表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/40

説得

「またそれかよっ! いい加減にしやがれっ」


 だが、パンクはマセキを強く握ったまま離さない。

目には、強い意志が宿っていた。


「俺は、ずっと自分に自信が持てなかった。 だから、小中高とずっといじめられてたんだ……」


 お、おいおい……

こんなとこで自分語りしてんじゃねーよ。


「このマセキは、そんな俺に勇気をくれるんだっ! これのおかげで、初めて自分から人に話しかけることが出来たんだっ」


「あー、うるせーっ!」


 俺はとうとう怒鳴り声をあげた。

知らねーよ、自信がねーとか、人見知りがどうとか……


「そのマセキがねーと、俺とマコトさんが困るんだよ! それに、お前にとっても悪い話じゃねぇ」


 俺は、パンクに殺人が帳消しに出来るかも知れない旨を説明した。

一瞬、パンクの瞳の色が揺らぐ。


「人生をやり直せるんだぞ?」


「……」

 

 俺はマコトの方に向き直った。


「なあ、マコトさん、それくらいあんたなら出来るよな?」


「……」


 ところが、期待した返事は帰ってこなかった。


「……私は国民の象徴で無ければならない。 権限は関係ないんだ」


「……!」


 ばっ……

嘘でも帳消しにするっつっとけよ……

石頭か、こいつ。


「……それよりも」


 少し溜めた後、マコトは言い放った。


「君が親王になればいい」


 思わぬ返答に、俺はずっこけそうになった。

やっぱ世間と感覚ずれてるっぽいわ。

明らかに、ジョークを入れるタイミングじゃない。

俺が返答に窮していると、マコトは続けた。


「これから一週間後、皇居内で結婚式が行われるが、それに乱入するんだ。 正直、ケイが婿になるくらいなら、他の一般人の方がマシだと私は思っている」


「……は?」


「これは、私の忘れ物だ。 届けに来て欲しい」


 マコトは、腰に携えていた剣を地面に置いた。


「下克上の剣。 これで勝負を挑まれたら、受けねばならないしきたりだ」


 ……!

本気か?


(もう、選択の余地はねーぞ。 パンクからマセキを取り返さないと、俺はトカゲになっちまう。 パンクを説得するには、俺が王様になって、その権限で罪を無効にするって言うしかねー)


「……その話、間違いないんだろーな?」


「ああ」


「……パンク、結婚式に乗り込むぞ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ