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悪魔が語る憂鬱な日常  作者: ByBuyBy
悪魔の春 3月~5月
6/35

悪魔の学校。@3

 前回のあらすじ(仮)


 流は、魔界帰り。

 ネックレスをしながら、学校へと行く不良となる。

 しかし、待ち受けていたのは、人類最強の校長。それから決死で逃れたのは良いものの、さらに困難は続き、テストという名の精神破壊兵器が目の前に立ち塞がる。


 そして、テストも残るは、2つ。頑張るよ。

 良し。次も頑張るぞ、テスト。


 目の前の席に座る親友は……馬鹿な。ありえない。これは、悪魔の類いなのではないのかな!? 悪魔独特の毒々しいオーラが渦巻いている。


 いつの間にか、こんなにも最悪な状態とはね。


 まぁ、コイツなら放っといても大丈夫かな。


 何きっと現実に戻るときが来るさ。その時は一緒に由香里先生に泣き寝入りしよう。




 ――キンコンカンコーン♪


 ――テスト(数学)


 まぁ、数学に関しては余裕だ。


 理由は、自分がそういった類いの悪魔だからだ。


 目の前の親友は、何かを悩むかのような体勢のまま寝ている。何て高度な技術の寝技なんだ(呆れ


 ――テスト(英語)


 フフフ。私の時代が来てるようだな。だてに英単語帳を作ってないよ。


 目の前の親友も幸せそうだ。後ろから分かるくらい幸せオーラが出ている。きっと良い夢なんだろうな。


 でもこれで最後だけど、最後に来てこれか。


 まぁ、コイツらしいから、いっか。




 ――キンコンカンコーン♪


 放課後。


 よっし。終わった~。身体が固くなっていたので、少し軽いストレッチっと。


 さて、帰ろうかなとか思ったが、この親友を置いていくべきか置かなくても良いのか分からず思案する。


 すると、後ろから声がする。


 「ナガレ。一緒に帰るなの。早くするなの」


 由香里は、早く帰ることを催促してくるが、目前の席に座る親友は、どうしたものか。テストが終わったというのに、まだ死んでいる。


 まったく、何時もならすぐに回復して立ち直るはずなのにな。


 仕方なく、自分は犬塚の肩を揺さぶってやる。


 ユサユサ……。


 アレ? 反応がない。


 さすがにおかしく感じる。


 顔を覗くと……。


 うん。キレイな寝顔で、涎まで垂らしてやがった。


 さっきまでの不安感が、少しの怒りとイタズラ心に変わる。


 用意するものは簡単なんだからね。


 由香里様の御力を少し借りるだけ。その御力をもってすれば、一気にヘブンズ・ゴウ♪ というのは半分冗談で普通に起こす事にする。


 「……ううん。ああ、ナガレか、おはよう。そしてまだ眠いから、オヤスミ……z」


 本格的に駄目だ。早くなんとかしないと。


 さっきまで後ろで待ってたはずの由香里は、待つのが面倒なのか良く分からないが、校門の所で待ってるから。という書き置きを残して、何処かへと消えてしまったし。


 本当にマイペースな奴等だよ。お前ら。


 仕方ない。やり口を変えるか。




 …………。よし。


 「おい、起きろ。校門でお前に告白したいって、可愛い女の子が待ってるぞ」


 「マジかよ♪ 来たか、俺のリア充時代~♪」


 ――ガラガラ、ピシャン!!(ドアが閉まる音)


 …………。ふと、外の窓を開けてみる。


 そこには、知らない誰かさんが、ところ構わず、発情して女の子達に嬉々として、君かな!? 君かな!? と謎の告白をしまくっている。



 「きゃあああぁ~~!!」「血迷ったか、犬塚!!」「犬塚様が御乱心ですわ……」「あはは~~、あれは止められそうにないね」


 「何やってるなの。馬鹿なの。死ぬなの」


 「えっ!? ぎぃやぁあああぁ~~!!」


 遠くで断末魔が聞こえたが気にしない



 


 どこまでも残念なアイツが悪い。そういうことだ。


 そして見事にイタズラ成功したようだ。


 由香里の力をもってすれば、屋上まで吹っ飛ばせるって……さすがとしか言いようがないな。


 マンガのようにぶっ飛ぶ親友に、冥福を祈る。


 ……しかし、由香里よ。手加減したよな? お前の攻撃は、洒落に成らないし。いくら、マンガみたく不死身な感じの犬塚でも危険だよな。


 まったく、手間がひとつ増えた。




 仕方なく、ぶっ飛んだ先の屋上へと向かうと、案の定ピクピクと痙攣しながら、倒れたフェンスの上に倒れ瀕死の状態の親友がいる。


 とりあえず、救急車かな? とか呑気に考えていると、いつの間にか、先ほどまで瀕死の状態だった犬塚は、どこぞのマンガのご都合主義能力でも持っているのか、普通に立てるほどに回復している。


 ちょっと安心したが、もしかして犬塚は、自分と同じ立場の者なのだろうか……。


 「うん? あっ!! おい、ナガレ!! ヒデェな、死ぬところだったぞ。てか、寝ぼけてる時に、冗談なんて通じないんだから、勘弁してくれよ(半泣き」


 「悪い。悪い。悪いと思ってるさ。すまんな。

 さて、んじゃ起きたなら帰るぞ~」


 「はぁ……ヒデェ……(半泣き」


 ボヤく親友を無視しながら、校門へと向かう。



 「ああ、何だ生きてたなの。結構本気目に撃ったんだけど、つまらないなの。今度こそ死ぬなの」


 「落ち着け。落ち着け。由香里も、攻撃する際は、もう少し手加減してくれ」


 「むっ、う~ん、ナガレがそういうのなら分かったなの。ナガレ、ごめんね。そして犬塚。一応、心配だけはしといてあげる」


 一応、由香里も、攻撃したところへの少しは心配していたようだ。うんうん。


 「ヒデェ、心配だけかよ。ナガレにはあって、俺には謝りの言葉無しかよ(半泣き」


 「(最強の笑顔で)ごめんなさいなの。許してよね」


 「は、はひぃ(恐慌」


 さて、仲直りも済んだみたいだし、帰りますかっと。


 何故かさっき謝ってくれた由香里に対して、さらに犬塚がビクビクしてるよな。さっきの会話に何があったのだろうか……。


 はぁ、少しは仲良くやってくれよな。


 そんな薄い望みとともに帰路へ。


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