偉い人に会うために
夜、町の外に広がっている草原に黒衣の男が立っていた。ドミノマスクをつけているため顔は見えない。
「もう終わりかい?」
彼の周りには20才ほどの男女が10人ほど倒れていた。
「ぐ、キサマ何者だ!プロの魔術師を一度に10人も相手をして無事でいるなどただの人間ではあるまい!」
どうやら彼だけは意識を残されているらしい。
「それに答える義理はないな」
そういって彼は男に近寄る。
「クソッ寄るな!」
「安心しろよ殺しはしないさ」
彼は男に近寄ると何かを首に押し当てた。すると電光が走り男は気絶した。
「さて・・・アイリスー女の方を頼むー」
そういって黒衣の男・・・・・秀はマスクを外して転がっている男達に何かをつけ始めた。
「ハア、大丈夫なのですか?下手したら敵として認識されますよ?」
「下手したらだろ?」
なぜこんなことを二人がしているのか。これは話が秀が作戦を思い付いた時までさかのぼる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「フフフ、おもいついたぞ。」
(この笑いかた・・・・・・ということはろくでもないことを考えていますね。聞いておかなければ。)
「秀様、何をするつもりですか?」
「まずは、この町に来ている魔術師とやらを外に誘き寄せて全員倒すんだ。」
「アホですか?」
そんなことをすれば敵対していると思われてもしかたないだろう。
「最後まで聞いてくれよ。その後は全員を盗聴して魔術協会とやらの情報を得るんだ。」
「それが立場の高い人と接触するのに役に立つのですか。」
「ああ、魔術はどうやら個人の才能が重要になる技術みたいなんだ。
魔術協会の魔術師を倒したら確実に追加でやって来るだろう。
おそらく、その強さは、倒す度に強くなる。
魔術は個人の才能が重要ということは、強い魔術師=高い役職についているって訳だ。
盗聴するのは強い魔術師にどんな特徴のある人物がいるのか確認するためだな。」
なるほど、一応ちゃんとした考えはあるようだ。
「そうですか、おかしくなったわけではないようですね。」
「お前は僕のことはをなんだと思ってるんだよ。」
「1日でも目を離すと何かしらやらかしているトラブルメイカーですが。」
「ひどいなおい!」
この会話の後、秀は魔術師達を誘きだし、全員返り討ちにした。
翌日
「さーてアイリス、盗聴の時間だ。」
「いってることが犯罪者ですよ。」
二人は宿に戻り盗聴の準備をしていた。
というのも5人ほどの魔術師が電話のような魔術で協会に報告をした後、代わりの人員と交代で協会を本部へ帰っていったからである。
二人はイヤホンを着けて魔術師達が本部につくのを待った。