悪魔の対面。@3
青年はこの前のことが気になって夜も眠れず、何となく暇潰しもあきたし、青年の親友かつ幼なじみの家の前に向かう。
青年は親友が思ってた以上に早起きなのかとか思いつつ、朝日が出る前くらいの時間に家を出てきた親友を絡む。
親友はいつも傘を持っているが、何故だろう。
日傘として使っている事が多いが、お前は乙女か!? 女子力が高過ぎるな。
まぁ、今となっては気にするのも面倒だ。
本人も低血圧モードでなくても、常に残念だからな。
そして、親友と一緒に登校しながら、この前の通称、デートの話を聞き出す。内容は予想通りだったが、進展無しっと。
お節介かもしれないが、どっかの主人公みたくフラフラして欲しくはないからな。由香里も由香里だ。もっと攻めてってほしい。
まぁ、所詮は俺のエゴだが、気にしたら負けだな。
そして、学校が見えてきた頃に親友は何かを思い出したように、あっ、とする。
手招きされるまま、近付くと拳骨1発くらう。
本人的には手加減したらしいが、拳骨というものは地味に痛みが後まで響くから辛い。
昼休みになる。その間の授業なんて、正直興味なんて毛ほどもない。
そして、今日は用事があることを思い出す。
今日はあの日だ。
中庭にチャラチャラしているオヤジが立っている。通称、チャラオヤジ。まんまだな。
女子高生を見ている姿は、通報するべきか悩むレベルに見える。
とりあえず、補導される前に話を済ませたいので、嫌々ながらチャラオヤジと相対する。
◇◆◇◆◇◆◇◆
少女は残念な格好をしている。
たまにこれは恥ずかしくて無理と言う格好もイベントとかで、嫌々ながらも仲間の後押しにより着てきたので、感覚は最近麻痺してきている。
オタクという文化は受けいられているのに、中2は受け入れられていない。悲しい現実だ。
中2という自覚もちゃんとある。けど、止めるつもりも、隠すつもりもない!! これが私だ……じゃない間違えた。我だ!!
そんなわた……我の宿敵(永遠のライバル)、ナガレと相対する。
立ち上がって、そのナガレを睨み付ける。
友達に行儀が悪いと怒られ、悲しくなるも、ナガレを見る。
ナガレへの思いは忘れない。
ー少し昔 中2発症前
少女の力は壮大だ。血筋もあるだろうな。
そして、その力によって少女は慢心してた。それは揺るぎ無いものだった。はずなのだったが、目の前に見える怪物は何だ!?
目の前の少年は童顔で、男らしからなやぬ身体つきで軟弱そうだ。
その少年はヘラヘラとしてたり、慢心どころか謙虚だったりと。
でも、何処か時々雰囲気が変わるときがある。
その彼をみた時からかな。
私の中で何かを感じた。
そして彼は私にとって、宿敵になった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
……会話が続かない。
色々あって、二人きりの食事の場となってしまった。
会うたびに宿敵よ。とか、言ってきたが、他にコミュニケーションをとった事なんて両手で数えられる程度。
はっきり言おう……気まずい。
ナガレは気まずさからか、優しさからか、何度か話題ふりをしてきてくる。が、話がすぐに終わる。話が派生されない。
コミュニケーション力が、今とても欲しいと感じる。
ネットとかの掲示板なら、私の力は発揮されるのに……。
彼の優しさが今は辛い。
しかし、幼なじみさんも惚れる訳だ。
でも、まだ気づいてないみたいだから、私にも機会はあるってことかな!? う~ん、彼は鈍感だし、厳しいかも。
しかも、この格好を咎める者達の仲間だからな。
直すべきだろうが、直すつもりなんて無い!!
あっ、でも、やはり直すべきなのかな……あうぅ……。究極な選択肢で困る。私のアイデンティティー……。
私のアイデンティティーを脅かす宿敵……。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「良いね~、最近の若い娘は~、けしからんね~」
チャラそうなオヤジは、女子高生を眺めている。
周りからの視界はこの不審者は映らないのか、気にしない。
「う~ん、さっき走ってった娘は~、残念ながら成長の見込み無しっと」
これが聞こえてたなら、この不審者は殺されただろう。
しかし、その娘は聞こえてないのか、普通にその横を走り去ってった。
「おい、オッサン」
後ろから声が聞こえるが、自分の事だろうか? これでも25歳だ。
これを言うたびに驚かれるのは、髭のせいかもしれんが。
「おい、不審者 セクハラオヤジ チャラオヤジ」
「おいおい、酷いな。オッサンにも心があってな、繊細なんだぞ」
「はぁ……、心底どうでもいいのだが」
「はは、すまんな。本題に戻ろう」
「今日の呼び出しした理由は何だ!? (怒」
青年は、正直会いたくなかった人に会ってるので、不機嫌だ。
「ああ、まずそれからか~。まぁ、聞けや」
その言葉で、青年は押し黙る。
少しためて、不審者は切り出す。
「お前の報告。嘘だろう?」
不審者は、獲物を目の前にするように下卑たな笑顔を向ける。