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運命的な出会いをした

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

飽き性な自分が、大盛り頼んだのがいけなかった。

『珈琲どこ……』ってなったのがいけなかった。


明日からまた、頑張らないと。

人が自分を慰める時に何をするかと聞けば、人それぞれの返答が帰って来るだろう。人に相談するも良し、創作に当てるも良し。けれども私の逃げ口は何時だって珈琲であった。辛い時に呑む珈琲は自分を慰めてくれる気がする。そうしてそんな傷心中に偶見掛けた純喫茶に、運命を感じてしまうのだ。


今日は朝から不幸な出来事が続いていた。知らない人に踵を踏まれ、知らない人にタックルを噛まされ、あまり良い一日を過ごせているとは言い難かった。

こうなると、必然的に純喫茶に逃げ込んで、今の自分を慰める事に没頭したくなる。健康も値段も気にせずに、思うがままに味わいたくなる。

そんな事を考えながら歩いている時、硝子窓に写り混んだ陶器人形達を発見した。其れは西洋の骨董品店の様に上品な佇まいをした純喫茶だった。

一瞬で惹き込まれたのは、言うまでもなかった。今は、今だけは、今日の不幸を今の幸運への対価だと実感した。

多少の躊躇いを持ちながら、硝子扉を開くと、外観とは一風変わった世界が広がっている。木を基調とした屋敷のサロンの様な一室。西洋的でありながら、何処か和風的にも感じる。

店主に勧められるがままに奥の席へと腰掛けて、メニューを覗いた。頼むものは決まっていた。

部屋中を包み込む、クラシック、賛美歌は、今の私への慰めに感じた。まるで懺悔室で自分の嘆きを受け入れてくれる様な、なんとも言えない居心地の良さがあった。

あまり良い一日とは言えなかった。けれどもこうして、素敵な店への切符だと感じられたら其れで良いではないだろうか。

そうこうしているうちに、願いの品が届いた。底に行くに連れて暗さが増していく珈琲と、この部屋の縮図の様な林檎のケーキ。鼻を近付けて匂いを嗅ぐと、芳醇な匂いが肺に溶け込む。

まずは一口。思わず目を見開いた。驚く程に甘い。其れもミルクの様な甘さ。今まで飲んできた珈琲は、果実の様な、チョコレートの様な甘さのものがあったが、其れのどれとも異なる。純粋に、珈琲の持つ豆の甘さが十二分に出ているのだと知った。

恍惚としたまま林檎のケーキに手を付けると、上品な甘さが舌を刺激した。甘いと言うには余りに控え目な、其れでも不足を感じる事のない優しさ。少しパサ着いたスポンジが、しっとりとしたクリームと合わさって、一つの作品を生み出していた。

思わず目を閉ざす程に美味しい。溜め息が出てしまいそうだった。

こってりとした味を変更したくなったのが原因。

珈琲飲みたいと思ってしまったのが運の尽き。

たまたま純喫茶への扉があったら、そりゃもう抵抗出来ません。


○○のグルメですよ。気分的には。


ちょっと高級店なんです。

だから何時もよりもお高め。金貨一枚分。


でもそれに見合うだけの、大きさと味です。

ケーキは一回り大きいんです。

しかも味も滅茶苦茶上品。

珈琲も美味しい。

ミルク入れてないのに、ミルクの様なまろやさか。

冷めてもしっかりと苦味があります。


これを『高い?』と聞かれれば『お値段相応。ケーキの大きさ加味したら、寧ろ安いくらいかも』と返すと思います。


昨日釘を刺されたのに、結局首を突っ込んでしまうのは、人の性だと思います。

いつまでも健康でいたいな。

ある日突然ぽっくり逝きたいな。

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