青森 中編
「……トカゲ?」
「リザードマン、よ」
手渡されたスマホに映っていたのは、二足歩行のトカゲのようだ。
ガラス越しで撮影された為か、若干写りが悪いが、首輪みたいなもんが付けられている。
「この、飼いリザードマンを捕まえりゃ良いわけだ」
車が止まり、降りて、と促される。
目的地に到着したらしい。
「っし、行くか」
後部座席から降り、外に出た。
ところが、俺たちが車から出ても、ニシノは運転席から離れようとしない。
「ニシノさんは?」
「私はお留守番。 首輪が発信器になってて、スマホの地図に表示されるから、それを頼りに追って。 トランクに訓練生用の武器もあるからさ。 あと、お菓子食べていい?」
「……どーぞご自由に!」
……完全に使い走りじゃねーかっ。
しかも、俺の東雲を……
マルコが俺の肩に手をかけた。
「気にするな。 それより、ターゲットに発信器が仕掛けられていたのは都合がいい。 トランクを見てみよう」
ガチャリ、と後ろのトランクを開けると、ライフルが置かれていた。
「……」
そっと手に取る。
見た所、弾は一発ずつ銃のケツに仕込んで、横に付いてるレバーで着火する部屋に送り込む仕組みらしい。
「マルコ、使えるか?」
「……本物を扱うのは初めてだ」
……だろうな。
森の中を散策。
雨が降っていたせいか、多少道がぬかるんでいる。
「この周辺には街がないから、騒ぎになることは無さそうだけど、追いつけるか?」
トカゲの方がこういった山道は得意に違いない。
「リザードマンがどこに向かっているかが分かれば、先回りできるがな」
「トカゲの考えてることなんて分かるかよ……」
スマホをじっと睨む。
……様子がおかしい。
「おい、マルコ。 動きが止まってるぜ」
「……休んでいるのか?」
ターゲットは目と鼻の先だ。
木を避けながら、少し傾斜になっている山道を進む。
「……あの岩だ」
俺はスマホと現在地を確認し、指差した。
弾をポケットから取り出し、込める。
しかし……
「んだこれ、めっさ硬え!」
レバーに力を込めるが、動かない。
訓練生用の銃って、まさか……
先にマルコが岩の裏手を確認する。
「気をつけろよ!」
マルコが右手を上げて答える。
ゆっくり接近し、岩の裏手を覗く。
こっちもようやく弾の装填が完了した。
「……ヒカリ、見ろ」
マルコが戻ってくると、ある物を手持っていた。
「……首輪!?」
その時、木の上から何かが降ってきた。




