第7話 今の強さの確認
最初にいた場所から近い国・精霊樹国家ユグドラシルに向かってから数日経った。
俺は昨日火をつけた焚き火の燃えカスを土で埋め、火が通ったツノが生えたウサギ・ホーンラビットの肉をかじりながら地図を見る。
ふむ、ユグドラシルに着くまであと一週間ぐらいになりそうだ。
俺はそう思いながらホーンラビットの肉を食べ終え、地図を麻袋に収めて目的地に向かって歩く。
それにしてもこの世界の地図はすごいな。
なんせ魔力を送れば自分の位置が光り出すし、自分はどこにいるか分からずに済むからな。
そう思いながら歩ていると、草むらから数匹の何かが出てきた。
姿は血のように赤いキャップを被った緑の肌をした小鬼で、そいつらには血でさびれたナイフを持っていた。
見た感じ殺戮に植えた妖精・レッドキャップに見えるが、ブレイドクロニクルにはレッドキャップと言う個体は無く、強化個体として扱われている。
目の前にいる小鬼を読み解くなら、ゴブリン・レッドキャップと呼べばいいんだろう。
すると脳裏に音声が鳴って視界にウィンドウが浮かび上がる。
〈能力解放:魔物名解析・言語理解〉
すると赤いキャップを被った小鬼が錆びたナイフを握り、俺に向かって襲い掛かる。
マズイ、とにかく今は攻撃を避けないと!
俺はそう思いながら小鬼が持つナイフを回避し、倶利伽羅を抜刀して構える。
すると視界に赤いキャップを被った小鬼の頭上に、ゴブリン・レッドキャップと表示されていた。
おぉ、俺の予想通り名前はゴブリン・レッドキャップだったな。
俺はそう思いながら倶利伽羅を構えると、ゴブリン・レッドキャップはさびたナイフを構えて襲い掛かる。
俺はAスキル【ソニックスラッシュ】を発動して切りかかる。
片方のゴブリン・レッドキャップは【ソニックスラッシュ】をもろに受けて一刀両断され、もう片方のゴブリン・レッドキャップが持つ錆びたナイフの刃が砕け散る。
砕け散った刃が辺りに飛び散り、地面に転がっていく。
ゴブリン・レッドキャップは砕け散ったナイフを見て眉をひそめ、俺は強く握ってをゴブリン・レッドキャップの首を向けて刃を振り下ろす。
ゴブリン・レッドキャップは背中を見せて逃げようとするが、俺が振るった刃から避けれずに切り捨てられた。
切り捨てられたゴブリン・レッドキャップは背中から大量の血を吹き出し、力なく地面に倒れる。
俺は俱利伽羅に着いた血糊を払い落として鞘に納める。
「ふぅ、少し共謀だったけど何とかなったな」
そう言いながら麻袋にある解体ナイフを取り出し、一通り解体して近くにあった川で血を洗う落とす。
角や皮、骨などの素材を洗い落とせば腐ることはないからな。
マァ、血肉や内蔵は腐ってしまうから食べるか焚き火の元にすればもったいなさはない。
そう思いながら洗い終えた素材を麻袋に収め、アイコンをタップしてステータスを確認する。
●名前/年齢 草薙竜馬/17
●Lv10
●職業 探究者
●HP/MP/SP 300/150/160
●武器装備 降魔剣倶利伽羅
●防具装備 黒のロングコート・麻のシャツ・黒のロングズボン・黒革のロングブーツ
●チート能力 遊戯化身継承・能力樹
●獲得スキル 【ソニックスラッシュ】・【スタミナ強化小】・【スタミナ回復小】・【俊敏強化小】・【剣術向上小】・【攻撃力強化小】・【初級片手剣使い】・【武器性能上昇】・【飛竜斬】・【解体技術小】・【魔物名解析】・【言語理解】
俺は今のステータスを確認して感慨深くなる。
転移してから数日経ったが、まさかこれほど強くなるなんてな。
職業の探究者はブレイドクロニクルだと自由に職業を変えることが出来るが、この世界だとあまり把握してない。
う~ん、【魔物名解析】はさっきので理解したが、【言語理解】ということは何だろうか? もしかして書かれてある言葉が理解できるようになるのか?
新しく獲得した【言語理解】について悩み、どう扱うのか考えていると奥からガタゴトと馬車が鳴る音が聞こえだす。
うん、何だ? 奥から馬車が鳴る音が聞こえるような……?
俺はそう思いながら音がする方に向くと、馬車を走らせた小太りな男がいた。
すると小太りな男は何かに気づいて、俺のところまで行くと馬車を止めて声をかける。
「あの、もしやあなたは冒険者でしょうか?」
「エッ?」
俺は小太りな男の言葉を聞いて、首を傾げてつぶやく。
冒険者って俺の事を言っているのか?
マァ、今の職業である探究者は冒険者に似ているが、この世界に転移したばかりだから冒険者と言う職はついていない。
俺はそう思いながら、頬を掻いて言う。
「えっと、俺は冒険者になろうとユグドラシルに向かっていますが、もしかしてあんたもユグドラシルに向かっていますか?」
「ハイ、ちょうど冒険者試験で必要なアイテムを運んでいたので」
「へぇ~」
俺は小太りな男もとい商人の言葉を聞いて、脳裏に一つの考えが思い上がる。
商人が動かしている馬車に乗せてもらえば、一週間が数日へと短くなるかもしれない。
そう思いながら商人にお願いする。
「あの、できれば乗せてくれないでしょうか? 俺もユグドラシルに向かいたいので」
「ふむ、良いですよ。他者にやさしくすれば良いことが起こりますからね」
俺のお願いに商人は快く答え、俺は荷台の部分に乗る。
商人は俺が荷台に乗ったのを見て、ユグドラシルに向かって馬車を動かす。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
感想、誤字脱字、ご意見なんでも大歓迎です!




