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悪魔が語る憂鬱な日常  作者: ByBuyBy
悪魔の春 3月~5月
14/35

鬼の暴走。@1

由香里視点で行くよ~。

 私はとある人に昔から恋している。


 親友はそれをいつからか知っていた。


 本人曰く、バレバレだそうだ。


 正直、これを聞いた時は恥ずかしさのあまりに、……親友を殺す所でした。危ない、危ない。


 変な語尾は喋るとどうしても出てしまう癖。もちろん意識すれば大丈夫にはなってきている。


 そして、あの人なのだが……鈍感すぎて困っています。しかも現在進行形です。


 いやまぁ、気付かれたら気付かれたらで、恥ずかしいのだけれどさ、さすがに気づいて欲しい。


 絶対向こうは、私を妹のようにしか見ていない気しかしない。


 この貧相な首下と腰上の間にあるものが小さいからいけないのだろうか!?


 ……正直、泣きたくなる。




 そして、そんなある人と親友とで今日は遊園地の約束。


 親友は邪魔になると思うが、いつもの三人の方が気が楽だし、もう気にしていない。


 今は、楽しみで、楽しみで体が疼く。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆




 そんなこんなで約束の一時間前に来てしまった。


 ちょっと早かったかもしれない。


 周りを見渡してみたけど、あの二人はまだ来ていないみたい。


 今日は少しだけお洒落を意識してみたんだけど、あの人は気付いてくれるかな? 可能性は考えるまでもなく低そうだ。


 服は、どうしても意識していない感じの残念な物ばかりだから、唯一可愛い白のワンピースに、少しまだはだ寒いから軽く上着を着た状態。


 うん。頑張った方だと思うよ。これ以上のお洒落は期待しないで。


 だって、化粧とか慣れないし、母親にやってもらうのも、何か勘繰りそうで恥ずかしいから却下。


 つまり、これが私の限界なの。私がモテないのは、きっと私が悪い。いや、モテようとは、あまり思ったことはないけどね。


 あの人だけ見てくれれば……って、恥ずかしいな!! もう!!




 ~~♪♪(着メロ♪)


 ん!? 犬塚からメールか。どうしたんだろうか?


 『由香里~、俺と契約して魔法少……げふんげふん。まぁ、それは冗談としてだ。俺さ、今日は行かなきゃいけない用事が有ったんでな。ドタキャンするわ♪

 P.S. つまり、ナガレとデートですぜ。姉御~~へへへっ(笑』


 ……思考停止しばらくお待ちください。




 ちょっと待て~~!! ドタキャンって!? えっ!? ドッキリなの!? 冗談はよくないなの!! デートとかそんな……犬塚ェ~~!!


 「犬塚め……ナガレ……どうしようなの……」


 何だか不安になり、思わず空を仰ぎながらぼやく。




 くっ、犬塚覚えていろ。後で何か奢るから。じゃなくて、怒るから。


 まだナガレは、来ていないみたいだね。


 髪型大丈夫かな? 割と適当に後ろに束ねて縛ったのみだから心配になってきた。


 ああ、鏡持ってないし。つくづく自分の女子力の低さが……って、いかんいかん。しかし、無いのなら……あっ、ここなら自分が少なからず見えるよ。うん。


 見た感じ大丈夫かな!? うん。良し!!


 ん!? あれ? い、今、いやいや気のせい気のせい。


 テラスに近づいて、良く見てみる。


 「!? ナガ*☆*:→%*『。!!」


 驚きのあまりに変な声を出してしまい、恥ずかしいな!! もう。


 それもこれも教えてくれないナガレもナガレだ!!


 急いでナガレのいるスタバへと向かう。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆




 ナガレは優しいなもう。天然のTARASIだ。


 わざわざ私のためにカプチーノ買ってきてくれるとか、しかもカプチーノって、私が前好きって言ってたのを覚えててくれてたのかな!? だとしたら、余計に好感度が上がってしまうよ。


 何だか少し落ち着くな……。




 ん!? 誰の着メロ? ナガレか。たぶん、犬塚かな!?


 最初は笑ってて、次に泣き出したのは驚いたな。どうしたのだろうか。そして、最後は凄い顔だよ。恐いよ、ナガレ……落ち着こう?


 「由香里。それ飲み終えたら、二人で行くか。犬塚は来れないみたいだ」


 「!? ……あっ、あぁ、分かったなの」


 ああ、ちょっと待っててね。あと少しだけ……って、犬塚は何をメールで言ったのだろうか!? 私と同じ内容ではないのは確かだな。




 その後も、チビチビと自分のペースで飲み終えて、電車に乗り、遊園地へと向かう。


 「ありがとうなの。後で、コーヒー代。ちゃん返すからなの」


 「いや、良いよ……。たまには奢らせてくれ……」


 う~ん、あんまり借りは作りたくなかったんだけどな。


 まぁ……、いいのかな!?




 「ああ、由香里。遊園地着いたら、起こしてくれ」


 「!?」


 最初は何言ってるか、よく分からなかったけど、寝るのか。ナガレは、マイペースだなぁ。まぁ、そこが良い時もあるけどね。


 zzz……。


 静かに眠ってる。何というか苦しそう。


 う~ん、頭の置き場が無いからかな? ……仕方ないな、私の肩を貸すか。



 ……って、近い!! 気が付かなかったけど、顔がすぐ近くに!!


 しかも今度は幸せそうに寝てるから起こすのも悪くて動けない。


 うう、恥ずかしいな。もう。





 「○○遊園地前~~○○遊園地前まで、もう少しで到着になります。お出口は右側で御座います……」


 ああ、もうこの時間も終了か。名残惜しいけど、仕方ないな。


 「起きて……起きて……起きてなの」


 「お~ぅ、了解~……。起こしてくれてありがとう。助かった」


 「えへへ♪ どういたしましてなの」


 誉められた~~♪ えへへ、素直に嬉しいなの。




 そして、ついに着た!! 遊園地けっせんじょう!!


 絶叫マシンとかで、ナガレに抱きつく作戦開始です!!





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