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悪魔が語る憂鬱な日常  作者: ByBuyBy
悪魔の春 3月~5月
2/35

悪魔の朝。

 悪魔の朝は早い。


 悪魔は朝の4時に起きます。


 日差しが出る前に、なるべく準備を済ませたいので。


 しかし、ここで起きる際には問題は発生。





 悪魔は、低血圧のせいか、悪魔の頭が少しぼぉ~っとなるので作業効率的には最悪ですよ。


 まず制服のワイシャツのボタンや、寝癖が酷くて直すのに悪戦苦闘し、、歯磨きしようとしたら、うっかり歯ブラシを噛み砕いちゃうし……うう、後で買い直さないと。


 そして、今日は親が夜まで帰ってこないので、朝食は自分で。




 自分は朝食はパン派ですので、トーストを焼きつつ、最後に忘れ物がないか確認して、やや小さめの日傘を持ち、焼き上がったトーストを口にくわえて、ちゃんと戸締まりをして、学校へと向かう。


 悪魔……もとい流の住んでる所は【宇都宮うつのみや】という変わった町。


 車はそれなりに通り、人もそれなりに住んでいる。店は少し寂しい感じかな?


 つまり田舎? ……いや、そんなはずは。






 そして、今年から通う高校は至って普通の進学校。


 【真久津まくつ高校】読み方によっては、禍々しい名前だが、至って普通だ。

 重要だから二回言ったよ。ここ重要。




 受験戦争時に暗記しまくった内容なんて、もう空っぽです。


 あまり言いたくないが、自分の頭はまぁ少しはマシだとは思う。だけど、かなり落とした所に推薦で入学した。いわゆる安全牌ってやつ。


 中学校の担任からは、もっと上を目指せると言われたが……それほど努力はしたくはない。なので、この結果です。


 いやまぁ、別に気にしてはないから。





 さて、口にくわえてたパンもすでに食べ終えて、今日も校門が開く5分前に到着。


 この校門は毎回恐いのだが、誰も居ないはずなのに勝手に開くという曰く付きの門。


 そして、普通に5分後……。


 機械とかそういう予想もあったが、それらしき音もなく開く門。


 正直、自分もビビりました。2度目の来校だが、馴れない。心臓に悪すぎるよ。


 もしかしたら、悪魔が取り憑いているのかな?

 気になるな。





 自分のクラスは、一のB。


 ちょっと初めての会う人たちに緊張しながら

 自分の教室に入ってみると……。

 



 ア、アレ?


 だ、誰も居ない?


 ああ、そっか、一番早く来たから居なくて当然か。


 思わず手のひらに、ポンッともう片方の手の拳を乗せるリアクションをしてしまう。


 それから時間がある程度過ぎた頃かな、 少しづつクラスメートが来た。全員集まった所で、やっと先生が来たよ。







 ――キンコンカンコーン♪


 とりあえず、最初は自己紹介。その後に席替えだそうだ。



 「…………です。宜しくお願いします」


 「はい。次は、え~っと、治水 流」


 うわっ。凄い緊張してきた~。無理無理無理無理。もう絶対噛んじゃうよ。足とか生まれたての小鹿のように震えちゃってるよ……。でも、呼ばれたからには行かないと。



 「初めまして。治水 流です。好きなのは、夜の星とかですかね。苦手なものは、朝日と雨ですね(自分にとって一番危険なので)。えっと、まぁ、これから3年間宜しくお願いします」


 「はいよ。次は…………」




 うう……。恥ずかしかった。もう勘弁よ……。顔が熱くなるのを感じながら、机に突っ伏す。



 次に席替えが始まり。最悪だ。窓際。カーテン閉めていいかな?  まぁ大丈夫かな。



 「お~い、生きてるか~? 一緒のクラスで嬉しいぞ~。俺のこと忘れてないよな。一応、念のために言っとくが

 【犬塚いぬづか 竜之介りゅうのすけ】だぞ。お前のゆういつの友達だぞ(笑」


 茶髪で鋭い目付きで、髭を何故か剃らずに残していて。少し背は高く、何故か年中日焼けしてる肌、歩く○ラニン色素が話し掛けてきた。


 しかも目の前の席だよ、嫌だな~、色々と。


 「何か、失礼な事を思われてる気がするが、気のせいか? うん?」


 「いや、ふぅわぅああぁ……、えっと気のせいだ」


 「全く、相変わらずの低血圧っプリだな(笑」


 もうお分かりだろうと思うが、この会話のテンションの違いで人を判断して欲しい。

 自分は、ちなみにまだローテンション。奴は昔っから、ハイテンション。マジ辛たん……。





 「さて、そんな朝から残念なお前に話だ」


 「……ほっとけ」


 「由香里だが隣のクラスに居るぞ~。一緒に帰れそうだから、また何時ものように3人で帰ろうぜ。

 どうせ一人で帰るのも寂しいって泣きたくなってた所だろ(笑」


 「……一緒に帰るのは良いとして。寂しくて泣いてなどないから」


 【鬼怒きぬ 由香里ゆかり】。少なき友人の一人。茶髪に赤みがかかった長髪。眠たげな印象の目付きと、華奢な体格のくせに、力強過ぎる。でも、時々心配にもなる。病弱系だからな……見た目的に。



 「よし、それじゃあ、放課後、下駄箱で。勝手に帰ると俺と由香里は泣くからな」


 「はいはい……。(てか、どうせお前にラチられそうだから、待つもなにも無い気が。)」


 内心呆れつつも、言葉に出すつもりはないが、大切な、大切な友達……いや、親友だから。


 だからかな? 口元の口角が僅かに上がる。






 ――キンコンカンコーン♪


 どの授業もオリエンテーションなので、あっという間に放課後になった気がする。


 さて、帰るか。


 「ちょい待て。なにか忘れてないか? うん? 」


 「そうだな。由香里を忘れていた。じゃあな、親友」


 「いやいや、俺も一緒に帰るから、帰らせて下さい(半泣き」


 「……何やってるなの?」


 後ろを振り向くと自分達のコントに呆れてる親友が、先程話してた人物こと由香里。そして、相変わらず変な語尾が。


 揃った所で自分等は家へと真っ直ぐ向かう。



 「やっぱいつものメンバーだから、しっくりくるな(嬉」


 「ああ、お前が居なければ、もっと良いだろうに


 「何故にさっきから俺にだけ毒舌!? (半泣き」


 「まぁ、いつものことだから、諦めるなの」


 と、由香里もこちらの味方だ。


 「ああ、俺に仲間が誰一人として居ない。この状況に俺、死にそう(半泣き」


 そんな残念な親友は置いといて、やっぱこの時間は楽しく感じてしまう。こんな時間が続けば良いのに……。





 「そういえば、新しいクラス。どうだったなの? 私は中学の頃の友達が何人か居るから大丈夫なの」


 「う~ん、親しい奴が少ないクラスだから、ちょっと分からないな」


 「えっ、その親しいのって、ちゃんと俺、含まれてるよな。含まれてるよな」


 「えっ、ああ、うん。多紙さんよりは親しいか?」


 「何故に疑問系!? ヒデェ、こっちは長年の幼なじみだろ。何で躊躇するんだよ(半泣き」


 「ああ、スマン。多紙さんの方が良いかも」


 「酷いな(半泣き」


 「泣くなら、他所で泣くなの。目に入るなの。不愉快だから、視界から消えてくださいなの」


 「もはや、視界にすら入るなと!?(半泣き」


 ちょっと視界から消えてくださいは言い過ぎなのではと、自分は思案してると、犬塚はみるみる落ち込んでいた。


 「もういいさ。俺なんて……。俺なんて……(鬱」


 精神的に壊れ果てた親友は放っておいて、いつもの公園で解散する。


 「じゃあ、また明日」


 と、自分の一言に合わせて、犬塚も復活し。


 「おう!! また、明日」


 「また、なの」


 そういって、帰宅する。


 そして、ああ、また退屈な夜が来る……。



座席表 一のA


閲覧不可


座席表 一のB


□ □ □ □ □ □

□ □ □ 多 □ □

犬 □ □ □ □ □

流 □ □ □ □ □

□ □ □ □ □ 真


座席表 一のC


□ □ □ □ 林 □

□ 由 □ □ □ □

□ □ □ □ □ □

□ □ □ □ □ □

空 神 □ □ □ □

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