愚かな選択
(凄い街並みだな。カグヤとはまた違って派手な装飾の建物が沢山あるなあ。エデンの参考に帝国内を帰りに探索してみるか。)
そんな事を考えながら、歩いてく内に帝国城に辿り着いた。
その間もネジはブルブル震えながら隆介達を案内していた。
汚い伯爵はネジの使いの者が運んで行った。
「ここが王座の間でございます。皇子並びに帝国内の主要な貴族達も集まっております。」
「これはこれは皇子並びに貴族の皆様。私はターマ教の幹部で使いの者の小倉と申します。こちらも同じ幹部の隆介と申します。それとこちらが今回被害に遭われた聖王国カグヤの使いとして第三王女のインパクトステーシア様です。」
「宜しくお願い致します。」
「聖王国カグヤ第三王女インパクトステーシアです。今回は今後の帝国への賠償等をお話に参りました。」
ステーシアは怒りをぐっと抑えながら一国のの代表としての威厳を保っていた。
「私はこの帝国の皇子をやっておるパイレンタケミカヅチだ。この度はわざわざ御足労礼を言う。」
パイレンもまた内心どうなるか不安と緊張で冷や汗が止まらなかったが、皇子の威厳を保たなければ行けなく必死だった。
「自己紹介も終わった所で…この度はよくも我々ターマ教にちょっかいだして来たなこの野郎。」
「そっ…その件に関しては深く謝罪させてくれ。本当に申し訳無かった。」
貴族達は驚きを隠せずにいた。
あの絶対的な権力を持っている皇子が既得権益を考えず我々貴族の前で頭を下げているからだ。
それと同時にそれ程まで大きな敵に手を出してしまったのかと感づいた貴族も中には居た。
「すまなかっただ?じゃあコイツはなんだ?おい連れて来い!!」
バサッ
「めっ…メカトロフ伯爵?ど…どう言う事だ。」
「俺達が帝国に来る途中、コイツが大量の兵士を連れて襲撃して来たんだよ。これが証拠だ。」
そう言って簡易的なプロジェクターにスマホの動画を流した。
実はあの時小倉は隆介達が襲撃されている所をスマホで録画していた。
(まずあの映像を映している機械はなんなんだ?我が知らない魔法?それかターマ教では当たり前の機械なのか?それにメカトロフ伯爵は何をしているんだ?あんな汚らしい格好で気絶して。駄目だ…全くわからん。これが真実なのか罠なのかも)
「まずウチのメカトロフ伯爵が貴殿らを襲撃したのは事実なのか…?」
「事実だよ。俺達を拷問して殺してやるとか言ってたぞ沢山連れて。返り討ちにしたけどな。これが帝国の答えなんだな?」
「いっいや違う!それは誤解だ!メカトロフの勝手な行動だ!ネジよ。メカトロフを叩き起こせ!」
「はい!」
ボコッ!!
「いっ痛ッ!ひぃ~!!助けて下さい!」
目の前に痛い目に遭わされた隆介達がいて怯えている。
「メカトロフ殿よ。この者達を襲撃したのは本当なのか?」
「えっ…いや…その。」
メカトロフは明らかに動揺し、目を泳がせている。
「皇子。メカトロフ殿はこの者達におどされてるのでは?」
「そうだ。そうだ。」
「大体なんだあの映像の魔法は!私達が知らない魔法じゃないか!どうせ嘘を映してるんだろ。」
「大体今この者達は帝国領内。自分達の立場を知れ!」
メカトロフを含む絶対に敗北を認めたくない帝国の貴族達はこの期に及んでもまだ反発している。
「黙れ!黙れ!黙れ!貴殿らはこの状況が分かっているのか?帝国は敗北したのだ!彼等に賠償を…」
ネジが必死に説得を試みようとしたが最悪な展開が待っていた。
帝国の近衛兵達が隆介達を襲撃する為に城の外で待機して居たのだ。
「皇子?これはどう言う事ですか?」
「いっ…いや私もわからないのだ。私はこんな指示をだしていない。大体牢屋に入れられてたであろう。」
皇子が牢屋に入れられてる間に貴族達が団結し、襲撃の準備を進めていたのだ。
「皇子よ。もう貴方に帝国をまとめる力は無い。これより先はこのノギスが指揮を取らせてもらう。」
「ノギス…貴様ぁ!!」
「おっと。ネジ様手を出しても良いのですか?皇子の首が飛びますよ?」
「くっ…」
「おい。どう言う事だこれ?」
「どうもこうもこの状況が我々帝国の答えですよ。貴方方は今どう言う状況か分かりますか?この城内も帝国内も我が帝国兵で埋め尽くされています。素直に投降する事です。ターマ教とやらを即座に解散し、全てを帝国に渡しなさい。カグヤもそうです。」
「オッケー分かった。お前等の返事はこれで良いんだな?残念だよ。もう滅ぼすしかないじゃねえか。帝国民、協力する全ての者達を殺す。容赦なく、完膚なきまでに滅ぼす。隆介と王女様もそれで良いな?」
「もちろんですとも。元々私は許すつもりは無かったので。隆介様と小倉様の意見に従う予定でしたので。」
「俺も異論ありません。ターマ教の教えのままに」
「これだから低能は困りますね。この状況で何を…」
「テレポート」
目の前から隆介達が消えた。
「なっ…」
「ノギスよ。これがターマ教だ。奴等はもう我々が敵う相手ではない。テレポートの魔法はこの世界でも限られた者しか使えない。それこそ大賢者や魔法の真髄を極めた一部の人間のみだ。なのにターマ教の教祖でもない幹部の者が簡単にやってのけたではないか。私と皇子は帝国を離れる。こんなバカ皇子でも今まで命かけて尽くした御方だからな。後は好きにすればいい。」
「なっ何を言っている!帝国のためにその命かけぬか!」
「私は命かけるならこのバカ皇子のためと決めてるからな。」




