そうだ、異世界に行こう
ちょっと短めです。
カッカッカッという何かを書いている音が響き渡る。
「 ここがこうであっちがこうだから、いや、こうということも・・・・・・ 」
秀は自身の考えをまとめるためにそこらじゅうに大量の自身のアイディアを書きなぐっていた。 なぜそんなことをしているかというと、話は、数時間前にさかのぼる。
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(うーん問題は、僕の顔が、すでに知れ渡っていることなんだよな・・・・・・ さすがに無理やり消すというのは憚られる )
「誰も僕の事を知らない、そんな場所がないものか 」
ハァーとため息をつく、安易にテレビなどに出た過去の自分を殴りたい。
(・・・・・・待てよ )
「平行世界」
思い浮かべるのは、科学的にも、存在がないとは言い切れない可能性の世界。
「もし、僕そのものが存在しない世界へ行くことが出来たなら・・・・・・」
そう呟くと彼は、あちらこちらに猛然と文字を書き始めた。
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以上、数時間前に起こった出来事であり、それからずっと彼はこの調子であった。
一心不乱に思考を回し、腕を動かし続ける彼の姿からは、彼が本気で頭を使っていることがうかがうことができる。
この調子でさらに数日後のこと。
(これで理論は完璧。 後はこれを実現する装置をつくるだけ!!)
早速彼は、設計図を引き、それを機械に読み込ませた。後は勝手に完成するだろう。
「うーん少し待たないとな・・・・・・ ああそうだ、家族に手紙でもかいておこう 」
『ちょっと町歩きを楽しむために異世界に行くことにします。 一ヶ月ほどしたら一度帰るので、心配しないでください。』
「 これでいいかな 」
送る準備をしていると、アイリスが部屋に入ってきた。
「秀さま、昼食ができ・・・・・・何ですかこの突拍子もない内容の手紙は」
ご家族の困惑する顔が浮かびます、とため息をつかれる。
それから彼女は部屋を見渡すとまたため息をつき、またとんでもないことを・・・・・・と、あきれた様子で首をふった。
「今度は平行世界ですか、仕方ないのでついていくことにします」
なにもいっていないのについてきてくれるなんて!と、秀は感動した。
「あなたが行く世界の人々に迷惑がかからないようにしなくては」
「僕の感動を返せ」
秀はイラッとした。
今回は短いので1~2日で次の投稿します。