出しそうな竜。

 「雨、降りそうですか?」

 虎時は、晴天の空をもう一度見上げたが、そんな気配すらない。「これは、竜ちゃんの願望かな」虎時は、竜の手を握り返した。

 竜はニッコリ笑って、虎時の歩みに合わせた。

 

  二人はベルサール秋葉原に難なく到着した。

 可愛い二十歳そこそこの白竜娘のコスプレーヤーに大歓迎で出迎えられた竜。会場奥へ引き込まれて行ってしまった。

 「朱雀、このイベント思った以上に繁盛してるみたいだね」

 プラカードを持って呼び込みをしている朱雀が嫌味ったらしく笑った。

 「麒麟隊長が書く小説のコスプレイベントが繁盛しぃひんわけないやろう」

 「そうですね」

 「その言い方……まだ許してへんのかい」

 「そりゃ、そうだろう。ーー誰だって、面白おかしく……」

 接客をしていた「白竜娘と婿」の婿のコスプレをした玄武が接客を終えて朱雀に話かけている虎時のもとまでやってきた。

 「やあ、玄武」

 「どうだ、虎時。この十束の剣」

 玄武が、虎時にズッシリと重そうな銅色に輝く十束の剣を手渡そうとした。

 「どうだじゃないよ。玄武が持っているその剣はモノホンですね。あちらのイミテーションの剣とは明らかに違います」

 「オイオイ、虎時! あまりおっきな声で言わんとってくれ」

 「嘘じゃないんだから、良いだろう。第一、モノホンの剣であれば……」

 朱雀がプラカードを虎時の顔の前に持ってきて小声で言った。

 「確かに玄武が呼び込みで持っとる剣はモノホンや。コスプレで売っとるのはイミテーションーー。やっぱり、虎時の旦那も見識眼がよろしうて」

 虎時は首を横に振った。

 「見識眼ではないと思うぞ。玄武お前だって、今日のこの日のために精進したのだろう?」

 「……」

 玄武は、押し黙った。

 朱雀はケラケラ笑う。

 虎時の視線は、イベント会場奥へ向けられていた。「竜ちゃん! どこにいるのですか?」




 

 

今日も読んでくれてありがとうございます。

深谷量子です。

前作ー婚活四方山紀行ーも読んで見てね⭐︎

この物語はフィクションです!

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