第10話 試験の準備
探索してみるとココは様々な物が売られているが、特に多いのはポーション系などのアイテムだ。
やっぱり自然満載な国だから、治療薬などを作ったりしているのだろう。
そう思いながら冒険者ギルドの近くにある商店街を散策する。
一応、装備しているのは降魔剣倶利伽羅・黒のロングコート・麻のシャツ・黒のロングズボン・黒革のロングブーツの五つだけだ。
武器以外の性能が一桁な物で試験を受けようとするのなら、下手すれば死ぬ恐れがある。
この装備をは降魔剣倶利伽羅を手に入れるため、超激レア素材を入手できるダンジョンに入る条件として最低性能の装備で採取しまくった。
前の世界で苦労して手に入れた倶利伽羅の思い出に浸りたいが、明日で死ぬのは冗談ではない。
こうなったら服の中に手甲を収めておくか? 某拷問ソムリエも手足に防具を装着しているからな。
装備することに対して考えて歩くと、一つの店が視界に移る。
それは木製でぶら下がっているタイプの看板で、その看板には武器屋と書かれていた。
オッ、ちょうど武器屋に行こうとしていたから、サクッと見てみるか。
そう思いながら武器屋の中に入る。
中に入ると剣や盾などが壁に飾られており、中を見渡せば鎧や鉄鋼などの防具もおかれてあった。
おぉ、武器屋って武器だけ売っているイメージがあるが、意外にも防具を売っているな。
それに出来れば防御性が中々高く、なおかつ軽量であってほしい。
そう思いながら武器屋に置かれてある防具を物色するが、甲冑や兜を追加するようになっている。
う~ん、機動性と防御性の両方を取りたいが、手甲や具足だけ装備するのは聞いてなさそうだな。
仕方ない、ココは鉄製の胸当てだけにするか……。
俺は安く済まそうとするのを渋々やめ、胸当てだけにしようと商品を持っていく。
えっと、武器屋の店主は……。
何処にいるのか辺りを見渡していると、店の奥から鉄をたたく音が響きだす。
「なんだ? どこから鉄をたたく音が……」
俺はそう呟きながら音がする方向を向ける。
すると店の奥には金づちを持った老人が熱せられた剣を丹精に叩いていた。
店の奥にいたのは分かったが黙々と作業しているし、なんか声を呼びかけたら作業の邪魔したように感じそうだ。
ココは声をかけるべきか、それとも作業が終わるまで待っておくか……。
どうしようかと考えると、後ろから声を掛けられる。
「あの、少しよろしいでしょうか?」
「うん?」
俺は後ろから声を掛けられたことに気づき、声の主は誰かと思いながら振り向く。
後ろにいたのは毛先が腰まで届きそうな美女がいた。
容姿は白銀のロング、丸いエメラルドの瞳、体格は中肉中背に見える。
腰には純白の翼で後頭部に光輪があり、あらわになっている胸の中心には六つの羽と光輪で出来た刻印がある。
それにサクヤさんに劣らないほどの立派で、服装は肌が多くあらわになっているから、子供に対する刺激が強すぎる気がある。
ちょっと露出が多い気がするが、両腕の小手や背中に背負っている武器を見て一般人じゃないのだろう。
少し見とれてそうになるが、心中ピシッと決めて言う。
「えっと、何か用ですか?」
「ハイ、魔刻巻物が売ってある場所に行きたくて……」
俺は心中ピシッと決めながら聞くと、白髪の美女は申し訳なさそうにしながら言う。
もしかして俺と同じ初めて来た人だろうか? なぜなら片手に地図を持っていたからだ。
ちなみに魔刻巻物は魔法系職業の者以外が魔法を使うためのアイテムで、ゲームだと商人やマジックショップに売られてある。
この世界で魔刻巻物があったことを知ったが、売っている場所が違う可能性がある。
ココは探すのを手伝おうか……。
そう思いながら言う。
「あまり魔刻巻物について知らなくて、よかったら一緒に探しましょうか?」
「本当ですか! 一人で探すのは少し心細かったので少し助かりました!」
俺の言葉に白髪の美女は明るく笑いながら言う。
その愛らしい姿に俺は胸がドキリとなり、天使かと感じてしまう。
元居た世界では母さん以外の女子の接点はなく、あっても嘲笑の格好にされたり、いじめの対象にされたりなどだ。
母さん以外のまともな女子に出会ったことに、なぜか目の前が滲んて来た。
あれ、なぜか目の前が滲んできたけど、水でもかかってしまったのか?
そう感じていると、白髪の美女は慌てて声をかけてくる。
「あ、あの!? いきなり泣いてどうかしましたか?」
「エッ?」
白髪の美女の言葉を聞いて、俺は驚きながら目尻に触れて確認する。
すると本当に涙を流して泣いていた。
マジかよ……心は慣れているが、体は思い出しただけでも悲しむんだな。
って、いきなり泣いたことで引かれてないよな? もし引かれたらもう立ち上がれなくなるぞ……!
俺はそう思いながら恐る恐る白髪の美女に質問する。
「えっと、いきなり泣いてきて……引いてますよね?」
そう言うと白髪の美女は慌てて叫ぶ。
「いいえ! いきなり泣いてきたことに驚きましたが、引いたりはしません!」
俺はそれを聞いてホッとする。
良かったー! もしも引かれたら某ボクシング漫画に出てくる主人公のように白くなりそうだ。
俺はホッとしつつ流れている涙を拭き取り、手に持っている胸当てを元に戻す。
そして白髪の美女と共に魔刻巻物が売ってあるとされる店を探しに向かう。
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