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悪魔が語る憂鬱な日常  作者: ByBuyBy
悪魔の春 3月~5月
5/35

悪魔の学校。@2

 前回のあらすじ(仮)


 流は、魔界帰り。ネックレスをしながら、学校へと行く不良となる。

 しかし、待ち受けていたのは、人類最強の校長。それから決死で逃れたのは良いものの、さらに困難は続き、テストという名の精神破壊兵器が目の前に立ち塞がる。

 さぁ、テスト……出来る限りやってやろうじゃないか。



 ーテスト(国語)ー


 漢字はまず出来てる。長文も問題なし。古文や古典は、無理だ。


 とりあえず記号だけ埋める。アアア……って、書きたいけど、一回、それを中学の頃に面倒という理由から全て記号の所をアアア……ってやったら、全部×にされたから、もうやらないよ。


 そして、目の前の席に座る親友は、何故か名前を書いてから、少しもペンを動かしてるようには見えないが心配だ。



 ――テスト(理科)


 うぅ、分からへん。置換方とかもう忘れたし。まぁ、生物学は楽勝かな


 目の前の親友は、何かを呻いてる。そして、煩いと、先生に注意のちに突っ伏す。



 ――テスト(社会)


 まぁ、だてに戦国系のゲームはやっていない。だけど世界史になると、ちょっとアレかな。仕方ない。


 目の前の親友はもうやけになってないか!?



 ――キンコンカンコーン♪


 ふぅ、昼休みか。


 目の前の親友は、返事すらできない。ただの屍のようだ。誰もが哀れみの目で、冥福を祈る。


 自分も合掌っと。


 何となく隣のクラスの由香里を見に行ってみる。テスト、アイツはどうだっただろう。


 適当なやつに由香里は居るかと聞き、指差してもらう。どうやら、テストは余裕そうだな。さすがだ。


 しかし、由香里は居たが、周りの娘らが自分の方を指しながら由香里に何かを言っている。何だろう……?


 「ちょっと……早く行くなの」


 すると、急に由香里に慌ただしく手をひかれ、ラチられる。一体、何なんだか。顔が赤く見えるのは気のせいか?


 アイツらに何を言われたんだか。チラッと、その方を由香里に引っ張られながらも見てみると、素知らぬフリをして、目線をそらされた。


 意外と大人数に目をそらされるって、精神的にくるよ……。仕方ない、今回は気にしないでおくか。






 そして、慌ただしく二人が出ていった教室では。


 「ふぅ、危ない。危ない」


 「急にコッチに目を向けたときは、ちょっとビビって目をそらしちゃったよ」


 「ああ、それは同じく」



 「あの……ねぇ、さっきの娘。まさか百合なのかな? 赤い顔しながら、女の子を何処かに連れてったけど」


 「ああ、違う違う、確かに女の子っぽいけど、連れ去られた方は男の娘。そして、私たちの嫁よ」


 「何てたって、私たちの愛読書でも、犬塚様との熱烈なry……。次回号もこれでいけるわね。腐フフ」


 「腐フフ……良いわね。また協力するわ」


 「ああ……あはは、あの子も災難だな」


 流はそんな会話など知るよしもなく、ガールズトーク? は続く。





 そして今、流はここ。屋上。


 えっ!? もちろん立ち入り禁止だし、鍵は掛かっていたよ。


 ただ、由香里にとっては立ち入り禁止は関係無く、ドアノブ破壊は無理ではないみたいだ。


 「さて、お弁当。食べようか」


 などと言って、弁当箱を広げ始める。自分。お弁当無いんだけどな。


 ああ、美味しそうに食べるなぁ。食べたい。購買で自分も今すぐ買ってこよう。そう決心すると同時に由香里と目が合う。


 そして由香里は何か言いたげだったが、購買の方が重要なので、気にしないでおいた。由香里には待っててくれとだけ伝えて購買に向かう。


 そして、適当に余ってたパンを2つほど買って、屋上へと、また向かう。



 由香里は、律儀にも弁当を食べずに待っててくれたようだ。


 そこまで、待てと言ったつもりはないのだが。


 そして、二人で食べてると何か言いたげな由香里は、不安げにこちらを見ながら、やっと話をきりだす。


 「ネックレスなの。ナガレにしては珍しいなの」


 ああ、さっきの目線はそれか。一応、説明はしておくか……。


 「ああ、これは大切な人(父親)から(買って)貰ったものなんだ。これを着けておくと落ち着くんだ。気にしないで大丈夫だよ」


 「!?」


 「大切な……由香里……以外……プレゼント……」


 ちゃんと弁解したはずなのに、由香里はショートした機械のようになりながら、一人言をぶつぶつと言っている。


 何か間違っただろうか。


 まぁ、いっか……考えるのを放棄して、自分は曇っている空を見上げる。遠くの方に積乱雲的な大きな黒っぽい雲がある。こりゃあ、帰る頃には雨が降りそうだ(半泣き


 雨は不味いよ。雨は……。


 普通の水なら平気だ。しかし、雨に含まれる不純物が、自分達、悪魔にとっては、危険だ。直接豪雨何てものを浴びたが最後……。


 ただ、悪魔の個人差によって受ける影響が違うみたいだ。


 あるものは死に、あるものは女になり、あるものは女子の透けブラばかり気にするようになると聞いている。


 自分の場合、まだ分からないが危険だな。死ぬのは御免だ。


 「さてと、そろそろ戻るぞ。由香里」


 「……うう、私以外……大切(半泣き」


 何をそんなにすすり泣きしてるんだか、困ったな。


 う~ん、こういう時は何時もどうしたっけな。確か、遊びに誘ったっけ。懐かしいな。グズル由香里に、良く遊びの約束をすると嬉しそうにしてたっけ。


 しかし、今は昔と違って大人っぽいからな、無理かな? 一応、ダメもとで言ってみるか。


 「……そのなんだ。今度の休みにでも一緒に出掛けないか?」


 ああ、なんか恥ずかしいなもう。これで無理とか言われたら……。


 「! 良いよ! 行くよ♪ 絶対行くから♪」


 えらく急にご機嫌になったな。


 ちょっと安心した。昔とあんまり中身は変わるわけ無いか。変わってしまったのは自分だけか。


 よし、犬塚あたりも呼んでおくかな。


 「♪~、早く行くなの~。もうすぐ、次のテスト始まるなの~」


 何だかこっちまで、気分が良くなるな。うん、どこか楽しめるように、犬塚あたりと良く検討してみるか。


 そう決心しながら、ご機嫌な由香里と一緒に教室に戻る。




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