第四回 ーIt came from the pastー&ーWe shall chase ー
ーIt came from the pastー
熊本県の遊園地
熊本城を巡る
修学旅行
どんよりと雨雲が空をおおう
帰りのバスを待つ
生徒の列
「芽莉李・・・」
呼びかけに振り返ると
知らない女性
「ここに火傷のあとがあるでしょ?」
たくさんの生徒のなか
わたしの名を呼び
火傷のことまで知っている
怖くなってケンの後ろに隠れる
ケンは黙っていた
後ろから見上げる横顔は
今まで見たことのない
険しい顔
ざわざわする
先生が駆けつけたとき
その人は
人混みに紛れて
消えていた
ーWe shall chase ー
帰りのバスのなかで
あのおばさんのことは
すっかり忘れてた
車窓を流れる景色を
ケンは物憂げに眺めていた
それも一時のこと
やがて話の輪の中で
笑顔になった
「家につくまでが
遠足です」
先生の言葉をあとに
帰路に着く
玄関で話し声
お客さんかしら?
「ただいま」
声を掛ける
振り返るお客さんは
熊本で見た
おばさんだった