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悪魔が語る憂鬱な日常  作者: ByBuyBy
悪魔の春 3月~5月
16/35

悪魔の暴走。@5

二連続投稿です。お気をつけ下さい。


残酷描写減らしたつもりですけど、残酷描写ありです。お気をつけ下さい。

 自分であって、自分でない。


 ややこしい……、つまり、俺は偽者だ。


 何かの問答か何かなのかと思うかもしれないが、そうとしか言いようが無い。




 皆は多重人格もしくは解離性同一障害という精神病を知っているだろうか? 知っていても成りたいとかは誤っても思ってはいけない。


 俺はストレス・悩み・衝動・要求不満・不安などといった嫌な感情を押し込むために作られた偽者だ。


 自分は知らないだけで、幼き頃に俺は作られた。


 そして、これだけは言っておこう。


 俺は自分程、甘くは出来ていない。


 自分の記憶は継承している形だ。自分に変わっても、自分は俺に気付かず、ただ空白の記憶が残るだけ。詳しくは分からない。


 少なくとも、俺は今すべきことは既に理解済みだ。


 場合によっては、今回汚れ役にもなるだろう。


 だから、俺で良かった。






 さて、汚れ役になるからには、僕は出さないつもりだ。


 アイツもアイツで、一癖あるからな。


 つまり、今回は俺無双かな?


 でも、なるべく時間は消費したくはない。


 考える必要はない。





 白の力を借りるのが最良。


 こんな人目のある道の真ん中でも、人目には映らない白の力。


 浮かぶのは、以前にも見たような白い文字や記号達。


 そして、俺は静かに命令する。


 「対象 鬼怒 由香里……」


 白いのは、少しだけグチャグチャと混ざりあうように集まっては離れる動きをし、ある一点だけ止まると同時に他も止まる。


 そして、白い文字は俺に報告する。


 ――→に検索対象を発見。短距離ルートを地面に記します。


 そう白い文字が表されると、残りの白いのは地面を縫うように行く先を記す。


 「ありがとう」


 心からの感謝だ。白も分かりにくいが、嬉しそうだ。





 狭い道を通り抜け、暗い道のりは色濃くなる。


 本当にここは遊園地なのか!? とか言いたくなる。


 そして、白は案内を終える。





 目の前に見えるのは、明らかに妖しい三人。


 殺気を込めると、どうやら気付いたようだ。


 逃がすつもりもない。闇討ちするつもりもない。


 正々堂々壊してやる。


 壁に寄りかかっていた由香里を見ると、とりあえず無事なのは確認できた。しかし、解せない。何故に由香里を狙うか。


 だけどね……もう良いんだ。


 僕は、由香里が傷つけられた。


 その事実のみで壊してあげよう。





 僕は笑う。声には出さないが笑う。


 妖しい三人共に奇妙な顔をしているが気にならない。


 結局、全ては壊れる。


 だから、僕は最後の良心として言う。


 「ねぇ……。君ら、覚悟は良いか?」





 たぶん、これが開始の合図。


 小太りは、こちらに急接近し、持っていたバタフライナイフを喉元を狙って横に薙ぐ。


 僕は、見えているので、難なく避ける。


 ついでに、ナイフを持った腕を肘を使って力半分ぶつける。


 メキッと、良い音を鳴らした。どうやら小太りの腕が折れたようだ。


 僕は、小太りが痛みに呻いてる間に更に続ける。


 まず足を、あってはならない方向へと曲げていく。


 二人の黒づくめは既に、逃げようとしていたが、黒に任せて動きは既に封じている。


 小太りは、やがて白眼を向き、体を横たえ時々痙攣している。


 黒づくめ達は、青ざめた。


 何か必死に訴えていたように見えるが、聴こえないよ。


 許せるはずが無い。


 自分の大切な  を壊そうした。


 たがら、許せるはずが無い。


 そして、小太りはもう反応がつまらないので、黒づくめを一人、また一人と手を掛けようとしたら、体に違和感を感じた。


 背中から暖かな少女が抱き付いている。その表情は、恐怖と悲哀。


 何故、そんな表情をしているのだろうか?


 純粋に分からない。


 とりあえず泣かないで欲しい。


 だから、俺に変わる。





 俺は見ていた。気付いていて、押さえきれなかった。


 僕だけの責任ではない。


 既に黒づくめ達は逃がしてある。一人以外はもう駄目かもしれない。


 俺は血塗られた手で少女の髪を撫でる。


 落ち着いて……落ち着いて……。


 そんな意味を込めながら、優しく撫でる。


 少女は、やがて上目遣いで、その腫れぼった目で俺を見るや否や、もう一度泣く。


 遊園地の大音量のBGMがその声を消してくれる。







 自分は夕方になり、遊園地のベンチで起きる。


 夢を見ていた気分だ。


 何故か由香里を膝枕していて、足が完全に痺れて感覚が薄い。


 一瞬、手が赤色が見えたけど、瞬きすると、それは消える。


 そして、寝苦しいのか由香里は魘されている。


 とりあえず、優しく髪を撫でる。


 大丈夫……大丈夫……。


 そんな意味を込めながら、時間を忘れるかのように髪を撫でる。





 閉園時間まで由香里は起きなかった。


 由香里も起きると最初は驚くばかりで、対応に困る。


 そのあと少し冷静になり、なぜ寝ていたのか、自分と同じように思い出せないみたいだ。


 そして、職員さんに閉園時間なので……と腰低めにお願いされた。申し訳ない。


 とりあえず、自分と由香里は帰る。





 由香里の表情はまだ悲哀なのにも気付かず。



俺 僕

白 黒 堂々登場

気付いてたら、すごいかもしれないが、ちょくちょく俺に変わってます。

誤字でも自分が俺になってるかもしれなさそうだけど。

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