閑話 各国の勇者会議
戒滅炎帝国インフェルノの王都にある山奥の古城にて、山奥の古城・キャッスルリンボの会議室に様々な宝石で出来た豪華な王冠を被った四人の老人が円卓に囲んで座っていた。
紅い宝石の王冠を被った老人・インフェルノの王は三人の男を見渡して言う。
「それでは、勇者会議を始める」
インフェルノの王はそう言うと、他の老人は黙ってうなずく。
蒼い宝石の王冠を被った老人・バミューダの王は緑の宝石の王冠を被った老人・ユグドラシルの王を見ながら言う。
「そういえば、ユグドラシルの王はまだ勇者召喚する事は出来ぬのですか?」
バミューダの王は嘲るように言うと、ユグドラシルの王以外嘲笑しだす。
ユグドラシルの王は苦々しく思いながら、嘲るバミューダの王に向けて言う。
「それについては何度も言っているが、宮廷魔術師によれば召喚は成功されており、召喚された座標がかなり離れておる。今は冒険者ギルドに刻印がある者がいたら連絡するように言ってある」
「おっと、そうであったな」
ユグドラシルの王の言葉を聞いたバミューダの王はそう言うが、どこかわざとらしさを感じる言い方であった。
黄色い宝石の王冠を被った老人・アガルタの王はバミューダの王に同調するように言う。
「確かにバミューダの王の言う通り、木聖の勇者がいないと魔界に攻めることはできませぬぞ?」
「グゥ……!」
アガルタの王の言葉にユグドラシルの王は苦虫を食い潰したような表情になって考える。
(クッ、確かにアガルタの王の言う通りだ。最後の一人である風月の勇者がいなければ魔王を倒すことが出来ない)
ユグドラシルの王は苦々しく考え、今の状況をどうするか考えていると三人の青年が入ってきた。
一人目の青年は茶色のショート、つり上げられた黒の瞳、体格は中肉中背くらいの容姿で、首元には紅く燃え滾る炎の刻印が刻まれていた。
二人目の青年はブロンドの短髪、鋭いこげ茶の瞳、体格は鍛えられた筋肉がある容姿で、右頬に鉱石が突き出た水晶の刻印が刻まれていた。
三人目の青年は黒のショート、細い黒の瞳、体格は軽く押されても倒れそうなほど細い容姿で、右目の下には流れる水流の刻印が刻まれていた。
一人目の青年・天霧虎太郎はユグドラシルの王を見下しながら言う。
「ユグドラシルの王様よ、いつになったら最後の勇者が来るんだよ? そろそろどうにかしないと魔王軍が攻めに来るんじゃねぇの?」
「あぁ、あいつらはとんでもない数で攻め入ったりすることがあるんだよ」
「うん、他の二人の言う通りだね」
天霧の言葉に二人目の青年・荒木郷太と三人目の青年・御影壮一は同意するように言う。
その言葉にユグドラシルの王は申し訳なさそうにしながら言う。
「確かに君たちに苛立たせてすまない、しかしあと数ヶ月くらい待ってほしい。そうすれば準備を整えてすぐに侵略しに向かう」
ユグドラシルの王の言葉に天霧は呆れながら言う。
「本当か? あんたはもう爺さんだし、そろそろ若い奴に任せた方がいいんじゃねぇの?」
「オイオイ、それだと失礼じゃねぇか」
天霧の言葉に荒木は嘲りながら言う。
ユグドラシルの王は天霧と荒木の言葉を聞いて、失礼すぎることに呆れだす。
(この二人は本当に勇者だと思いたいが、失言してしまえば戦争に持ち込まれる恐れがある。このまま黙っておこう)
ユグドラシルの王はそう思っていると、インフェルノの宮廷魔術師が会議室に入ってきて言う。
「アグニ様、魔王軍の八魔将の一人、獄炎魔将スルトが魔界から大群の魔物を連れてきております」
「何、それは本当なのか?」
インフェルノの宮廷魔術師の言葉に、インフェルノの王はそれを聞いて静かに驚く。
突然の八魔将の一人が進軍してきた事にアガルタの王とバミューダの王も驚き、それを聞いた天霧は笑みを浮かべながら言う。
「おっ、噂をすればなんとやらって奴だな」
「あぁ、最後の勇者が来るまでの暇つぶしにしておくか」
「そうだねぇ」
天霧だけじゃなく荒木と御影もそう言いながら笑みを浮かべる。
だがどこかしらこの状況を楽しんでいた。
三国の勇者たちは笑みを浮かべながら、天霧は獄炎魔将スルトがいる場所を宮廷魔術師に聞く。
「で、その獄炎魔将がいるのはどこの国なんだ? もちろんインフェルノだろ?」
「何言ってんだよ? そんなのアガルタに決まっているだろ?」
「そんなわけないでしょ? 獄炎は火属性だし、インフェルノの方が高いよ」
天霧の言葉に荒木は反論し、御影は天霧の言葉に同調するように言う。
しかし宮廷魔術師は申し訳なさそうにしながら言う。
「そ、それが……獄炎魔将が現れた座標は精霊樹国家ユグドラシルにあるバオバブ神殿の奥に潜んでおります」
しかし宮廷魔術師の報告を聞いた天霧は頭を掻きながら言う。
「んだよ、それ! 勇者がいねぇ国に現れるなよ!」
天霧はそう言いながらめんどくさそうにぼやき、荒木と御影はその報告を聞いて熱が冷めたかのように呆れる。
それを聞いたユグドラシルの王は額にある汗をぬぐって言う。
「インフェルノの宮廷魔術師の言う通りなら、獄炎魔将が侵略してきたのと同時に勇者が出現する! もし出現しなかったら私の首を差し出そう!」
その言葉にアガルタとバミューダ側の連中は声を失い、天霧は「何言ってんだコイツ?」って思いながら呆れていた。
しかしインフェルノの王は笑みを浮かべながら言う。
「ほぅ、本当に出現しなかったら貴様の首を差し出すんだろうな?」
「えぇ、もちろんです」
インフェルノの王の質問にユグドラシルの王は毅然と答え、インフェルノの王は面白そうにしながら会議室から立ち去る。
アガルタとバミューダ側の連中や天霧も会議室から立ち去る。
唯一残ったユグドラシルの王はため息をついてつぶやく。
「ふぅ、これは前途多難だ……」
ユグドラシルの王はそう呟いてから、会議室から立ち去る。
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