第18話 殺意
迷彩結界を切りつけると、切りつけられた箇所からひび割れだす。
これは結界が崩壊する様子で、ひび割れが全面に広がると一気に砕け散っていく。
そう思っているとひび割れが全面に広がっていき、ガラスのように砕け散った。
結界が砕け散ると地面に置いて消滅するが、目の前に移る景色に言葉を失っていた。
「ナッ……!?」
それもそうだ、何せ三人組の参加者がマリアを痛めつけていたからだ。
マリアは所々切り傷があり、肩を動かして息するほど疲労していた。
三人の先頭にいた片手剣の男は迷彩結界が破られた事に気づいて叫ぶ。
「おい、結界が破られたぞ!」
「ナッ!? 視認することが出来なくさせる結界が破られただと!」
「今は結界を破った男を殺すぞ! もしかしたらルシエド教に背く者かもしれん!」
片手剣の男に続くように槍を持った男と杖を持った男は俺をにらみながら言う。
俺は三人が言う言葉について分からず首を傾げる。
ハイ? ルシエド教に背くって……俺はそんな宗教知らないぞ?
この世界は四原神教だけじゃないのか? 二つの宗教がぶつかり合っているのだろうか?
そう思っているとマリアは疲労を見せながら叫ぶ。
「気を付けてください! この人たちは無の氏族以外の種族を殺そうとしております!」
「エッ!?」
俺はそれを聞いて驚く。
無の氏族以外の種族を殺そうとしているって……嘘だろ!?
まさかと思っていたがマジで異種族の参加者を襲っていたなんて、脳内デスゲームもののオープニングが流れてきた。
って、今は目の前にいる連中に集中しないと!
ハッと我に返って倶利伽羅を構えると、槍を持った男は構えを取って叫ぶ。
「食らえ、【乱れ突き】!」
そう叫ぶと連続の突きを俺に向けて放つ。
俺は倶利伽羅を強く握り、襲い掛かる連続の突きを何とかはじく。
クッ……! 盾なら容易く受けていたが、片手剣だけだと受けるのに中々難しいぞ!
俺はそう思いながら突きをはじくが、奥にいる杖を持つ男は杖を構えて詠唱する。
『火よ。弾丸となり敵を撃ち抜け! 火炎弾!』
詠唱し終えると杖の先から火炎で出来た弾丸が生み出され、杖を俺に向けて弾丸を放つ。
槍を持った男は体を捻って回避し、俺も襲い掛かる火炎の弾丸に体を捻って回避する。
だが無理して捻ったらバランスを崩してしまい、後ろに倒れてしまう。
背中に強い衝撃とごつごつとした地面にぶつかってしまうが、幸い火炎弾を受けずに済んだことだろうか?
そう思っていると槍を持った男は俺に向けて再び突き刺そうとして叫ぶ。
「くたばれ!」
「ウワッ!?」
槍を持った男は俺の頭に向けて突き刺すが、住んでのところで横に転がって回避する。
あっぶねー! 横に転がっていなかったらたこ焼きを取るときの絵面になってた!
俺は危うく最悪な死にざまにならずに済んでホッとするが、剣を持った男が構えながら叫ぶ。
「これで終わりだ! 【雷鳴斬】!」
剣を持った男はそう叫ぶと持っている剣の刃に雷が纏いだし、勢いよく振り下ろすと雷鳴轟く斬撃が襲ってくる!
マズイ……このまま直撃したら黒焦げになっちまう!
俺は頭の回転をフルスロットルにして詠唱する。
『土よ。襲い掛かる雷撃をふせぐ大地の壁を生みだせ! 大地の壁!』
詠唱し終えると地面から縦二メートル横一メートルの壁が生み出され、ギリギリで雷の斬撃を受け止める。
雷の斬撃を受けても少し削れた程度のダメージを受けたが、多少時間を稼ぐことは出来そうだ。
そう思いながら立ち上がっていくと、壁の向こう側から話し声が聞こえだす。
「クソ! あいつ、剣のスキルだけじゃなく魔法のスキルを持っているのか!?」
「だけどもし複数のスキルを持っていたらしばらく動けなくなるはずだ! 俺とお前は土壁に接近、お前は詠唱の構えをとれ」
「あぁ、分かった」
三人は話し終えると地面を歩む音が鳴り出す。
ふむ、複数のスキルを持つと動けなく事があるんだな。
だったらこっちは……。
俺は少し笑みを浮かべながら行動する。
***
剣を持った男と槍を持った男はゆっくりと近づき、杖を持った男はさっきの激戦で動けずにいるマリアにナイフを向けながら土壁に杖を向ける。
剣を持った男は不敵な笑みを浮かべながら考える。
(フッ! 善の氏族の女と同じ雰囲気を持っていたが、所詮邪教信者はココまでなんだよ。このまま土壁を壊し、一気に命脈を絶ってやるよ!)
剣を持った男はそう思いながら土壁にある程度近づき、槍を持った男に合図を向ける。
槍を持った男は剣を持った男の合図に気づき、槍系の攻撃スキル【点牙】の構えをとる。
剣を持った男は醜悪な笑みを浮かべながら叫ぶ。
「これでしまいだ! 【旋風斬】!」
剣を持った男はそう叫びながら左斜めに振り下ろす。
剣に纏った旋風が土壁を粗く削り、ゴロゴロと崩れていく。
その様子を見た剣を持った男と杖を持った男は笑みを浮かべながら「勝った!」と確信する。
槍を持った男は目に映ったものを見て叫ぶ。
「いや、違う! 上を見ろ!」
「ハァ?」
槍を持った男の焦った声と言葉に、剣を持った男は面倒くさそうにしながら上を見上げる。
すると目を見開いて叫ぶ。
「ハァ!?」
剣を持った男はそう叫ぶと驚きで硬直してしまう。
何せ竜馬が剣を持った男の上にいたからだ。
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