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異世界ハーレム浪漫~起きたら異世界にいたけど、ゲームのステータスを引き継いだから、人助けハーレムを行います~  作者: 佐々牙嵯峨兎
1章 獄炎魔将撃退の変

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第23話 ジェヴォーダン・ベート

 俺は目の前にいる巨狼を見て慄く。

 何だ、あれ! ブレイドクロニクルだとダークウルフの上位種はマルコシアスだったが、この世界だと別の奴がダークウルフの上位種なのか!?

 俺はそう思いながら俱利伽羅クリカラを構えて立ち上がる。

 マリアも目の前にいる巨狼を見て顔を青ざめる。

 多分予想していたよりかなり大きい狼を見て驚いたんだろう。

 そう思いながら倶利伽羅を構えていると、魔刻結晶エンチャント・クリスタルからテンゲンの声がなり出す。


『いろいろと済まないが、どうやらダークウルフの上位種であるマルコシアスが変異し、ジェヴォーダン・ベートになってしまった』


 テンゲンの言葉に周りにいる参加者は驚きだす。


「ナッ!? ジェヴォーダン・ベートってマルコシアス十体分の強さを持っているぞ!」

「何だって!?」

「しかもただでさえマルコシアスは騎士級ランク・ナイトなのに、ジェヴォーダン・ベートはその上の司祭級ランク・ビショップらしいぞ!」


 参加者の言葉に俺は背筋に悪寒が走り出す。

 参加者達がこれほど言うなんて、とても強いんだろう。

 それに騎士級ランク・ナイトだの司祭級ランク・ビショップなんだの言っているが、もしかして冒険者のランクと同じなのか?

 そう思っていると謎の巨狼もといジェヴォーダン・ベートは、口元に瘴気らしきものを纏わせ、辺りに響くほどの雄叫びを上げる。

 その雄叫びは地面や空気を震わせ、ジェヴォーダン・ベート付近は砂埃が発生していた。

 俺は俱利伽羅クリカラを持ったまま両耳を両手で塞ぐ。

 クッ……! 両耳をふさいでもかなりすごい音量だから、吐き気を催してしまいそうだ。

 俺はジェヴォーダン・ベートの雄叫びに吐き気を催して、眉をひそめながら青ざめる。

 するとジェヴォーダン・ベートは雄叫びをやめ、闇を全身に纏って突進してくる。

 俺はジェヴォーダン・ベートの突進の道筋が俺達だと気づき、足に力を込めて叫ぶ。


「防御か回避を取れ! じゃないと吹き飛ばされるぞ!」


 俺はそう叫び、吹き飛ばされる前に横ステップで回避する。

 ジェヴォーダン・ベートの突進をギリギリ回避したが、突進の道筋にいたマリアはハルバードを使ってガードする。

 するとジェヴォーダン・ベートの突進をもろに受け、木の葉のように吹き飛ばされる。


「キャァ!?」

「マリア!」


 マリアが容易く吹き飛ばされた所を見て、俺は悲痛に叫ぶ。

 それと同時に前の世界の時に見たウェブ情報を思い出す。

 ジェヴォーダン・ベート……それだけでこの世界のオリジナルの魔物だったと思っていた。

 もしかしたら18世紀フランスのジェヴォーダン地方(現ロゼール県)に現れたとされる人食いの怪物・ジェヴォーダンの獣だろう。

 当時の人々は獣の事をベートと呼んでおり、現代からは獣のUMAとして扱われている。

 ジェヴォーダンの獣の特徴は子牛程度の体格をしており、歩くときは鈍重だが猫のように柔軟で、馬のように力強く早いとされている。

 だけどジェヴォーダン・ベートは牡牛数体分の巨体を誇り、身軽な猫のように軽やかに動き、力強い馬のように走り出す。

 多少違う部分があるが、爪を振り下ろした時に見えた背中に黒く長い縞模様がちらりと見えたため、ジェヴォーダンの獣で合っているだろう。

 そう思っていると参加者は武器や盾を使って防御を、突進で吹き飛ばされない様に回避を行う。

 武器や盾を使って防御した者は木の葉のように吹き飛ばされ、回避した者はジェヴォーダン・ベートが突進した後に発生した風圧によって数歩下がる。

 人が数歩下がるなんて、嵐や竜巻などの自然風・突発的な強風の二つしか起きないが、それほどの風圧何だろう。

 ッテ、今考えているよりも吹き飛ばされたマリアの様子を見ないと!

 防御した者は吹き飛ばされた際にうまく受け身を取っていたが、マリアはトラックに轢かれた野良猫のように吹き飛ばされていた。

 軽くても打撲程度で、悪ければ下半身麻痺になってしまう恐れがあるからだ。

 俺はそう思いながら慌ててマリアに駆け寄る。

 マリアに近づいてみると所々かすり傷があり、背中には打撲痕がちらりと見え、意識は全くなさそうに見えていた。

 マズイ、もしかしたら下半身麻痺よりマズイ事になっているかもしれない!

 そう思うと全身に悪寒が迸り、マリアに近づいて一旦倶利伽羅クリカラを地面に置く。

 ジェヴォーダン・ベートは別の参加者が引き付けているから、今は武器を持たなくてもいいだろう。

 俺はそう思いながらマリアの背中を支え、意識を取り戻すように声をかける。


「マリア、大丈夫か! 意識があるなら返事をしてくれ!」


 俺は声を大きめにしながらマリアに強めに呼びかけるが、うんともすんとも動かない。

 脳裏に最悪の事態が思い浮かべ、背筋に冷たい物が突き刺さるような恐怖を感じ出す。

 頼む、目を覚ましてくれ! 仲良くしてくれた人が目の前で死ぬのはごめんだ!

 俺はそう思ながら再び呼びかけようとすると、マリアがうっすらと目を開けながら言う。


「ウゥ、リョーマさん……」

「良かった、目を覚ましたんだ!」


 俺はマリアが意識を取りもしたことに喜び、懐から回復ポーションを一つ取り出す。

 何かに備えて買っていたが、まさに今にとって使いどころが状況だろう。

 そう思いながら回復ポーションの蓋を開け、マリアの口元に付けてゆっくりと飲ませる。

 熱中症が起きた時もゆっくりと水分補給させるが、疲労した相手に回復ポーションを飲ませるのもこうした方がいいんだろう。

 マァ、そんなの現実には起きないが、異世界で行うことになるとは思いもしなかった。

 そう思いながらマリアに回復ポーションをゆっくりと飲み干させる。

 するとマリアの全身が淡い緑に光り出し、かすり傷や打撲痕が消えていく。

 良かった……これで一安心だな。

 マリアの容体が安定したことに心からホッとし、安心しているとマリアは首を傾げながら言う。


「一つ聞きたいのですが、なぜ泣いているのですか?」

「……エッ?」


 俺はマリアの質問に呆気にとられる。

 えっと、なぜ泣いているって……どういう事だろうか?

 困惑しながら頬に触れると湿り気を感じ、さっき死なせたくないと強く思ったときに涙を流したんだろう。

 そう思うと頬が赤くなり、少し照れながら言う。


「アハハ、大事な人を死なせたくないと強く思ったからかな?」

「フェ!?」


 俺の言葉にマリアは瞬時に顔を赤くして驚く。

ここまで読んでくださってありがとうございます!

感想、誤字脱字、ご意見なんでも大歓迎です!


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