~死ぬ前に出来ること~
トルルルル ガチャ
「もし・・も・」
「よー!トシ今暇か?」
こいつはwwww
本当人の話を最後まで聞かねぇーwwww
「暇だけど・・・何用って・・・」
「いやな、一緒に飯でも食いに行かねーかなと誘っている訳ですよ」
この軽い感じで話すコイツは田中邦弘幼馴染みで腐れ縁ってヤツだ
小4の頃ユッコに、俺が寝小便していると嘘を吹き込んで俺の初恋ぶち壊した奴で喧嘩ばかりしていたんだが
何故かいつも一緒に居る友達ってのになってしまっている
虚しいがな・・・
「どこ行くんだよ」
「別にどこでも良いんだけどさwwwハハハハハハ」
また、いつもの馬鹿笑いが聞こえた・・・・
ノリが軽いと言うのか、何も考えて無いと言うか、行き当たりばったりと言うか・・・
まぁこう言う生き方すれば悩み無いんだろうなぁ~と少し感心する所もあるので友達付き合い出来ているんだろう・・・
「まぁいいや会ってから決めれば良いな」
「おう!じゃあいつものとこで待ってるわwwwwwww」
コイツに押し問答して責め立てても話は一向に進まないので、主導権を持ってから決める 俺がコイツとの付き合いで学んだ事だ・・・
チッチッチッ
チッチッチッチッ
チッチッチッチッチッチッ
チッチッチッチッチッチッチッチッ
頭の中を耳障りな音がこだまする
耳鳴りとも幻聴とも取れないコノ音が、俺の人生にどれほどの影響が出るのか知る由もなかった・・・・・
「おい!大丈夫か!おい!お~い」
「なぁマジやばいんちゃうん?」
「知らねーよ、いつものだろw」
「引くわぁ~」
「どうすんよコイツ?」
「さぁ」
「・・・・・」
「このまま寝かせとけばOKじゃね?」
「め・・・く・・ぁ~」
「せん・・・つ・・れて・・・」
聞き慣れた雑音が遠のく
幼稚園の時ジャングルジムから落ちた時、後頭部を強打してから時々こう言う風になる事がある
意識が無くなるとでも言うのと少し違い
通常の時間感覚と、自覚している時間感覚のズレが起こるのだ
周りがスローペースになる
視覚の映像、聴覚の音声、この二つが・・・・
おっと ヤバい またあの声が聞こえて来た・・・・
「後ろの正面だぁ~あれ~」
幼稚園の時にやっていたカゴメカゴメの音声が聞こえるんだ
まただ・・・俺はいつもこの曲を聞く
聞き飽きてるんだが、繰り返されるこの音が、いつも俺をあっちの世界に連れてくんだ・・・
意識が幼稚園児の時の俺と同調する
あの時の行動を繰り返し繰り返しやらされている感じだ