表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔が語る憂鬱な日常  作者: ByBuyBy
悪魔の春 3月~5月
10/35

悪魔の暴走。@1

 今日は一日中寝るぞ~。


 なんてたって、今日からゴールデンウィーク♪ この大連休でだらけずに、何時だらけられるか(半泣き


 兎に角!! 俺は断固として、この家から、この部屋から出るつもりはない!!




 ――ピンポーン♪


 ん!? 誰だろう。こんな朝早くから?


 ――ガチャ ギィィイ……。


 「おはよう。犬塚……忘れてないよな。今日から勉強じごくだ」


 「…………(血の気が引く音)」


 目の前にいたのはフードを被った肌白の青年。そして、その横にいるのは半眼の女の子。しかも、目が殺気立ってる気がする。


 扉に力を加え、急いで玄関を閉じようとするが、何故かピクリとも動かない……あれ!?


 「おはようなの。犬塚……一緒に勉強しようなの」


 と言いながら凄い力でドアを開けられ、強引に中に入る幼なじみ。そして、それに便乗する親友。


 そして親友は俺を過ぎ去ろうとする所で肩に手を置き、諦めろと伝えてくる。


 どうやら、この時、この瞬間から、だらける計画!? が崩れ落ちていくのを感じた(半泣き


 もう諦めよう(涙




 ◇◆◇◆◇◆◇◆




 目の前の親友もとい犬塚は、少し涙目ながら、意外と素直に勉強を始めることを良しとした。


 これも一種の成長かと、自分まで涙ぐみそうになりつつも、その決心を無駄にしないように、自分も全力で取り組んだ。


 犬塚は、時折、時間を気にしつつ、あの謎の大量課題を消化作業している。


 自分も由香里も、分からないところ、間違ったところを徹底的に教え、大体半分くらい消化作業したところで、お昼にすることにする。


 由香里は、ここぞとばかりにエプロンをし腕捲りして、やる気を見せている。


 自分も手伝おうとしたら、邪魔になるから、そこら辺でゴロゴロしててと切り捨てられた。


 自分は猫か何かか?





 昼御飯ができるまで、犬塚と、ゲームをした。


 自分は某配管工の髭おやじを使い、犬塚は片手剣と少し凝った装飾の盾を持つ緑色の服を着たエルフを使った。


 自分は持てる技術を駆使し、強烈アッパーをエルフに繰り出すが、華麗に避けられ、スマッシュ切りされて、画面外へ……。


 派手なエフェクトと共に配管工の髭おやじは、死んだ。


 そして、自分は復活した髭おやじを使ってみたが、さすがと言うべきか、廃人である犬塚に勝てるわけもなく、何度も画面外へ突き飛ばされた。


 もうあのエルフが、完全に木こりではなく、アサシンと化している気がする。





 その後も、配管工を題材としたパーティースゴロクをやろうとしたところで、昼御飯が出来た。


 本日の昼御飯。キレイに皿に盛り付けされた、青椒肉絲チンジャオロースに、焼き飯 。


 何だろうな……キレイに盛り付けされると、ここまで美味しく見えるものなのかと感嘆する。


 そして、一口食べてみると、野菜の食感。特にシャキシャキ感が良い。味もまたサッパリとしてて、焼き飯と合うので、食が進む。


 思わず「美味しい……美味しいよ!! 凄いな由香里!!」と言うと、由香里は、はにかんで「えへへ……」と照れていた。


 しかし、凄いな。美味しい。毎日御飯作って欲しいかもとか、柄にもなく、プロポーズみたいなことを思ってしまう。




 ちょっと由香里への好感度が、ここにきて急上昇。





 あっという間に食べ終えて、犬塚の部屋で寛ぐ三人。


 そして、犬塚は何かをビクビクと警戒しながら、周りの様子をチラチラと伺っている。




 ……一体、何だというんだ!?


 という疑問は、すぐに消えた。


 あっ、と何かに気が付く由香里に犬塚は、ビクッとなる。


 由香里はそんなこと気にも留めず、急に部屋から出て、玄関を抜け、自宅へと戻っていった。


 ……一体、何だというんだ!? (2度目)




 そして、何かを持って戻ってきた。


 何を持ってきたのか、興味げに見てみると。


 『人生ゲーム~自宅警備員から始まる就活~』という突っ込みどころ満載のボードゲームを持ってきた。


 どうやら暇だし、TVゲームだと、勝てなくて悔しいから持ってきたみたいだ。


 自慢気にこれなら、私でも大富豪なの。と息巻いていた。


 そして、一番資金の少ないものが、今度の遊園地の時、ジュースとか何かをおごるという、ちょっと未定な感じのバツゲームもプラスされた。


 このボードゲームを始めると、急に真剣モードとなる。


 最初は三人とも、足並みを揃える感じで順調だったのだが、なんというか日頃の行いというか、犬塚は、途中から借金だらけになった。


 由香里は自宅警備員から、既に宇宙飛行士という輝かしい進化を遂げていた。ちなみに自分は公務員。そして、犬塚はフリーター。


 そして、そんな残念な犬塚に転機が訪れる!! そう、ギャンブルだ!!


 現実なら、そんなことせずに堅実に生きていくのが普通だろうけど、これはあくまでゲーム……となると、犬塚は腕捲りして本気の意を現す。


 更に借金百万を重ねて挑む。


 某鼻の鋭利な勝負師の様に犬塚は、慎重に。かつ、大胆に勝ち進んでいく。


 そして、最後のゲーム。確率は10分の1。


 犬塚は悩んだ。ざわざわと頭の中で響いていてそうだ。


 そして、何を血迷ったか全額投資した。





 結果はお約束通り、失敗。


 犬塚は、某勝負師の様に涙目になっていた。


 ……なんとも哀れな。





 三人ともゴールし終わり、結果は当然というべきか、


 一位:鬼怒 由香里

 二位:治水 流

 ビリ:犬塚 竜之介


 これが終わる頃には既に夕刻近くなっていたので、解散となった。


 しかし、ここで自分はあることを思い出す。


 「犬塚……課題があと半分あるから、明日もだな」


 由香里も思い出したように、あっ、とする。


 犬塚は、orzという体制になっていた。


 ……諦めが肝心だ。犬塚。


 そして、また明日も勉強会が決定された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ