表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/40

秋田 後編

 港から少し離れた小島に、カッパが2匹いる。

1匹が筒を構え、もう1匹がヒモに点火し、花火を放つ、という役割分担のようだ。


「早速出たな! 数年前からカッパの目撃証言が何度かあったが、奴らは恐らく……」


 そう言い切る前に、カッパがこちらに筒を向けて来た。


「……! やべえっ」


 俺が叫んだと同時に、客が一斉にその場から駆け出す。

その流れに押され、リサが転倒した。


「キャアッ!」


 ……間に合わない!

ヒモに火がつけられ、ドオン! という音がした。

陸地に花火が着弾、物凄い爆音がし、鮮やかな火花が辺りに散る。

俺とマルコはどうにか爆発に巻き込まれずに済んだが、残りの2人の安否が分からない。


「ラジオさんっ! リサっ!」


 立ち込めた煙が晴れると、背中に大やけどを負ったラジオが、リサを守るようにして立っていた。


「お兄ちゃん!」


 ラジオの巨体は地面に崩れ落ちた。

リサが泣き叫ぶ中、ラジオは絞り出すようにつぶやいた。


「客を…… 守らねー、と……」


 生きているのを確認し、俺は安堵したが、どうやってあの離島まで行けばいい?


「ヒカリ、あれに乗り込もう!」


 ……船か!

俺たちは港に着けてある船に乗り込み、船長に離島に向かうよう頼んだ。

カッパに気付かれないよう、迂回しながら進み、島に乗り込む。

ゆっくり背面から近づいたが、数メーターのところで気づかれた。


「ギエエエッ!」


「おらあっ」


 相手も二人、こっちも二人だ。

マルコはボクシングの構えで、ジグザグに進んで距離を詰め、ジャブを見舞った。

相手がひるんでる隙に、頭にある皿を奪い、チャクラムを飛ばす要領でカッパの首を切断。

片や、俺は相手の爪による攻撃をスマホでガードしていた。


「くそっ」


 暗くてよく見えない上に、中々素早い動きだ。


「……そうだっ!」


 俺はあることを閃いた。

指の感覚でスマホの音声認証アプリを起動。

ライト、と叫ぶと、LEDが点滅、それを相手に向けた。


「ギエッ!?」


 目がくらんだのを見計らい、俺は相手の皿に右ストレートを撃ちおろした。





 騒ぎが収束し、俺たちは男鹿にある診療医の所にいた。

奥の部屋で、ラジオが寝かされている。


「だらしねえ所見せちまったな」


「……体で妹を守るなんて、男っすよ」


 まんざらでもなさそうな顔で、ラジオはふん、と鼻を鳴らした。


「……そんなことより、お前らに頼みがある」


 ラジオは、放射能で突然変異をした生物を追う任についていたらしく、最近刑務所に入れられた男の持っていたカメラに、それらしきものが映り込んでいたらしい。


「俺の代わりに追ってほしい。 この先にある山形県に、その男が待っている」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ