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シーン六[桜の花は・・・]

シーン六‐一[約束の場所]


          溶明

          屋敷も桜の木も(無くなる、もしくは)燃えてしまった

          沙都が桜の木の下(であった場所)に、立ち尽くしている

          幸、沙都を見守っている


沙都   ・・・父上、・・・ハル・・・?


          間


沙都   ・・・また、約束を(たが)えるのですか?


          一陣の風が過ぎ去る(SE 風の音)


沙都   ・・・春季さま・・・


          沙都、その場に崩れる


幸    ・・・・・・沙都さま、参りましょう。


          照明溶暗



シーン六‐二[桜の花は・・・]


          照明溶明

          山城家の庭先

          人物にだけ、少し広めに光をさす。


沙都   あなたは誰?

春季   ここの姫君か?

沙都   沙都と申します。あなたは?どうしてここにいるのですか?

春季   俺・・・私の名は、桜海春季。兄・・・殿の使いで、ここの主に会いにきました。

沙都   父上に?

春季   はい。

沙都   ・・・今日はお客さまが多いのですね。

春季   そう・・・ですか。

沙都   はるとき様は、どちらからいらしたのですか?

春季   桜海の国です。

沙都   おうみ?

春季   ・・・桜の、美しいところです。

沙都   そうなのですか?私も、見とうございます。

春季   ・・・それでは、いずれお連れしましょう。

沙都   本当ですか?

春季   はい。

沙都   ・・・でも、父上はきっと、許してくれませぬ。

春季   そうなのですか・・・。しかし、今は許していただけなくとも・・・いつか、必ずお連れしますよ。

沙都   ・・・約束ですよ。

春季   はい。必ず。

沙都   ・・・楽しみにしております。

春季   はい、沙都姫さま。


          照明溶暗。

          音響F・O


                    ―幕―

.

これにて、完結です。

今回は、私の戯曲作品2作目です。前作は場面転換が多くて大変だったので、できる限り舞台装置の移動なしでできるように書いてみよう・・・というのが今回の目標でした。


歴史物?だけど、幽霊とかでてきて、でも思いっきりファンタジーな・・・それこそ妖怪とかでてくるものではなくて。(もしかしたら妖怪もいるかもしれませんが(笑))



成仁さんは、賛否両論あるのではないかと。

人としてどうなんだ!て言いたくなるかもしれませんが、国主としては、ねぇ?


ここで、わかりやすいのかわかりにくいのかわからない国の例え。

戦国時代の・・・

同盟関係に主眼を置くなら、山城が「織田家」だったなら、裏切られた桜海は「浅井家」。そして、桜海のと縁の深い国である西岡は「朝倉家」といったところでしょうか。もっとも、山城は織田信長と違って、単独で攻め込もうなんてしていませんがね。

戦力関係?を見るならば、山城が「徳川家」で、桜海は「織田家」。秀国が「武田家」といったところでしょうか?武田に、織田を裏切ってこっちにこい!と言われた徳川家康は、織田信長への恩を忘れず?それを突っぱねました。しかし、山城の成仁さんは、家康になれませんでした。


・・・・・・余計に混乱させてしまってたらごめんなさい。

歴史に詳しい人に言わせたら、突っ込みどころも満載かもしれません。

直せるような小さなものなら、優しく教えてくださるとうれしいです。

そうでなければ、寛大なお心で持って見逃してくださるとありがたいです。



こちらも、いろいろ言いたい人がいるかもしれません。

冒頭で載せた短歌


やましろの ちりゆくはなを みらるれば

すぎぬるはるの かげしのばるる


これの詠み手のイメージは沙都ちゃんです。

意味は・・・一応、

「山城の国の桜の花が散っていくのを見ていると、過ぎてしまった春の景色が自然と思い出されます。」

という感じでしょうか。

表向きには。


裏切ったかつての同盟国の姫であった沙都ちゃんは、桜海の国でひっそりと暮らしながら、これを詠んでいます。

なので、

「(桜海の)山や城に咲く、桜の花が散っていくのを見ていると、

亡くなってしまったハルの面影が偲ばれます。」

と、こう読むこともできます。

といいますか、それを狙ったのですが。


ちなみに、ここで出てくる桜海の国というのは、私の別作品、小説「花霞夢結び」に出てきた、桜海の国と同じです。時代は違いますが。順番としてはこちらの方が先という設定です。


それでは、最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。


まきいつみ

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