赤い鳥居
山の上の神社には赤い鳥居があります。
みわちゃんは、赤色が好きなので、毎日のように赤い鳥居を見ていました。
秋には、他の木が赤色になるので、鳥居がよくわからなくなるのですが、今は木に葉っぱがないのでよく見えます。
空気が朝日に照らされてキラキラ光って見える、とっても寒い朝のことです。
みわちゃんが歩いていると、下のほうにもキラキラしているものが目に入りました。
光っているほうを見ると、地面から氷の柱のようなものが伸びていました。
霜柱です。
みわちゃんは、なんだかそれが、ものすごい力で伸び上がっているように感じました。
その日、山の赤い鳥居をみると、なにかおかしいなと思いました。
なんだか傾いているような気がしたのです。
でも翌朝は元に戻っていたので、見間違いかなと思いました。
また別の寒い朝、赤い鳥居を見ると、今度は反対に傾いています。
みわちゃんは、やっぱり傾いていたのかなあと思いました。
でもやっぱり1日たつと元に戻るのです。
そんな日が何日かありました。
みわちゃんは、気がつきました。
赤い鳥居が大きくなっています。
横にではなく、高さが高くなっているのです。
前にお母さんから「赤い色は、魔法の力をおさえることができる」と聞いたことがあります。
みわちゃんは、なにかの魔法がやってきてそれと戦っているうちに、高くなったのかなあと思いました。
でも、なにと戦ったんだろう。
寒さって魔法なのかなあと思いました。
みわちゃんの赤い靴と、山の上の赤い鳥居が光ったような気がしました。