第九回 ーelopementー&ーGone by dayー
ーelopementー
月の綺麗な夜だった
老夫婦の家でお風呂をもらい
晩御飯を食べているとき
「駆け落ちか」
て断定的に言われたの
「わしらもそれだ」
そう言って笑うお爺さん
「行くとこないんなら
ここで手伝いしていけ
衣食住は面倒見てやる」
どうして?と顔に出たのか
「わしらも助けられた
今度は助けたい
繰り返しさ
受けた恩と感謝と
おせっかいかな」
そう言ってまた
笑った
ーGone by dayー
親兄妹
親類縁者
友だちにさえ話せなくても
今日
今会ったばかりの人に
話せるときがある
心が通うって言うのかな?
同じ駆け落ち組だからなのかも
老夫婦に全て話したわ
「まず義務教育は受けろ
地元に小中一緒になった
小さな学校がある
親には連絡する
でも返さねぇ
うちら夫婦で面倒見る
責任を持ってだ」
それからというもの
学校と畑の手伝いで
あっという間に
日々は過ぎていった