悪魔の学校。@6
いつもの朝の時間になった。
今回の低血圧振りは割かし、まだマシな方の部類だろう。
そして、欠伸を噛み殺すように手で口を抑えて、たどたどしくも制服のボタンを閉めていく。そして、ダラダラと歯みがきをして、手櫛で何とか寝癖を直す。
今日はご飯と豆腐に醤油を付けて食べた。
結構、最近朝はこの組み合わせが好きだ。
そして、最後に忘れ物がないかチェックをして学校へと向かう。
行く途中、前見たところ。つまり昨日のアノ場所を通ってみたが、アノ白い線と文字は、キレイさっぱり消えていた。
どうやら、昨日は疲れすぎたのかな!? やはり、人間……いや悪魔だけども、休憩は必要だな。教室に着いたら、絶対ぐぅたらしよう。そう決心する。
ただ、忘れていた。なんというか忘れてた。
ネックレス。
という事実に気が付いたのは、学校へと着いたときで、時既に遅しでした。
校門へと立つ自分。そして、誰もいなく、機械のようなものもなく、自律的に勝手に開く謎の門。
うん。本気で恐いです。
自分の教室の自分の席に座り、カーテンを閉めて、皆が来るのをダラダラと待つ。
四時間ダラ~ダラ~。何て幸せなんだろう♪ これで変なものは見なくなるな。うん。
――キンコンカンコーン♪
この朝のチャイムと、その後5分という誤差のもと、担任の先生は、何時ものようにスマン。スマン。と適当めに謝る。というよりは、謝る気はゼロだろうな。
何でだろう、この人から悪気が微塵も感じられない。
そして、そのダメ先生曰く、今日は昨日やったテストの返却日。成績が酷かったものは。
現実逃避するね……。
目の前に見える大量の謎の分厚い本は見えない!! 断じて、見えない!!
目の前の親友も見猿・聞か猿・言わ猿が如く、防御体勢に既に入っていた。なんて、早さだ。
しかし、健闘虚しく、犬塚の名前が呼ばれ、分厚い大量の本を渡される。そして、犬塚は半泣き状態で自分の席に戻ってきた。なんと哀れな……。
そして、とりあえず酷かったものは犬塚だけみたいな模様。
総合的結果は、昼休みに完全な形で廊下に貼り出されるとのこと。そして、放課後にまた、小さく総合的結果をまとめたものの紙を渡すとのこと。
うん。昼休みまで、ドキドキだな。
そして、犬塚。死ぬなよ?
――キンコンカンコーン♪
昼休みになると同時に一斉に好奇心旺盛な学生は、直ぐ様結果を見に行った。
ちなみに自分は呆気をとられ、もう教室には自分と犬塚、二人ポツーンと座っているのみ。
とりあえず、今から行くのは得策ではないな。たぶん、見れない。
何となく皆が戻ってくるまで暇だし、塞ぎこんでる犬塚を励ます。
「大丈夫か? お前は頑張った方だと思うよ。自分は」
「おお、ナガレ……優しい奴だな……(半泣き」
「ただ、今回のが其処まで出来ないのはいただけないな。うん。今度みっちり、由香里も交えて勉強会だな」
「おっふ……」
勉強会というワードを出した途端に、犬塚はまた、机に突っ伏した。
めげるのが早すぎるよ。大丈夫かな? 犬塚の将来が度々心配になるよ。
さて、10分は過ぎたかな!? 結構人も戻ってきたし、重い腰を持ち上げるとしますか。
そして、この残念な奴を廊下まで引っ張る。
「ほら、行くぞ」
「ぐえ、苦しいから、引っ張らないで(辛」
「え~、意外と楽なんだけどな。犬の散歩みたいで」
「ちょっ、犬扱い!? (半泣き」
さすがに冗談だと答え、その後の犬塚の愚痴は無視する。
途中、由香里も偶然居て、結果を一緒に見に行くことになった。
犬はそわそわ落ち着かず、由香里もこちらの様子を後ろ歩きで、見てくる。見るからに危ない、危ない。
さすがに注意しようかと思ったが、結果の所に着いたので、今は置いておこう。
そして、ドキドキの自分達の結果は……。
まぁ、さすがと言うべきか、由香里は堂々のトップ一位で、凄いなと思わず口に出してしまう。由香里は、えへへと照れくさそうに笑ってた。こっちも少し恥ずかしくなる。
ごほん……。え~と、自分の結果は可もなく、不可もなくって所で。
問題は犬塚だ。問題児犬塚ェ……。
なんたって、凄すぎる。他にも悪いのもいるが、それ以下の結果をたたき出し、堂々の最下位……。なんか同じ友達として、幼なじみとして恥ずかしいよ。
あははと、薄ら笑いでこちらを見てくる犬塚。
これは、今度のゴールデンウィークの予定。確定だな。
そして、心でも読んだのか、犬塚は落ち込んだ。
ん!? ゴールデンウィークがもうすぐか。
じゃあこの際だし、由香里に伝えておくか。今度のゴールデンウィーク中に時間があるかどうか……。
――キンコンカンコーン♪
放課後になった。何時ものように3人で帰る。
そして、例の件を由香里に聞いてみるか……。
「なぁ、由香里は今度のゴールデンウィーク。時間空いてるか!? 空いてるなら、遊びに行かないか!? ほら、最近出来た遊園地」
「えっ!? えっと、大丈夫なの。何時でも。うん。何時でも大丈夫なの!!」
と、了承してくれた。良かった。
「そう、よし、犬塚も勉強会終わったら息抜きに一緒に行くぞ~」
「ちょっ、俺、着いてって大丈夫か!? (呆れ」
「ん!? 大丈夫に決まってるだろ!? 何だかんだで、お前といると楽しいし。別に省いたりしないよ」
自分は不思議そうに首をかしげて、何か変なことでも言ったのだろうかと思案する。
「(これが、天然か……(呆れ」
「(仕方ないなの……はぁ……)」
「(どうしたのだろう? 何だか、間違ったこと行ったかな? 遊園地……子供っぽ過ぎたかな?)」
ナガレの不安を他所に、由香里と犬塚は呆れていた。