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義妹とクラスメイトから迫られる~義妹の信頼を積み重ねるために行動していたら、クラスメイトからも好かれました~  作者: 夢見る冒険者


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清々しい朝

Side 涼花


お兄ちゃんはどうしたら私の気持ちに気づいてくれるのかな...私に誇れる兄であるために頑張ってくれているのは理解できる。でもね、どうしても私だけを見欲しいって思っちゃうんだよ。


顔がゆがんで、涙が零れそうになる。でもここで涙を流したら負けを認めたような気がするから、我慢する。お兄ちゃんの負担には絶対になりたくないから。


でも、今日のは酷いよ。あんなに綺麗な人を連れてくるんだもの。お似合いだなって思ってしまった。彼女はヒロインで私はその中を取り持つ為の存在だなんて錯覚するほどに。


感情が抑えられそうになかったから、部屋に籠ったんだよ。傷ついている彼女に追い打ちを掛けそうになったから。あぁ、本当に自分は醜い存在だと思ってしまう。


風呂場に突入したら少しは異性として意識してくれるかな...でも、拒絶されることが怖い。依存しないくらいには、か。私はもっと依存してほしい。あれは本心からの思いだった。気づいてないよね、きっと。


嬉しかったな、お兄ちゃんが初恋の人がいることも覚えてくれたことも、その人に嫉妬したことも嬉しかった。私が好きなのはお兄ちゃんだけなのにね。お兄ちゃんが恋をするとしたら、どんな人なんだろうか?


カッコよくて、運動もできて、人にやさしく接することもできる。沢山の人に告白されているのに、断っているのはどうして?私は期待してもいいんだろうか?自分の気持ちが段々と抑えられなくなっているのを感じる。


苦しくて、でもお兄ちゃんのことを考えられずにはいられない。壁一つ隔てた先でいつも何をしているのかを考えてします。スマホに映った自分の顔を見つめる。お兄ちゃんは彼女のように美人な人が好きなんだろうか?


それとも、すべての反応の初々しさが必要なのかな?時折みせる屈託のない笑顔?内カメラに映った自分の笑みを見つめる。少しだけぎこちなくなってしまう。


今日は自分の気持ちを切り替えられそうにないな。そろそろお兄ちゃんがお風呂を上がる時間だ。着替えを済ませたらリビングに来てしまう。今の顔を見られたくなかった。私はお兄ちゃんが部屋に入る前に階段を上がっていく。


ふと立ち止まったのは、お兄ちゃんの部屋の前。彼女が出来たら部屋に入ることもあるのかな。それだけは嫌だった。この部屋に入るのは私の特権だから。兄が風呂場のドアを開ける音が聞こえる。それと同時に私は自分の部屋に入った。明日にはきっと、いつも通りの私でいるから。そう心に誓って扉を閉じた。



***



「お兄ちゃんおはよう」


義妹の声と共に朝が始まったことを確認する。差し込んでいる日差しは眩しく感じる。けれど、空気は澄んでいて、いつもより目覚めは良かった。


「珍しいね、お兄ちゃんが早く起きてくるなんて」


「まぁね、何だか体が軽い気がするよ」


「昨日の夢咲さんのお陰かな」


「う~ん。どちらかというと涼花のお陰だよ」


義妹が笑顔でいる為に、その目標があるから俺は頑張ることができているんだ。来年入学した時に、彼女の味方になってくれる人を増やしたい。どんな部活に入っても、温かく迎え入れてもらえるように、俺の妹だからと手助けしてもらえるように俺は頑張るんだ。


「私のお陰」


「うん。涼花のお陰で夢咲さんと向き合うことができた。クラスの雰囲気もこれでよくなると思う」


そう言うと涼花は少し考えるようにして、俺に尋ねる。


「そういえばどうしてお兄ちゃんは夢咲さんを助けたの?」


義妹にいうのは少し恥ずかしいけれど、嘘を言ったら自分の気持ちがブレるような気がしたから本心を告げる。


「涼花が来年入学した時に助けてくれる人を増やしたいんだ。だって、涼花は可愛いから嫉妬から、羨望とか一心に受けるだろ」


そう言うと涼花は下を向いてしまう。えっ、もしかして余計なことをしてしまっただろうか。でも何を行ったらいいか分からないから、言葉を紡ぐしかなかった。


「ほら、男子が告白したせいでそれを好きだった人に嫉妬で嫌がらせがあったし、俺にとっては一番大切なのは涼花だから」


でも何の返答もなくて、余計に焦る気持ちが出ている。静寂がどこか俺を咎めるような気がして、それでも義妹の返答を待つ。


「お兄ちゃんが彼女を作らないのってもしかして、私がいるから」


「余裕がないだけだよ、彼女を作るだけのね」


「...そっか」


俺は義妹の様子を伺っていると、笑顔でこちらを向く。あぁ、やっぱり綺麗だなと心底思った。振り返った瞬間、朝の陽りに照らされた瞳がキラキラと輝いて、桜の花びらが舞い散る景色を連想させる。何秒、何分そうしていたのかは分からない。それほどに見とれていた。


「お兄ちゃん、恥ずかしいよ」


そう言って髪を触る義妹の声で我に返る。


「ごめん」


それに続く言葉があるはずなのに、咄嗟に出てこない。今の俺はどんな表情をしているんだろうか。


「別にいいよ。見てくれるのは、嬉しいもん」


ホントに嬉しそうに、頬を緩ませていた。


「もしよかったらさ、今度二人きりで出かけないか。お礼がしたいし」


いつも通りの提案のはずなのに、どこか気恥ずかしさを感じる。


「嬉しい。もちろん、いいよ」


雨上がりに咲く花のような笑顔を見て思う。俺が頑張れる原動力は涼花だと。義妹の期待に応えられないと俺も自分を追い詰める日が来るかもしれない。それでも、前を進み続けることだけは絶対にすると誓った。それが俺が生きる意味だから。澄んだ空気を肺に入れて、今日も歩き出す。


「「いってきます」」


義妹と共に学校へと歩くこの時間が俺は好きなんだと自覚する。これからも義妹に誇れる兄でいようと。そう思った。


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