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始まりの街周辺のフィールドは舗装された道(所謂セーフティエリアがつづいておりそれをたどっていくとダンジョンやほかの街につくことができる)の周りに草原が広がっており草原にモンスターがポップしている。
セーフティエリアでは座ったりテント(消費用アイテムで使うと全回復できる)を立てることができここにモンスターは入ってこれないが逆にセーフティエリアからモンスターに攻撃することはできない仕様になっている。
街の外(所謂フィールドやダンジョンなど)に出ると戦闘アクションが解放される。まず街では剣が抜けなかった(武器屋などでは見るために抜くことだけはできる)が普通に抜剣できる。まずこれで感動一つ目だ。
日本では銃刀法などでこういうものに触れられる機会など滅多にないため抜き身をしたリアリティのある剣を眺めて思わずにやけてしまう。軽く振ってみるが難なく振れるのは初期装備でなおかつ要求レベルが1だからだろう。
次に銃だ。短銃なため見た目は小さく同じく初期装備なため見た目は粗雑だ。周囲に人がチラホラといるので誰もいない方角に試し撃ちをしてみる。パァンと乾いた音が鳴り手に反動が伝わる。くぅーーいいねぇ、痺れるよ。この感覚はクセになりそうだ。
銃の弾数については無限だが攻撃力はやはり近接攻撃や魔法には劣るという話だ。それと銃ごとに撃てる弾の上限があるらしく上限に達するとリロード時間(しばらく撃てなくなる)があることも考慮しなくてはならない。
弓も銃と同じ仕様でスキルに関してはリロード関係なく使えるようだ。次にジャンプができる。試しにやってみると2メートルほどその場上空に飛べて驚いた。次にステップをしてみる。まず横へ使いなかなかのスピードで動けることを確認したので前後左右慣れるまでステップを繰り返した。敵の攻撃を回避する時や敵に一気に近づきたい時に使えそうだ。
ステータスが上がるとジャンプやステップの距離とスピードも上がると聞いているので人間をやめる覚悟を今のうちにしておくことにした。
アクションにも慣れてきたのでいよいよ初狩りをしようかね。始まりの街周辺のモンスターはチュートリアルてきなものも含めているので弱い。それにノンアクティブ(こちらから攻撃しないと戦闘にならず攻撃してこない)なので慣れるまでまったり狩れる。
周囲のプレイヤーの邪魔をしないように人気のない場所へ行くと額に角を生やした一匹のウザギを見つけたので近づきステータスを覗く。
ホーンラビット-Lev.1
そう表示される。初見だとモンスターの名前とレベルしかわからない。一度倒すとHPがわかりモンスターの頭上にHPバーが見えるようになりドロップアイテムなどを得るとその情報なども表示されるようになる。
額にりっぱな角なんて生やしているがウサギはウサギだ。くぁいいです。なんかもしゃもしゃ草食べてるし、このまま眺めて癒されているのもいいなんて思っていたが、物語が進まないので戦闘に入ろうかと思う。ウサギたんの後ろ側へ回り込みスラッシュを発動した。
所謂バックアタック(敵に気付かれずなおかつ後ろから攻撃を加えることに成功するとダメージが1.5倍になる)だ。斬撃によるエフェクトが発生しウサギたんが2メートルほど軽くぶっ飛んだ(ちなみに流血表現はなく血はでない)。
ごめんよウサたん。少し待つと弱々しく立ち上がり?こちらを恨めしそうに見てきた。ヘイトが溜まったようです。ウサたんにヘイトされちゃったお。だがその憎しみさえも愛してやろうではないか。
んなこと考えながら突進してくるウサたんを一度受け止めてみることにした。ドーンと軽くノックバックしたが痛みはない(痛覚は開発段階で完全に無くすことに成功した。痛覚なしで感覚を再現するのは苦労したらしい)。
一割ほど減った自分のHPを確認した。一割でウサたんの愛を受け止めれるなんて安いものさ、なんてアホなことを考えながらウサたんを切り捨てた。ウサたんは光の粒子となって消え去り、そこにはウサギの肉と毛皮らしきものがドロップしていた。
これがウサたんの愛の置き土産か、ありがたく受け取っておこう。スラッシュの与ダメを確認するため近くにまたポップしたウサたんに犠牲になってもうことにする。検証によるとバックアタックによるスラッシュでウサたんのHPは3割まで減った。
周囲を見渡すと無常にもウサたんにバックアタックをしているプレイヤーがたくさんいた。世の中弱肉強食、これが世の理か。などと悟っていると初見のモンスターを確認した。ゼリー型のモンスターのようで大きな青く透明なプリンのようだ。ステータスを確認する。
クリアゼリー-Lev.2
ふむ、銃弾は効きそうもないな。斬撃で切り裂けるだろうか?ものは試しだやってみるかな。例によって後ろからスラッシュを使い切りかかると見事に半分に切り裂けた。半分になったゼリーの片側だけが消滅しもう片方はこちらへ襲いかかってきた。
とっさのことに剣を前へ突き出すとちょうどゼリーに当たりまた半分に避け片側だけが消滅する。なるほどね。頭の回転は悪くない傑は剣をバットを持つように構える。そして再び飛びかかってきたゼリーを剣で切るのではなく面を使いゼリーをフルスイングした。ドロップ品が欲しいのでホームランではなくあえて内野ゴロで叩きつける。
確認すると今度は分裂せず消滅した。そしてレベルアップを知らせるファンファーレが耳に響く。今の経験値でどうやらまた一つ皮がむけたらしい。ドロップ品はスクロール(任意でスキルや魔法を習得できる紙)と青色のゼリーが落ちていた。
スクロールの中身は氷魔法のフリーズ(敵のAGIを多少さげる、これにより敵の動きが鈍くなり攻撃も当たりやすくなる)だったので習得しておくことにした。ゼリーはMPポーション製作の材料になるらしいのでとっておく。
レベルが上がるとステータスもあがるが成長型によって伸びしろが違う。特化型はそれに準ずるステの伸びが高いが他は上がりにくい、バランス型を選んだ傑のステは平均で5~8ほど伸びていた。
レベルが上がると他にもステ振り用のポイントが10貰え好きなパラメーターに振れる。これにより欠点などを補うことも可能だ。それに加えスキルポイントが10貰える。これはスラッシュなどの攻撃スキルやフリーズなどの魔法スキルのレベルを任意に上げることができるポイントで、振ることによって単純な威力や効果の上昇、消費コストの削減などが可能だ。
スキルはポイントでレベルを上げることもできるが使用を重ねることでもレベルは上がる。そのためこのポイントは次に上げる使用例で使われることが多い。それが新スキルの習得だ。スクロールで習得したほうがいいのでは?と思われがちだがスクロールはなかなかドロップせず、ドロップするスクロールは大体が初級のスキルであるため、やはり確実に習得できるポイントを貯めて使うのがセオリーとなっている。
まだ序盤で戦闘も余裕があるのでポイントは残しておくことにした。ウザギとゼリーを適当に狩ってレベルを3に上げたところで一旦街に戻ることにした。ちなみにゼリーのHPについて検証した結果切り裂いて半分にするとHPが半分になりもう一度切り裂くとまた半分になる。何度が切り裂いた後叩くなり魔法を放つなりするのが有効のようだ。始まりの街周辺の昼のモンスターはウサギとゼリーのみらしい。夜は別種二体だと予想できるな。