第五回 ーConfiessonー&ーDivargence of mindー
ーConfiessonー
ケンとふたり
制服のまま
居間にいた
お母さんがお茶を入れ座ると
変なおばさんはわたしに
喋りだした
「突然でごめんなさい
あたしがあなたの
生みの親
母親です」
みんな黙っていた
ケンさえも
知らないのは
わたしだけ
見えないなにかに
つかまれていく
ーDivargence of mindー
「きいたことない?
熊本のこうのとりのゆりかご」
知っていた
赤ちゃんポスト
育てられない親が
赤ちゃんを預ける
病院
「DVの父親から
あなたを守るために
あたしが
気がつけば
殺していた」
出所したばかりだと言う
「肩の火傷は
ふたりでお風呂に入ってるときに
あの人がやかんの熱湯をかけたの
あなたをかばったけれど
肩だけは
かばいきれなかった」
泣きながらこうべを垂れる
産みの母
わたしの心が
さまよいはじめていた