妹からするとシスコンってマジうざいよね その1
ごきげんよう
アインです
“パチッ・・・・パチッパチッ・・・”
わたしは今、焚き火を前に野宿をしています・・・・
“ウォォォ~~~ン ォォ~~ン ォ~ン”
「あぁ~ あぁ~ 聞こえない!聞こえない!」
わたしは耳を両手でふさぎ現実逃避を謀ります
クソッ! あの馬鹿ツインズの所為で・・・
なんでわたしがこんな目に T_T
半眼になり、目に涙を溜めながら体操座りをしているわたしでした
時は戻り今朝の出来事
ツインズ&ルームメイト4人がわたしの部屋に突撃してきたのです
ぐっすりと寝ていた わたしのベットにダイブするツインズ
「ぐへ!」
そのままムツゴロウさんモードに突入するツインズ
↓
脱出しようともがくわたし
↓
慌ててツインズを引き剥がそうとするルームメイト4人
“ハァ ハァ ハァ ハァ”
脱力して喘いでいたわたしはハッとして
自分の格好に気が付きます
ネグリジェなのである スケスケなのである
わたしはお母様の趣味には逆らえず、寝る時はこの格好なのだ
そして目の前には3人ほどの男の子
元男でも8年も女の子として教育され、精神も肉体に引っ張られているようなのだ
はっきり言って赤面ものである
わたしはシーツも掻き寄せ叫んだとしても悪くはないだろう
「で・でていけぇぇ~~~~」
とっさに空気の構成を弄り、爆発を起こして6人を吹き飛ばしたのはやりすぎたかもですが
10分後
ツインズを正座させ
その後ろでボロボロになっている4人に謝っていた
「すみません このバカ達巻き込んでしまって・・・・」
お互いに見つめ合うツインズ
「「バカって言われた」」
キッ! サッと下を向くツインズをほおっておく
「いや まぁ 止めなかった俺たちも悪かったしな」と頬をかきながら言う ガル
「そんな事より、アイン嬢は属性魔法は使えないんじゃなかったのかな」っとヒルダ
あぁ~ まぁ 普通、疑問に思うよねぇ~ 爆発したし・・・
「お兄様、お姉様」
「「この子達なら大丈夫だ 信頼できる」」
はぁ~ しょうがないかぁ~
「確かにわたしは属性魔法は使えません」
「ですがアイン様、先程の爆発は・・・・・」
言い募るリックを手で制し
「あれは錬金魔法です」
「錬・・金魔・法???」 ???と顔中を?にするメイ
「はい わたしは強力な属性魔法も神聖魔法も星刻魔法も使えません ですので恩師ベルベット女史と共に錬金魔法と形意魔法を研究したのです」
「そしてわたし達はあらゆる物を形作る構成を読み解く“精査魔法”を開発しました まぁ 精度は個人の力量によって違ってきますが」
「それはすごいですね」学者肌のリックは興味を惹かれたようです
「では先程の爆発はどのように?」更にリックが聞いてくる かなりの喰い付きである
「あれは空気中の水分を集め熱して水蒸気にしたのです ヤカンに水を入れて沸騰させると注ぎ口から勢い良く出てきますよね あれと同じ原理です」
「なるほど」考え込むリック
詳しく説明しますと形意魔法で空気を動かし真空を作り、その中に錬金魔法で空気中の水分(H2O)を凝縮し送り込む 形意魔法で水の粒子を高速振動させ熱エネルギーを作る 真空中で沸点の下がっている水分は一気に気化し水蒸気爆発を起こしたのである
この説明からわかるように錬金魔法と形意魔法を掛け合わせると実にチートな魔法になるのである
光・闇・星刻・神聖以外の属性魔法なら錬金魔法で再現でき、精査魔法ありきではあるが粒子まで感知できれば(形意魔法とは動かす念動力みたいな魔法なので)熱量を自在に操れるのだ
例えるなら属性魔法とはWindows上で動くツールであり、簡単で実行速度が速いのだ
それに比べ錬金魔法はコマンドプロントの様なものであり言語を知り、実行文を書かねば発動しません
ですが言語さえ判ってしまえば大抵のことができてしまう
形意魔法はもっと根源的に電気ですね
光・闇を直接操ったり、時間や重力を操ったり、怪我や病気を治したりというのはWindowsではなくMacを使っているようにまったく別の理論で発動しているのでしょうっというのが研究の結果です
大分、明後日な方向に思考がいってしまいました
「ご理解頂けましたでしょうか?」
「ええ カーラが妹のアインは天才なのよと、研究結果をまとめた本を見せてくれたことがありましたが、その時は与太話だと思っていましたが本当だったというわけですね」とヒルダ
キッ! 紛失したと思っていたら犯人はここにいたのですね
お姉様はあらぬ方を向き、目を合わせようとしません
「まぁ いいでしょう」
あからさまにホッするツインズ
まだ何か隠してそうです・・・・・・
「ところで何か御用でしたでしょうか?」
ハッとしてツインズが迫ってきてこう言いました
「「アインに私達の雄姿を見てもらいたかったの」」
こうしてわたしは訓練場の森に拉致されていくのでした・・・・・
お・おわらなかった・・・・・・ その2につづく