悪魔の対面。@1
自分は今、いじけてます。
確かにネックレスを忘れたことは反省しております。
勿論、取りに行こうと思えば、取りに行けたんだけどさ、でもさ……。っえぐ。
っひぐ。……気分転換に屋根上に上がろう。
窓を抜け、屋根上へと飛び乗る。
月はまだ雲に隠れてるせいか、姿が半分も見えない。
星は、この前にも見えた春の大三角がある。
そして、少し前にネットで調べたら、大三角の左下の星、スピカという星の隣に土星があるらしいけど、分かりにいな。
他にも春の大三角の右のデネボラという星と、その右隣に白く光るレグルス、その周りにある星々を繋げて、しし座らしいけど、全然しし座に見えないな。
星が見えやすいのは田舎の特権ってヤツかな? 自分得ですね。
何だか、少し癒される。
月や星の魔力かな? だとしたら、納得。
そういえば、何故自分は公園のベンチで寝てたのだろう しかも、由香里を膝枕しながら。
記憶を辿ろうとしても、オバケ屋敷の印象が強すぎて、今一思い出せない。てか、河童恐い。
う~ん、今度学校で由香里とあったら、聞いてみるべきかな?
あっ、後、犬塚にもちゃんと礼をしとかないとな。
フフフ……。
そして、犬塚への礼を考えながら、自分は両腕を空に向かって伸ばし、ううん。と疲れた声を出す。
ちょっとうつらうつらとしてきたけど、首をふって意識を取り戻す。けどやっぱり、またうつらうつらしてくるので、屋根の上で目だけ静かに閉じて仮眠。
俺は目を覚ます。
下を見ると、母親が居るのが分かる。
黒に補助されながら、下に飛び降りる。
トンっ。という軽い音と共に着地する。
母親は、こちらを見ている。見ている先は首に飾ってる十字架。
そして、ようやくこちらの顔を見て話を切り出す。
「おはよう、ナガレ。いや、今はリュウかな?」
「どちらでも構わないよ。どちらも流だし」
「では、続けるよ、流は今日、何をしたのかな?」
「由香里を助けた」
俺は、正直に答える。嘘を付いても、どうせバレる。母親とはそういうものだと、理解してます。
「ああ、あの娘か……。しかし、何故?」
「分からない。分かることは、こちらに何かあるのは明白」
「そう。しかし、ドローンも何をしてるんだか」
「いや、1台しか無かったし、普及だって、まだ少ないから」
「少ないにしてもよ……」
母親は、思い詰めた用に嘆息する。
そして、少し間が空き、また母親から切り出す。
「と こ ろ で、流は由香里ちゃんと何処まで進んでるのかな~?」
母親は、ニヤニヤ顔で、話が急展開。
「(ボフッ)!?」
予想外すぎて、俺、赤面と共に戸惑い。
「ああ、その調子じゃ駄目ね。もっと押してかないと、盗られちゃうわよ~、う~ん?」
「……」
意地悪な母親に対し、俺は黙秘。
「進展あったら、教えてね~? ちゃんとだよ? もしくは、赤飯でも炊ける出来事でも起こしてくれると、お母さん、安心なんだけどね~」
ニヤニヤ顔で、更に追い詰められる。
「(てか、何故に言わんとあかん。てか、そんなことしないよ!?)」
言葉には出ないけど、心の中で荒れ模様。
「フフフ……、白ちゃん。黒ちゃん。任せたわよ……」
――承りました。 ――既成事実ですね♪
黒がさらりと凄い発言。誰だ!? そんな言葉教えたやつ!?
「ああ、後、最後に僕は居るかな? 居るとしたら呼んでくれないかな?」
俺は首を横に振る。
「そう。なら、リュウのみに言うけど、最近実家の方が、キナ臭いから、気を付けて……っても、遅いか」
俺はまた首を横に振る。
「忠告、ありがとう」
「どういたしまして」
夜の親との会話は、これで終了。
のちに、黒に説教しなくては。
自分と僕は、まだ寝ている。
俺は考える。
――何か考えてますね
――考えてるふりですね♪
黒は反省が足りないようだな。
――勘弁してください。
黒は潔く、俺の心の声が聞こえたのか謝る。
先に謝られては、折檻のしようがない。
俺は仕方無くやり場のない矛先を渋々納め、今日のことを振り返る。
黒づくめ達は、少なくとも悪魔ではなかった。
ただ、他の悪魔の気配もあった。勿論、河童を除く。
母親は、実家がキナ臭いと言っていた。
……キナ臭いって何だろう?
――流様。キナ臭いの今回の意味は、不審・怪しい~そんな感じがする。といった意味合いが強いと思われます。
白が懇切丁寧に教えてくれる。
「いつもありがとう」
――いえ、ありがとうだなんて勿体ない御言葉です。
白は相変わらず、誉められると嬉しそうだ。
――ねぇねぇ、私も誉めてよ~たまには♪
黒が変なことを言っているが無視で。
俺は何時ものように、記憶の齟齬がなるべく立たないように、屋根上へと黒を階段状に変えて上がる。
そして、静かに目を閉じる。
サブタイトルは、ちょっと考えさせてください。
予定通りなら、悪魔の弱体。に直します。