表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/40

逃亡 後編

「ちょっと待ってくださいって!」


 俺はスマホに向かってそう叫んだ。

くっそ、どうする?

ここは山道だ。

パンクの言った通り、ハンドルを一気に左に切れば、あの世に行ける。


(どっちについたら助かる!?)


 俺は、まるで走馬燈を見るかの如く、目くるめく速さで頭を働かせた。

そして、一つの結論に達した。


「……すぐに折り返すんで!」


 俺は一旦携帯を切った。


「パンク、車を路肩に止めろ。 ここで銃撃戦になったら、マジで命の保証はねーぞ」


「……車を止めた瞬間、俺を羽交い絞めにする気じゃないの?」


 スマホがまた鳴り始める。

ちょっと待てっつの!


「お前を売ったりはしない。 路肩に止めてくれ!」


「……止めて、どうするの!?」


 ゴクリ、と唾を飲み込んだ後、俺は答えた。


「……ヒロシを、殺す」


「……えっ!」


 俺が考えた、一番犠牲を抑える解決法。

それは、ヒロシを射殺することだ。

銃撃戦になれば、俺たち3人の命が危険にさらされる。

それに、誰かを犠牲にするなら、ヒロシしかいない。


「先輩の務め、果たしてもらうぜ……」


 俺はヒロシのスマホに出た。


「やあ、結局どうするの?」


「……結論、出ました。 パンクを渡すんで、車、止めます」


 パンクが少しずつ車のスピードを緩め、路肩に止める。

そのすぐ後ろに続いて、ベンツも止まった。


「っし、降りろ。 お前が前を歩いて、死角から俺が銃でヒロシを狙う」


「……信じてるよ」


 俺は後ろに手を伸ばし、床に転がっているサブマシンガンを手に取った。

ついでに、眠ったまま起きようとしないマルコを見やる。


(こういう時こそ、お前の知恵が必要だってのに……)


 パンクが運転席から降り、こっち側に回り込んだのを見計らい、扉を開け、外に出る。

俺の銃が見えないよう、パンクのすぐ後ろに立つ。

ヒロシも車から降りた。


「良かったよ。 君たちを殺さないで済んだ」


 ヒロシの片手にはハンドガンが握られている。


「さあ、こっちに来るんだっ!」


 ヒロシがそう叫んだ瞬間、俺はサブマシンガンを構え、トリガーを引いた。

ガガガ、ガガガ、という銃声が森に響き渡る。


「……がはっ」


 血を吐いて、ヒロシはその場に倒れた。


「はあっ、はあっ……」


 こんな簡単に、人を殺せるとは……

胃酸が逆流してきそうになるのをこらえ、パンクに指示を出す。


「ヒロシを、森の中に隠すんだ」


 ここは死体を隠すのには都合がいい。

車も通る気配は一切ない。

人に見つかる可能性は低いだろう。


「く、車は?」


「……ベンツに乗り換える。 お前の乗って来たやつじゃ、すぐ足がついちまうだろ」


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ