聖夜祭彼女
出来たてほやほや。採れたての小説をどうぞ。
(投稿50分前に完成)
前編は下記URLよりどうぞ。
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ルコ「今日は何の日でしょー?」
俺「…知らんがな」
ルコ「そのとーり! 今日はクリスマスです!」
いきなりのルコペース。
確かに今日はクリスマスだが…。
俺「寒くないの?」
クリスマスだろうが海の日だろうが、年から年中、裸ネクタイでいるのがルコである。
寒くないのかと疑問に思わない方がどうかしてる。
ルコ「んー…寒いよ。でも暖めてくれるよね?」
ぴったりと俺に抱き付いて、身動き一つとれない。
さっきから背中に柔い感触があるのだが、これは揉んでやってもいいのだろうか。
いや、揉んでくれと言っているのだろうルコよ。
俺「おいおい、洗濯板を押し付けるなよ。背中が痛いぜ?」
ルコ「揉んでくれたら大きくなるよ?」
答えは予想から確信へと変貌した。
…いやいや、まだ早い。
まだそんな変態の時間ではない。
俺「…あ、後でな」
正直、もう前の棒は限界だったのだが、なんとか理性で抑えつけた。
あと1回攻撃されていたら危なかった…。
ルコ「約束だよ?」
身に着けているネクタイを俺の鼻に当ててくる。
ルコの香りを含んだそれは、脳髄まで溶かしていきそうだった。
そして強烈な一撃。
後ろから聞こえるルコの水音が、俺の耳へと侵入してきた。
しかし、それでも俺は屈しなかった。
ルコ「我慢強くなったね」
当たり前だ。
毎回ヤられてたら、俺だって我慢というものを覚えざるを得ない。
おっと。まだ時間を言っていなかったな。
…2時だ。午前のな。
俺「…もういいか、ルコ。寝るぞ…」
ルコ「えー。まだクリスマスになってから2時間しかー」
俺「起きたらな。起きたら付き合って…」
言い終わらない内に、俺の睡魔が打ち勝った。
ルコ「起きてー! クリスマスー!」
現在時刻5時半。午前のな。
俺の目の前で、ルコの青メッシュの髪が揺れている。
その髪は、時折鼻をくすぐる。
俺「分かった…起きた…」
布団を剥がされて、ひんやりとした空気が肌に染みてくる。
外はまだ真っ暗で、俺の心も真っ暗で。
ルコのいきなりのハイテンションについていけない。
ルコ「ねぇねぇ、なにするー?」
俺「これが遊びに行きたそうな顔に見えるのか?」
ルコ「クリスマスといったら、やっぱりクリスマスツリーだよね!」
俺「…なんで服を着るの?」
俺まで強制的に着替えさせられ、日の出前のお外を歩かされる。
右腕に当たる柔らかい感触。
しかし眠気が勝っていた。
そこから伝わってくる温もり。
しかし眠気が勝っていた。
起きての言わんばかりの冷たい風。
そしてルコの揺さぶり、叩き攻撃、殴り。
眠気は敗北した。
気が付くと、とある思い出のある公園にいた。
俺「ここって…」
ルコ「うん」
小さな雑草がところどころに生え、霜が降りていた。
俺「寒いか?」
ルコ「さすがに外じゃ恥ずかしいよ…」
俺「…誰もそんなこと言っとらん」
ルコ「期待してたんじゃないの?」
俺「…帰るか。冷えてきたし」
ルコ「うん」
来る時よりも強めに握られた腕は、余計に熱を伝えてくれた。
俺「ま、朝飯前の運動にはなったな」
家に戻った俺たちは、さっそく朝ごはんを作り始めた。
冷えた体を温めるために、アツアツのコンソメスープだ。
ルコ「ねぇ、今日の予定はー?」
俺「予定なぁ…。別にすることなんか…」
ルコ「じゃあ家にいる?」
俺「…お前はそれでいいのか? どこか行きたい場所でもあるんじゃないのか?」
1拍置いて、ルコは首を振った。
妙な考えも出てきたのだが、気にすることはやめた。
そんな事で、いつもの休日と変わらない朝が過ぎていった。
思い返せば、クリスマスだからといって、それほど特別な事をしたことがなかった。
プレゼント買ってもらって、ケーキ食べて、終わり。
友達とのクリスマスパーティとか、そういったのは経験していない。
こんな俺だから、クリスマスの過ごし方なんてのは、いまいち分からない。
自分の過去の事を、ある意味、傍観者として思い返していると昼になった。
もちろん途中でルコとの会話もあったが、何一つ覚えていない。
暖房で温められた部屋で、ぬくぬくと、ただもぬけの殻状態になっていた。
俺「…ルコ」
ルコ「ん? どうしたの?」
俺「出かけるぞ。服を着なさい」
ルコ「いいけど、どこ行くの?」
俺「…知らん。出てから考える」
とりあえず服を着せ、とりあえず外に出る。
何の抵抗もなく、自然に俺の手は伸びていた。
そして、とりあえず、何となく手を繋いだ。
行く当てもなく、歩きなれた道を歩いていく。
吐く息は白くなり、昼だというのに寒さが染み込んできた。
傍から見ればカップルに見えるだろう。
実際は終始無言で、珍しくルコが照れているような感じがした。
ぐるっと一周町内散歩を終え、家へと戻って来た。
ルコ「お昼…何がいいかな?」
まだ緊張というか照れが残っているのだろうか。
喋り方がおかしいようにも聞こえる。
俺「…任せるよ」
俺自身、なんで散歩しに行ったのか、なんでいきなり手を繋いだのか。
さっぱり分からない。なぜか、そうしたくなった。
訳の分からない状況が連続し、未だに頭の中が整理できない。
ごちゃごちゃした頭を必死でかき回していると、昨日の晩の余りが出てきた。
ルコ「ごめんね。こんなのしかなくて」
俺「いや、いいよ。買い物も行ってないしな」
質素な昼ご飯を食べて、テレビを見て。
これじゃあ何の日だか分からないな。
面白くもないテレビを眺めていると、ルコが台所にいるのが見えた。
何をしているのだろうか…。
声をかけようとも思ったが、睡魔に襲われてしまっていた。
甘いような匂いがしないでもなかったが、睡眠不足の俺の鼻は頼りにならなかった。
テレビをつけたまま、意識が無くなった。
ルコ「おきてー。おーきーてー!」
耳元が騒がしい…。
フライパンとおたまで、工事現場の音を再現してやがる…。
つけたままのはずのテレビは消えており、反対に部屋の電気はついていた。
俺「んぁ…おはよ…」
ルコ「おはよ。どっちかっていうと、こんばんは、だね」
目の前で髪の毛が揺れ、ネクタイが揺れ、小さなサクランボが揺れ…。
俺「揺れるほどもなかったな」
ルコ「はい、これ」
差し出されたのは、白いお皿に乗ったクッキーのような物。
動物のような形のもあれば、人型のようなものもある。
俺「…なにこれ」
ルコ「クリスマスクッキー!」
俺「よく作れたな。こんなの作る材料あったっけ?」
ルコ「なんとかね。ねぇ食べて、食べて」
鹿…トナカイのクッキーを一つ掴み、口へと放り投げる。
俺「うま…」
ルコ「でしょ」
俺「…何でそんなに自信があったんだ?」
ルコ「ルコの愛情が詰まっているからです!」
俺「クリスマスプレゼントか?」
ルコ「お返し、待ってるね?」
俺「何がいいんだ?」
ルコ「ホワイトクリスマスって、素敵じゃない?」
俺「雪を降らせと?」
ルコ「あったかい雪でもいいよ?」
俺「…そういう事か」
そういえば、今までは俺がプレゼント貰ってばかりだったな。
炊事とかもルコに任せっきりだったしな…。
俺「雪だな任せろ。俺がとっておきのホワイトクリスマスにしてやるよ!」
俺の宣言通り、ルコの体には雪が降り積もった。
そして、暑いクリスマスを過ごしているとき、外でもまた、雪が降っていた。
途中でネタに詰まったので、友人Kにネタを貰いました。
それでも最後は急ぎ足でグダグダになるという。
最初の90行くらいは勢いで書けたんだけどなぁ…。
反省点
・「ホワイトクリスマスにしてやんよ!」しかネタを用意してなかった。
・執筆意欲が限界値(悪い意味で)
続編は下記URLよりどうぞ。
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