第14話 ギルドバッジ
上から鐘が鳴り響く音が聞こえ、俺はその音で起きてまぶたをこする。
う~ん、上から鐘が鳴り響いているのが聞こえるが、もしかして近くに大きめの鐘が置かれてあるのか?
俺はそう思いながらベッドから降り、近くの机に置かれてある装備を着てから上に上がる。
地下から上がると、ギルド内は様々な武器を持った志願者がいた。
おぉ、試練っていうのは厳しく試すから人数は多くいるが、自ら見ると高校受験か就活に見えそうだ。
周りの景色をそう感じながら机に座り、朝食としてパンとエアバードのスクランブルエッグを注文する。
注文の物は少しかかりそうだから、ステータスを開けてじっくりと確認する。
ゲームだとヘルプだとかあるんだが、性能ばかり見ていたからあまり確認してないな。
もしヘルプがあれば一番見たいし、ラノベでよく見る勇者について書かれているか正直気になる。
そう思いながらヘルプの確認をするが、まったくと言っていいほど見当たらない。
これは独自に調査しないといけないのか? 面倒だがヘルプが見つからないから仕方ないか。
面倒だと思いながらステータスを閉じると、ちょうど注文した料理が来た。
オッ、タイミング良いな。
そう思いながら机に置かれた料理を食べ始める。
パンはこんがりかつフワフワで、エアバードのスクランブルエッグは濃厚でパンに乗せても中々よかった。
堪能しながら注文した料理を食べ終え、机に料金を置いて立ち上がる。
そう言えばここは冒険者試練の志願者だけじゃなく、普通に飲みに来ている冒険者もいるから、どうやって判断しているんだ?
そう思いながら辺りを見渡していると、志願者らしき人は冒険者受付に粗鉄で出来たバッジを受け取っていた。
もしかしてそれが志願者と冒険者を分けるアイテムなのか?
あまりわからないがとりあえず受け取っておくか……。
そう思って冒険者受付に着くと、サクヤさんが俺を見て言う。
「どうも、昨日は少しにぎやかでしたね」
「アハハ、昨日は騒がしくしてすみません……」
サクヤさんの痛い視線に、俺は申し訳なさそうにしながら謝る。
マァ、昨日は相手が襲い掛かってきたんだが、相手の手の甲を骨折してしまったから、事故処理があって面倒だろう。
昨日やらかした件に申し訳なさそうにしていると、粗鉄で出来たバッジを渡して言う。
「このギルドバッジはランクによっては素材が上がる魔法が刻まれて、粗鉄・鉄・銅・銀・金・白銀・黒鉄の順に上がります」
「なるほど……」
俺はサクヤさんの説明に頷きつつ受け取る。
かの有名な怪物ハンティングアクションゲームやブレイドクロニクルだとギルドカードだが、この世界だとバッジになっているんだな。
そう思いながら冒険者受付から離れ、黒のロングコートの襟にギルドバッジをつける。
う~ん、これだと学ランに校章をつけているみたいだな。
そう思っているとウロチョロと動くマリアを見つけた。
アッ、昨日ぶりというのかわからないが、もしかして緊張しているのか?
それに彼女にはバッジらしき物は一切見当たらない。
もしかして俺と同じどうやってやるのか分からないのか?
ココは手助けしておくか……。
そう思いながらマリアに声をかける。
「えっと、昨日ぶりだな?」
「アッ、リョーマさん!」
俺の呼びかけにマリアは明るくなり、俺の名前を呼びながら近づいてくる。
ちなみにどうして俺の名前を知っているのかと言うと、実は魔刻巻物を手に入れて別れた時に名前だけ教えた。
この世界に名字があるかないのか分からないが、後々調べてから話そうと思う。
そう思っているとマリアは俺にある程度近づくと、少し周りを見ながら言う。
「実はここにいる人たちは襟にバッジをつけておりますが、どこで受け取れるのでしょうか?」
「アァ……」
俺はマリアの言葉を聞いてつぶやく。
やっぱりかー。初めてブレイドクロニクルをプレイした時に俺もどうやって依頼を受けたり、素材を入手したりする方法が分からず慌てふためいたりしていたからな。
ブレイドクロニクルを初めてプレイした記憶が思いよぎるが、今は質問に答えないと。
軽く我に返って冒険者受付を指さして言う。
「それなら指さしている方に配っているから、受け取りに行った方がいいぞ」
「教えてくれてありがとうございます!」
俺の言葉にマリアは感謝しながら冒険者受付に向かう。
俺はマリアの背中を見届けながら考える。
やっぱりマリアは俺の知っている女性より良い人だ。
もちろんを母親を除いての話だ。
元居た世界の女性は俺の事を気持ち悪がったり、嘲笑ったりしてきたし、揚げ句の果て先輩と共にいじめてきたしな。
って、これ以上は思い出すのやめよう。心が虚しくなるのと心の底から泣きたくなりそうだ。
俺は元居た世界を思い出しながら目じりから水滴がスゥッと流れるが、気のせいだと思いながら水滴を拭きとる。
するとマリアが満面の笑みを浮かべながら来た。
オッ、どうやら無事手に入れたんだな。だけど何で襟に着けたりしていないのだろうか?
そう思ってジロジロと見ていると、彼女がつけている白い絹の手袋に粗鉄のバッジがついていた。
へぇ~、バッジは襟とかつけるんだけど手袋に付けるなんて珍しいな。
そう思いながら見ていると、マリアは首を傾げながら手袋を見て言う。
「えっと、どこか変なところがあるのでしょうか?」
「アッ! 実は手袋にバッジをつけるなんて珍しいな~って……」
俺はマリアの呼びかけにハッと我に返り、苦笑いをしながら言う。
それを聞いたマリアは物珍しそうにしながら言う。
「そうでしょうか? お父さんやお母さんも手袋に十字架のバッジを付けていたのですが?」
「へぇ~」
俺はマリアの言葉を聞いて頷く。
へぇ~マリアの両親も手袋にバッジを付けていたんだな。
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