破壊
君は、僕があげた物すべてを捨ててしまう。
どんなに大切なものでも。
めちゃくちゃに破り捨てて、壊していく。
君の手は、血で濡れている。
それでも、君は、その手で壊し続ける。
僕の心を。
君は、息を切らしながら、僕を振り返って、微笑む。
僕の傷付いた顔を見ると、瞳を見開き、お腹をかかえて笑い出す。
僕をあざ笑うかのように。
笑いは止まらない。
何がおもしろいの?
君が笑いながら、踵を返す瞬間、
君の流し目は僕を見ていない。
僕は、君が一瞬だけ見せる、あの酷く悲しい顔が好きで堪らない。
僕は、君を愛している。
君は、僕を愛している?