第七回 ーjust the two of usー&ーwanderingー
ーjust the two of usー
トラックが止まる
眠れぬままふたり
飛び降りた
ドアを閉める
シグナルが青に変わり
走り去るトラック
行く先に煌々と明かりの灯る
卸売市場が見えた
潮の香りがする
港の埋め立て地にある市場だね
ケンが教えてくれた
だからか
見渡す限り何もない造成地が
広がっていた
遠ざかる市場を背に
空を見上げた
陽が昇る前の藍色が広がる
ふたり望んだ
ふたりだけの世界にいるみたいだった
ーwanderingー
携帯はうるさいから切っていた
どちらからともなく
手を繋いでいた
黄と赤の点滅する信号機の
三叉路
薄明かるいアスファルトに
二色を交わることなく
放っては引き戻す
右も左も海沿いの道
ジャンケンをして
ケンが勝ったから
右へ進んだ
不安はなかった
ふたりして早起きして
散歩してるような
気楽さだった
寒くも暑くもない
朝
埃を落とした空気は冴えていて
眠気を飛ばしてくれた
そのとき
後ろから一台のセダンが
近づいてきた