第9話 冒険者ギルド
俺はそう叫びながら冒険者ギルドの中に入る。
するとにぎやかな雰囲気からシュンと静かになり、中にいた冒険者は一斉に俺に向けて見る。
アァ……同情やぶりで入るのは変だったよな?
一斉に向けられる視線で恥ずかしくなるが、勇気を振り絞って受付を向かって歩む。
えっと、確かゲームだと出入り口から真っ直ぐにあったはず……。
辺りを見渡すと冒険者ギルド内部に関する地図が掛けられてあった。
俺は地図にかけられてるところに近づいて確認する。
えっと、地図に書かれているのは……。
●1F……冒険者受付・会計受付・依頼者用受付・食堂兼酒場・売店
●2F……研究施設・保管庫・応接室
●3F……職員の控室・ギルドマスター室
●B1……作業場・資料室・解体所
●B2……簡易宿泊所
俺は書かれてある地図を見て思う。
ふむふむ……受付に三種類に分けられているうえに、簡易宿泊所や作業場に資料室は地下にあるんだな。
そう思いながら地図を見終え、冒険者受付に向かっていく。
地図に書かれた所に向かうと、そこには眼鏡をかけた受付嬢がいた。
容姿は黒髪ぱっつんのショート、エメラルドのような翠色の丸目、体格は中肉中背に見える。
だが肌は褐色、耳が鋭くとんがっており、ゲーム知識だとダークエルフと呼ばれる種族に酷似していた。
ゲームで何度も見たことあるが、やっぱり実物だと現実感があるな。
それに服の上でも分かるくらい大きい。
エルフはスレンダーで、逆にダークエルフはグラマーだと聞いたがココまでとは……。
俺は目の前にいるダークエルフの受付嬢を見ていると、当の本人は俺をじっと見て言う。
「あの? 何か御用ですか?」
俺はそれを聞いてハッと我に返る。
しまった! 巨大な双丘をゲームや漫画以外見た事なきから、つい眺めてしまった。
俺は気まずい空気を換えようと、一呼吸を挟んで言う。
「コホン、初めてだったのでダンマリしてしまいましたが、冒険者試験を受けようと思いまして」
そう言うとダークエルフの受付嬢は机の下から資料を取り出して言う。
「なるほど、冒険者試験の志願者ですね。行う日が明日だったので運がいいんですね」
「へぇ~」
ダークエルフの受付嬢の言葉を聞いて、商人の馬車に乗ってよかったと感じる。
このまま歩けば間に合わなかったのだろう。
そう思っていると、ダークエルフの受付嬢は一枚の書類を渡して言う。
「どうぞ、この書類に一通りの情報を書いてください」
「分かりました」
俺はダークエルフの受付嬢から渡される書類をもらい、受付の近くにある机に座って書類を見る。
書類を見ると英語もどきな文字が書かれており、俺は額に汗をにじませて固まる。
えっと、コレどうやって読むんだ? 元居た世界は引きこもっていたから授業をあまり受けてない。
ヤバいな、このままだと冒険者試験を受けれないどころか、うまく生活できなくなるぞ!
どうやって読めるか考えていると、視界に〈言語理解オン/オフ〉と表示される。
アッ、これってゴブリン・レッドキャップを倒した後に確認したスキルだ。
俺は使いどころが分からなかったスキルを思い出し、視界に表示している言語理解をオンにする。
すると書類に書かれてある文字が日本語に変換された。
おぉ、やっぱり【言語理解】は書かれてある言葉を翻訳させるスキルだったんだな。
そう思いながら日本語に変換された書類を確認する。
えっと、この書類に書くのは……名前・性別・年齢・氏族の四つだな。
所で氏族って何だ? もしかして種族みたいな感じか?
そう言えば、アスガルドにいた人たちは体のどこかにタトゥーみたいな物があったな。
とりあえず氏族以外は埋めておくか……。
そう思いながら書き進め、残った氏族について考える。
どうやって書けばいいんだ? 人の氏族か? それとも零の氏族か?
しかしいくら考えても答えは出てこず、こうなったら俺は一つの賭けに出る。
〇〇の氏族が分からないのなら、ヒューマンって書けばいいだけだ!
そう思いながら氏族のところを書き埋める。
渡された書類を書き終え、冒険者受付にいるダークエルフの受付嬢もといサクヤさんに返す。
ちなみにサクヤさんの名前を知ったのは、彼女の胸に着けてある名札に書かれたる言葉を翻訳したからだ。
話を戻して、サクヤさんは返した書類を見て言う。
「うん、問題ないわね。集合場所と時間は食堂兼酒場の陽九時だから、あまり遅刻しないでくださいね?」
「分かりました」
俺はサクヤさんの言葉を聞きながら参加費の銀貨四枚を受付の机に置き、受け取ったのを確認してから一旦冒険者ギルドを出る。
さて、冒険者試験の受付を終えたし、暗くなるまでアスガルドを探索するか……。
そう思いながら戦力を上げるために探索を始める。
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