始まりの画面
俺には彼女がいる。
とても優しく、いつも笑顔で料理も上手。おまけに美人でスタイルも良く、まさに理想の彼女である。
今日はデートの約束をしている。早くデートに行きたいが急かす気持ちをなんとか抑えフゥーと息をつく。
そしてパソコンを起動した。
「今日はデートか早く起動しないかな」
とある部屋の一室。そこで少年はGirls captureというパソコンのゲームを起動する。
このゲームは数ある女の子達の中から色々なイベントを起こしその中の1人とくっつき結婚までいくとゲームクリアとなっている。
完全にギャルゲーである。
少年………児玉和也はこのゲームにはまっていた。
高校から帰ってくるやすぐに起動し女の子攻略を試みる。
和也が今彼女にしているのは浦中 冥という女の子だ。
最初の方でスペックは説明したので省かれる。
「うおおお冥ちゃんhshs」
もう救い用のない変態である。
そして順調よくイベントは進んでいく。
「ああ…俺にもこんな彼女がいたらなぁ……画面の中の世界に行きてえわ……おっと!?冥ちゃんのご褒美シーンきたこれ」
和也は外見は悪くなく優しい性格なのだがギャルゲー好きというせいで周りから避けられている。
1度学校にギャルゲーを持ってきてそれを教師に取り合げられ晒された時以来から女子はギャルゲー糞野郎という汚名で読んでいる。
社会は残酷である。
「あーもうGirls capture世界にいけるんならこんな世界いらねえや……」
その時だった。
ヴヴンとパソコンから奇妙な音が流れた。
そして画面にいきなり文字が表示された。
Girls captureで羽が生えた5歳の少女の名前は……?
「…………朝日 唯」
ピンポンピンポーンと正解音?のような音がパソコンから響く。
「ようこそ」
奇妙な声がパソコンから鳴り響く。
次の瞬間パソコンの画面が白くひかり、和也を引き込んだ。
その一室はしんと静まり返った。
「ねえ……ねえってば!」
「ん………あと5分…」
女の子の声が聞こえる……ん……女の子!?
5分と言ったにもかかわらず和也は目を覚ましガバッと起きる。
そして辺りをキョロキョロと見回し……
「ここ……どこ?」
と、だけ言った。