赤いトカゲの正体
「私は今、あるリザードマンを追っている」
冬篠宮マコトは続けた。
「赤い、リザードマンだ」
「……!」
赤いリザードマンって……
まさか、あの村にいたやつか?
「そしてその正体は、私の妹の婿の氷室ケイ。 私は兄として、彼を連れ戻す義務がある」
……待て待て待て。
最近ニュースで話題になってた、冬篠宮マコの婿。
その婿が、赤いリザードマン!?
「経緯はこうだ。 ケイは元々野心が強く、地位目当てに妹に近づいた。 皇室に入り込むと、今度はその権力使ってリザードマンの情報を知り、何らかのルートを使ってリザードマンに感染するウイルスを手に入れた」
……いや、解せねーわ。
「……意味分かんないですって。 何で自分にウイルスを?」
「……分からない。 突発的な事故、という線もある。 理由は何にせよ、私はケイを連れ戻さなければならない」
「……」
氷室ケイが何を考えてるかは分からないが、事が大きくなる前に阻止しておきたいのか。
冬篠宮の人間に恩を売るチャンス、か。
上手くいけば、殺人の罪を帳消しに出来るかも知れない。
あのマセキのサイズなら、問題はないに違いない。
「……マセキはこぶしくらいの大きさがあったんで、分けてもいいです」
「……恩に着る」
俺はブレーカーのスイッチを入れた。
しばらく待っていると、地の底から、パンクが顔を出した。
ゴンドラから身を乗り出し、地面に降りる。
「ゴンドラが動き出すのが遅かったから、心配したよ! あれっ、その人は?」
「冬篠宮マコト、らしいわ」
パンクは、うっそだー、とおどけた。
「あ、そういうこと? 冬篠宮マコトのファンで、コスプレイヤーなんだね! せっかくだから、写メとっていい?」
「どうでもいいわ。 マセキをよこせ」
しかし、パンクはスマホスマホ、と言ってマセキを渡そうとしない。
「おい! 聞いてん……」
「い、いやだっ!」
……!




